ギャンブル依存症と嘘

未だにSuicaを使う時、緊張します。カモメです。
前回書いた記事を読んでスキを押して頂いた方々へありがとうございました。

はじめましてのかたは、はじめまして。自分のギャンブル依存症の経験談を書いています。自分で言うのもなんですが、『元依存症』ではありません。現在も依存症であると自分では思っています(5年ほどギャンブルはしていません)先に書いた第1回目の続きになります。簡単に前回のあらすじを書きますと、初めて行ったパチンコ屋さんで4,000円が115000円になったよ。何に使おう?という感じです。
お話の最後に、おまけ話があります。もしよければどうぞ。


お金の使い道。

初めて打ったパチスロで大金を手にした翌日『は』大学に講義を受けに行きました。しかし頭の中は昨日のスロットでの大勝の事ばかり考えてしまい授業内容など一切入ってこず、ケンシロウの百裂拳がカッコ良かっただのトキやレイも良かった、など本当に一日中スロットのことばかり考えているうちに全ての授業が終わり、自由の身になりました。

大学を出てまず頭に浮かんだのは『今日もスロットを打ちたい』ただそれだけです。もう一度昨日と同じようにたくさん大当たりを引きたい、箱一杯にメダルを入れたい。とにかくあの刺激をもう一度味わいたい。

いてもたってもいられず自宅に急いで帰りました。何故一度自宅に帰ったかといえば、現金を取りに帰ったのです。流石に10万円以上を持ち歩くのは不用心だと思い、家に置いてきたからです。

自宅に帰り、すぐに秘密の隠し場所から現金を取り出しパチンコ屋さんに向かおうとしたところ、偶々現金を持っているところを母親に見られてしまいました。

それまで貯金というモノをした事がない私が大金を持っているのを見て、なんでそんなにお金持っているの?と聞かれました。至極当然の疑問だったと思います。ここで正直にパチンコで勝ったと言えれば良かったのでしょうが、母親はギャンブルをする事に良い顔しません(子供がギャンブルをして喜ぶ親御さんにはいないでしょうが、、、)

深く追及されるのを避ける為に私は嘘をつきました。新しいゲーム機を買う為にバイト代を貯めた。ともっともらしい事を言いました。当時は両親も大学生になったばかりの子供がまさかパチンコしてるとは思わなかったのでしょう、あっさりと納得していました。嘘をつくということに『まだ』良心の呵責がありました。

少し話が逸れますが私はあまり『もしあの時〜だったら』ということは考えない方なのですが、パチンコに関する初めての嘘をついた時の事はやはり少しだけ考えてしまいます。もしあの時正直に言えれば、多少怒られたとしてもその後の人生も少しは変わっていたのかな、などと思っています


嘘をつき家を出て向かった先は、まず近所にあったゲームショップでした。嘘はつきましたがゲーム機が欲しかったのもまた事実であり、まずゲームを買ってからパチスロに行くかどうか考えようと決めました。
欲しかったのはプレイステーション3で当時価格が50,000円くらいしたと思います。本体とソフトを買って約60,000円くらいしたはずです。
このパチスロで勝ったお金を使ってゲームや欲しいモノを買うという無計画なお金使い方は後々まで続きます。
買ったモノが残ればまだ良いんですがね(フラグ)

自宅に戻りとりあえずゲーム機をセットしたらすっかり夜になっていましたが、両親と弟も家に帰ってきていた為結局この日はパチンコ屋さんには行きませんでした。

次の日、大学に行ったところ講師の都合が悪くなり午前中の授業が休講になってしまいました。
午前中が丸々空いてしまい、午後の講義までかなり時間がありました。
もちろん私が取った行動はパチンコ一直線です。なんの迷いもありませんでした。

再びパチンコ屋さんに足を踏み入れた私は、初日に感じた悪い印象など微塵も感じることもなく、大音量の音楽や薄暗い店内に有名テーマパークに来たような興奮を感じながらパチスロを打ち、2日目も30,000円ほど勝ちました。

次の日、本来ならアルバイトをする予定でしたが体調を崩した、とバイト先に嘘をつきパチンコ屋さんに向かいます。
何の根拠もないままきっと今日も勝てると思い込み、勝ったお金で何を買おうか?など妄想しながらパチスロ台にお金をドンドン注ぎ込んでいきました。

結果、たった数時間で60,000円負けてしまいました。
帰り道はいろんな事を考えましたが60,000円あればいろんな事が出来たのになあと、バイト先に嘘をついたことより、ギャンブルで負けた事のほうが頭の中を占領していました。寝る時にはもうパチスロはやめようと考えながら眠りました。

しかしパチスロを辞める事はできませんでした。


次回に続きます。


ここから先は今現在の私がギャンブルから離れられている理由のひとつを書きたいと思います。
先におことわりをいれさせていただきます。
病院に通院しての治療や家族による金銭管理などの方法を紹介するわけではありません。
あくまでカモメ個人の心境を変化させた出来事です。

それは古い友人の結婚式でした。
その友人とは15年以上の付き合いで、お互いかなり気心のしれた仲でした。
私が依存性であると知ってなお付き合い続けてくれた唯一の友人です。
性格はまったく正反対の私達ですが妙にウマが合い一緒にいてとても楽しかったです。

その友人から結婚式を挙げるので是非参加して欲しいといわれました。もちろん参加したい気持ちはありましたが当時の私は千円でももっていればパチンコに行ってしまうほど酷い状態だったので、御祝儀の費用やスーツなど買うお金がありませんでした。
友人もそれをわかっているので、何も用意しなくていいから参加して欲しい。といわれましたがみすぼらしい格好で参加してせっかくの結婚式を台無しにしては申し訳ないから、と辞退を申しいれましたが大丈夫だから絶対に来てと言われてしまいました。

当日言われた通りの時間に式場に着くと友人が私にスーツと御祝儀用のお金をこっそり渡されました。

そうして申し訳なさ一杯の私は式場にはいり、結婚式が始まりました。
幸せそうな新郎新婦を祝いながら式が進み2人の思い出の写真がスクリーンに写し出されていきます。

写真には楽しそうな2人が写っており隅のほうには平成何年何月何日と日付も入っていました。

2人は何年も長い時間をかけてたくさん思い出を築いていました。

2人が思い出を築いている、その同じ時間私は何をしていたのでしょう?

パチンコをしていたのでしょう。


同じ10年間過ごしていて、パチンコの勝ち負けしか記憶に残っていない。
その状態想像できますか?私はかなりゾッとしました。
あまりにも自分のそれまでの人生が無意味だと気づいた時の感じは本当に虚しく、とても悲しくかったです。


この出来事が私に変化を与えてくれた事は間違いなく、
現在ギャンブルから離れられている大きな要因です。
2度とあの時と同じ虚しい気持ちはあじわいたくはありません。

私はギャンブルをすることは悪いことであるとは思いません。
自分で自分をコントロール出来る方ならストレス発散にはなるかもしれません。

しかし私のように自分自身をコントロール出来ない、自信がない方は決して手を出すべきではありません。


長くなってしまい、すいません。   かもめ

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