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レグルス ~カモノハシver.~

秋里ひたきさんのレグルスに感銘を受け、自分なりにアレンジしました。ご本人から承諾済みです。

レグルス ________________________________________________________


王さまは いつもからっぽだった。

王さまには  おおくのけらいや  めしつかいがいて  クニじゅうのヒトからそんけいされていた。王さまのすむ  おしろは  せかいいちゆうめいな  だいくがつくり  ごうかけんらん。そのにわは 1 8人のにわしが  まいにちていれし  花はひかりかがやいた。

きらきらひかる石ころは  山になるほどたくさんで  めずらしいいきものをあつめた  やかたは  クニのどのどうぶつえんよりもおおきく  目にはいるけしきは  すべて王さまのものだった。まいにちまいにち  おなかいっぱいおいしいものをたべた。クニじゅうのみんながあこがれるせいかつだけど  王さまのからっぽはからっぽのままだった。



王さまは  いつもからっぽだった。




王さまは クニでいちばん かしこかった。

だから 王さまはかんがえた。王さまのからっぽは どうすればうまるのか。
かしこい王さまは となりにもクニがあることに きがついた。
そのくにには 王さまのクニにはないおたからが いっぱいあって きらきらしてみえた。王さまは となりのクニをもらうことにした。そうすれば からっぽはなくなる。

だけど となりのクニは 王さまのおねがいをむしした。となりのクニは おたからがたくさんあるから かんたんにはあげられないのだ。王さまは かんかんにおこった。かしこい王さまのおねがいが むしされていいはずがない。

王さまは となりのクニをうばうことにした。クニじゅうのへいしをあつめ となりのクニにせめいった。王さまは かしこかったから いろいろなほうほうでせめた。

となりのクニのごはんをうばったり かわをこわしてみずでいっぱいにしたり たかーいカベをたてて ひとびとのこうりゅうをだんぜつした。

だから となりのクニのヒトは ぺこぺこでべちゃべちゃでさみしくなった。
となりのクニは かなしくなって がんばれなくなりたたかいにまけた。

王さまは のぞみどおり となりのクニを手にいれた。たくさんのおたからは 王さまのものになった。とてもうれしいはずなのに 王さまのからっぽは なぜかもっとおおきくなった。

からっぽをうめるほうほうは かしこい王さまでもわからなかった。
王さまは たくさんのクニを せめることにした。すべてを王さまのものにすれば なにかがきっと 王さまのからっぽをうめてくれるとおもった。



王さまは あっというまに5つのクニをおとした。


あるとき 6つめのクニをせめていたへいしが 王さまをたずねてきた。
王さまのしらないだれかをつれていた。そのこは まほうつかいだった。
王さまでも まほうつかいをみるのははじめてだった。王さまは とてもよろこんだ。

王さまは まほうつかいに まほうをみせてみろと言った。まほうつかいは 王さまにいろいろなまほうを みせた。どうぶつのすがたをかえたり 空をとんだり あめをふらせてにじをかけてみせたりした。

王さまは まほうにむちゅうになった。

まほうつかいは 王さまに たのみごとがあると言った。まほうのおれいだ なんでもいってみろ と王さまはこたえた。6つめのクニは じぶんのこきょうです。せめるのはやめてください。そのかわりに わたしがこのクニにすみつづけますから ともだちになりましょう とまほうつかいは 王さまにたのんだ。

王さまは そこではじめて ずっとひとりで さみしかったことにきづいた。


たからものをながめるときも どうぶつをみるときも ごはんをたべるときも。


まほうつかいといっしょなら きっとたのしくなるにちがいない。王さまのからっぽが うまるようなきがした。




王さまが おねがいにこたえようとしたとき まほうつかいのくびは へいしにはねられた。



とんだくびを へいしはにくむようにみおろしていた。王さまとともだちになるだと!れいぎしらずめ! とへいしは言った。まわりにいただれもが へいしにはくしゅをおくっていた。王さまには それが えたいのしれないかいぶつたちのおまつりにみえた。

かいぶつたちは まほうつかいのクニをせめおとす まえいわいとして パーティーをはじめた。わけのわからないいきものたちが 王さまをかこんでさわいでいる。王さまは めまいがしてきもちがわるくなった。これはきっと まほうつかいがかけたのろいだ と王さまはおもった。



王さまは この日もからっぽだった



まほうつかいのクニは よあけまえにおちた。

王さまは またひとつクニを手にいれた。けれども 王さまのからっぽはうめられなかった。なにがなんだかわからなくなった王さまは きのうのことをふりかえってみた。

とりたちがおはようと なきはじめたとき 王さまは きがついてしまった。


まほうつかいがしんだことを。


王さまは とてもかなしくなった。
もうあのこにあうことができないとおもうと からだがおもくなった。
まほうつかいのおねがいを やぶってしまった。
王さまは なにもできなかった。
目のまえがまっくらで こころはおもく どんどんそこにしずむかんかくにおちいった。
王さまは もうなにもほしくはなかった。
王さまは なにかにみちびかれるように おしろのおくじょうへむかった。
ぶわっとつよいかぜがふいたとき 王さまのむねにあながあいた。
王さまは そこからじぶんのしんぞうを ゆっくり取り出した。
王さまは しんぞうをなにかにささげるようにしてうごかなくなった。






そのひのよる 空にひとつのホシがかがやいた。とてもあかるいホシだった。ホシはよぞらをてらし  いまでもぼくらをみつめている。










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2019年現在、京都の有名な大学院で大腸菌の研究しながら絵本作りしてます。日記、ビジネス、本の感想などあげていきます。
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