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情報の価値に値段がついて市場ができる

クラウドコンピューティング、IoT、ビッグデータ解析、AIなどの言葉が氾濫していて、何やら世の中が大きく変わろうとしている予感がします。
でも、自分たちのワークスタイルやライフスタイルがどんな風に変わっていくのか、私自身はまだ肌で感じることが出来ません。

そんな中で、ひとつだけ変わりつつある姿を感じるのが、「情報の流通」ということです。「情報」って無形のものであることが多く、価値を評価するのが難しいですよね。でも、これをお金に変えよう、情報を流通させて市場を形成しようという動きがあるのを感じられます。

この”note”というのも、まさに情報に値段をつけた新しい流通の形であって、今まではなかなか自分の情報に値段などつけられなかったのを、Web上で市場の反応を見ながら販売、流通させることができて、非常に面白いしくみだと関心してます。
note以外でいくつかの例を示すと、ひとつはWeb作成での記事作成代行など、Webページを作る人、特にアフィリエイターと呼ばれる人たちが頻繁に使うようになって参入業者も増えて、クラウドソーシングなどで記事を集めて販売する形態ですが、最近ではもっとも安いレベルだと一文字1円前後で取引がされているようです。ただし、プロのライターだとおそらくその5倍から10倍、もちろんもっと上もあることでしょう。
本来は、記事の内容によって記事の価値判断をすべきところなのですが、今起こっているのは、記事のライターをクラス分けして、単価を変えるというしくみです。書かれた内容ではなく、書く人の質で情報の値段を決めています。

「情報工場」というのがあります。出版の世界で経験のある人が、書籍(国内、海外問わず)を読んで、3,000字程度の要約文にして週に何冊かの要約情報を販売するわけです。年間契約のような形になっていますが、忙しいビジネスマンにとって、世の中にあまたある、また次々に発行される書籍の内容を短時間で吸収することができるということで、企業のトップの方はじめ、広く使われるようになってきているようです。これも、ひとつの新しい形の情報流通と考えられ、ある程度のレベルの方が要約を作ることで、新たな価値を生む情報にして、それをお金に換えて流通させるわけです。

シニア層の再活用事業なども、ある意味では情報の価値の活用と言っていいのではないかと思っています。たくさんの経験をもったシニアの方たちが体に染みつけてもっている情報を、人の斡旋という形で必要な場面に送り込む、そこで困っているビジネスの現場に有用な情報を再利用できる形にする。表面的には単なる人材活用なのですが、実態は情報を引き出すための新たなマッチング事業なのかもしれないと、私は捉えています。

ウーバーやAirBnBは、人のレイティング(サービス提供側、享受側双方の口コミ)情報によって、常識では無理だと思われたことを覆すようなマッチング事業を成功させました。
このような変革、新たな価値創造はまだ他にも出てくるように思われます。

Every Senseという会社が、情報のマーケットプレイスをやりたいとメッセージを出されています。IoT時代が来るときに、様々なセンサーやモバイル、ウェアラブルデバイスが世の中に蔓延し、そこからのデータを売買するしくみ、マーケットプレイスを作る構想のようです。

グーグルが、Gmailサービスなど無償のサービスを提供しつつ、個人情報、個人の嗜好データを知らぬ間に抜き取っていって、彼らの独壇場の世界を創ろうとしています。もちろん、それによって我々も様々な利便性を手にしているわけですが、我々ももっと情報、データの価値を強く意識すべきかと思うこの頃です。
今は、欲しい情報があればYahooやGoogleで検索することで、たくさんの情報を獲得しようとしするPullの状態ですが、欲しいと思う情報がどこからかPushされる時代が来るかもしれません。



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