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格安SIM vs. 大容量プラン

1か月半ほど前に、格安SIMに乗り換えるシミュレーションをして、いわゆるアベレージユーザーにとっては格安SIMが圧倒的に有利だというお話しをしました。

一方で、この1、2か月の間に大手キャリアが20ギガバイトを中心にした大容量プランを打ち出してきて、私自身は無駄なあがきだとタカをくくっていたのですが、先日、NECのテレコム系の人と話しをしたところ、時代はそちらに動くかもしれないとのことで、また、大手の思い通りにマーケットが動かされていくのではと少しばかりいやな気持ちになっています。

私や私の妻のデータ通信量は月に1~2GBで、19才の娘が7GB前後というのは前回もお話ししたとおりなのですが、東京オリンピックに向けて今後、市街地でのフリーのWiFiスポットが増えてくるだろうという予測と、それを見越して、「タウンWiFi」というスマホ向けアプリが流行になっていて、そのアプリを入れると、娘のようなデータ通信量の多い人たちもLTE、3G回線の通信量は減ってくるという甘い読みをしていたわけです。
なので、多くの人たちは格安SIMの適正容量のプランに一日も早く変えるべきというのが私の主張でした。
NECの人の話は、言われてみればしごくまともで、若い人を中心に動画の閲覧や動画を使ったアプリはどんどん広がっていって、使用容量は若い人たちだけでなく全体でどんどん上がっていくので、市街地でちまちまWiFiを切り替えるよりも、これから安くなっていくだろうLTEやこの後来る5G通信を考えると、大容量プランでの競争に移っていくだろうということです。

大手のプランは、20GBのデータ通信のみのプランで月額6,000円、音声通話を含めると月額8,000円と、なんか示し合わせたような(実際そうなのでしょうが)同額のプランで、今までの5GB、7GBのプランと比べると、なんとなくお得感があるというものです。
さらに、iPhone7の発売で、「実質0円」はやめなさいという総務省の想いもむなしく、下取り、値引きなどで大手のつなぎとめ工作は勢いを増しています。
選択するのは、我々消費者自身であって選んだからには責任は我々にあるのですが、また、2年縛りの術中に多くの人たちがはまっていくのかというのが、「いやな気持」の原点です。

そんな中、先日の日経新聞に出ていたのが、イオンがこの大手の大容量プラン競争に割って入ってくるというものです。先の20GBプランで比較すると、データ通信のみが月額4,480円、音声通話付きで6,480円というものです。
頑張って欲しいと思う一方、MVNO業者の場合、通信量の絶対値に制限があるので、特に大容量プランでは不利な競争になることは明白で、どこまで頑張れるかという懸念もあります。
消費者が注意したいのは、MVNO業者が頑張れば頑張るほど、同じ大容量プランでも通信速度が落ちてしまい、そこを大手につかれて結局負けてしまうことです。

いずれにしても、せっかく「格安SIM」への移行者が増えつつあって、大手による通信料金の搾取から一般消費者が逃れるチャンスを、この大容量プランで元に引き戻されるのを少しでも阻止したいと願います。

技術の進歩で、通信量に対するコストはこれからどんどん下がっていくはずです。そこに正当な市場競争の原理を残しておくためには、端末代金やご褒美で大手につなぎ留められて、一瞬得した気分になって気が付いたら2年間抜けられないという状態に、一人でも多くの人が気づいて欲しいと思います。

大手は、できるだけ高い通信料金を一日でも長くキープしたいと躍起になっているわけです。端末や販売店へのインセンティブなどは高止まった通信料金の美味しさに比べれば何でもないのです。

この先1~2か月で、大容量プランに対するMVNO業者の動きも活発化することが予想されます。焦らず、特に端末との抱き合わせプランにはできるだけ乗らないで、安いことも大事ですが、端末と通信料金は切り離して、いつでも他社に乗り換えられるようにすることが、最も賢いことだと思うわけです。



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