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安倍さんに日本を託していいのですか?今の企業の幹部は?

私は政治思想家でもないし、あまり政治的なことをことさらに取り上げたいわけではないのですが、昨今の国会での議論には強い憂慮を感じざるを得ません。

私の大好きな書籍のひとつに、デール・カーネギーの「人を動かす」という本があります。

知っている人、読んだことある人も多いですよね。
新社会人向けの本として長い間のベストセラーですし、私も社会人になった直後に、当時の人事部長の講和のなかで勧められて読んだ記憶があります。

世の中のどんな悪人も、自分のことを悪人だとは思っていない。人を説得しようとするときに、自分が正しくて相手が間違っているという立場で、相手を説得しようとすることほど愚かなことはない。相手を説得するためには、真に相手の立場にたって、なぜ相手が今の考えに至ったかを本気で理解し相手を認める、相手と同期するところから始めなければいけない、ということが書いてあったように記憶しています。

実行するのは難しいことだと思いながらも、少しでも自分のものにしていきたいと思い、以来、出来ているかどうかは別にしていつも心の片隅に置いて生きてきたつもりです。

安倍さんはこれまで、秘密保全法(スパイ防止法)、安保法制(国家安全基本法)といわれるものと、現在また共謀罪について、数の論理を背景に強引に法案化を進めてきたし、また進めようとしています。
今回、これらの法案の是非を議論しようとするのではないのですが、あまりにも性急で、議論が尽くされないままにどんどん右方向に舵を取っている姿には、その時々で大きな反対意見は起きるものの、なぜか、その反面でリーダーシップ力に期待してからか、世論調査での内閣支持率は高い状態を保ってきています。

今日、国会中継を見ていて思ったのは、森友学園をめぐる質疑の中で、与党に不利になることを絶対に避けるために、どんな小さなこと、普通なら認めざるを得ないことも認めようとしない。国民がおかしいと思っていても、そこを真摯に受け止めるところがまったくなく、とにかく建前論で正面突破することしか考えていない今の状況に改めて危機感を覚えました。南スーダンの治安状態がほぼ戦闘状態であるという現場の日誌があっても、さらに実際に撤退を決めた状態になっても、治安が問題なのではないと言い切る姿は、先のデール・カーネギーに照らしてみると、「人を動かす」ということからは程遠いと思わざるを得ません。

繰り返しますが、法案や国会での議論そのものの内容について問題にしているのではありません。もちろん私にも意見はありますが、私が問題にしたいのは、強引すぎること、国民の疑問を無視して自分は正しいのだから、各論は不要だという姿勢について大いなる疑問があるわけで、でも、結果的に日本国民はそういうやり方も含めて安倍さんを認めているのが現実なわけなのです。

実は、ここからが私の本題なのですが、日本の大企業も同じようなことが起きていませんでしょうか?東芝の経営陣、シャープの旧経営陣は、本当に心から納得させて「人(社員)を動かす」ことを考えていたのでしょうか?東芝やシャープだけではなく、皆さんの会社は大丈夫ですか?

企業の幹部は、本当に現場を理解して、現場と同期した経営をしていますか?

先日、私はある大手企業の開発部門を統括する幹部に、普段から現場の声を聞いてますか?現場を小まめに回ってますか?と聞いたら、あまりにも組織が大きくて、とてもじゃないけど出来ない、と答えられたのを聞いて、実は本当にがっかりしました。今でも照れ隠しの答えだったのだと信じたい気持ちはあるし、そういう幹部だけではないことは私もわかっています。でも現場を知ろうとせずに自分の考えを強引に推し進め、従来の延長で自分本位な成果を出すことのみを考えるような幹部も結構な割合でいて、その中のまたある割合の人たちが会社をダメにしていくことも、ある意味確かなのだと思います。

企業にしろ、国家にしろ、取って代わるリーダーがいないから、他に強いリーダーがいないからという理由だけで、現状を是とすることはやめたいものです。

じゃあどうするか?

取って代われる人、選択肢を増やすことだと私は思うのですが、確かに今は選択肢がないのでしょうね。国家も企業も。
特に企業のトップは自分たちでは選べませんからなおさら厄介です。若き志のある人を早く世の中に送り出す、みんなの選択肢に入れる仕組みが必要なのでしょう。

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