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ランドNFTスピンオフ タトゥーモヒカン  2話 Area: (114:113)

カムイバース発明家に依頼することによって
自身が所有しているランドNFTの土地にまつわるショートストーリーの
制作を依頼することが出来ます。

今回は、タトゥーモヒカン  2話 Area: (114:113)
なんと!5章からになる.続編作品!!の第2話です。

第二章:スメル

「そういや、ミナ。さっきウチで強くなった方が良いって言ってたけど、どういう事?」

肉を頬張りながら、アキラは言った。

「モグモグっ あっあれね、実は私のウチは訓練場なの!色々な動物がいるのよ。

トラ、ヒョウやライオン、ゴリラ、猿、鷹や龍とかさ」

「りゅ、龍〜!? マジか…」

明らかに最後だけ可笑しい。アキラはそう思ったが、あえて言わなかった。いや、言えなかった。

「うん、ただ龍と言ってもまだ子供の龍だけどね。でも強いよ!」

(まあ、そりゃそうだろ、龍なんだから。)

思わず突っ込みそうになったアキラだったが、言葉を飲み込んだ。

「だから最低でも、トラやライオン位は倒せる様にならないとキツイと思う。確かにトラやライオンは元来おとなしい生き物だけど、怒ると襲いかかってくる事も有るからね。」

「うっ…キモに命じます。」

「宜しい、じゃあさっさとスネイルに行きますか?っとその前にトラをこれに載せないとね。」

そういうと、ミナはテキパキと何かを組み始めた。

数分後、大きな台車(リアカーみたいなイメージ)が完成し、そこにトラに乗せた。

念の為、手脚と噛み付かれない様に口を縛り上げてある。

「凄っごいな、ミナ!こんな短時間でトラを運べる乗り物を作るなんて!!」

「へへーん、たいしたもんでしょ〜!!これって物とかを運ぶ時、めちゃくちゃ便利だからね。さっ、トラを載せるのを手伝って!」

トラを2人で台車に載せ終わると

2人はまた、スネイルに向かい歩き始めた。

スネイル… ここ近年目まぐるしい発展を遂げた街。

理由として挙げられるのは、

豊富な資源が採れる街である事が(主に鉱石)最近になって分かり、工業、商業が破竹の勢いで発展したと言われている。

そのお陰でお店も沢山あり、

とても賑わっているようだ。

スネイルに着くとアキラは驚きの余り、言葉を失った。

「な、なななんだこれは?なんつ〜人の量!それに色々な店もあるし、色々な人(人種)も歩いている。」

「どう?凄いでしょう。色々な人が此処スネイルには集まるのよ。ワコクの人やザンプディポの人とかさ。

昔はシュメルの人も割といたんだけど、最近は余り見なくなったかな。」

「い、いや〜凄いなスネイル。俺が育った村なんて、せいぜい15人もいなかったし、驚いたわマジで!!」

「15人?アキラ、アナタ随分田舎に住んでいたのね。逆に少な過ぎでしょ、あの森からもっと遠かった所にいたの?」

「ん?そんな事は無いよ、森の隣に村があったからさ。まあ、本当小さい村だけどね」

「え?変ね?あの辺に村なんてあったかな?」

「いや、有るよ。少なくとも俺は10年以上あの村に居たんだからさ。」

「……そうね、きっと私の勘違いよね。

じゃあとりあえず、私のウチへ向かいましょう。」

そして、ミナとアキラは再び歩き出した。

「ただいま〜!」

「おう!帰ったか、ミナ! 早かったな、トラはどうした?」

「ただいま、お父さん! トラを捕まえて来たよ。アキラ、こっちにトラを連れてきて。」

アキラはトラを台車から降ろして、ミナと一緒に運ぶ。

但し、トラは未だに気を失っていてピクリとも動く気配は無い。

「お〜、コイツはシュメルタイガーだな!

良く見つけたなぁ、昔は結構いたんだが、今は数も少なくなっていてなぁ…」

「アキラが追われてたの笑」

「追われてたって、コイツにか?シュメルタイガーは滅多に人は襲わない利口なトラだぞ!」

ミナの父親は不思議そうに、ミナとアキラを見る。

「だよね〜、私もトラに追われている人を初めて見たんだよ笑っ」

と言ってアキラを見る。

「そ、そんな事言われても…」

アキラは戸惑い、頬を掻いた。

「…所で、オマエは誰だ?」

(今更かよっ!)って思わず突っ込みそうになったが、言葉を飲み込み改めて挨拶をする。

「あっアキラと言います。ミナさんには先程、トラに襲われている所を助けて貰い…」と説明をしていると

「おう!アキラか!、アッハッハ、宜しくな!でもトラ位どうにかしないと、この辺じゃ生きていけないぞ笑」と食い気味にミナの父親は言った。

「だからウチの訓練場で強くなれるよって誘ったの!」

そう言ってミナは二人に笑顔を見せた。

「なるほどな、そういう事なら手を貸すぜ!

早速やるかい?」

「えっ、ああ、うん、やるよ!」

アキラはそう答えると、

ミナの父親は「…ついて来な」と一言告げ、

二人を訓練場へ案内する。

ミナの父親に案内されついていくと、

途中色々な動物がいた。トラやヒョウ、ゴリラ、鷹、ライオン等の猛獣が目の前にいる。

勿論、檻には入っているが、隙間が空いているので、近づくと間違いなく戯れてきて引っ掻かれたり、噛まれたりしそうだ。

また数もかなりいる。10や20ではきかないほどだ。これ程の猛獣を管理しているとなると、ミナの父親は本当に凄い人物なのであろうと伺える程だ。

檻が並んだ通路を抜けると、闘技場の様な場所に着いた。

また、天井の一部がない為、

見上げると空が見える造りになっていた。

そして、闘技場の壁際付近にも猛獣が入った檻がいくつか有り、所狭しと並んでいる。

「おう、コッチだ!ここで待ってろ!今、ヒョウを連れてくる。」

ミナの父親はそう言い、ヒョウを連れてくる為、檻まで戻っていった。

そして5分後、ヒョウを連れて来たミナの父親は説明を始める。

「ルールは簡単、ここでは殺しはダメだから、相手が気絶するか、倒れたら負けだ。

いいな。

ただ一つだけ付け加えると、背中を地面につけた時だけは襲わない様に訓練してあるから安心しろ。」

(流石に訓練されているとなると、もしもの時は少しは安心かなぁ?)

緊張するアキラであったが、その言葉を聞いて少しだけホッとした。

「じゃあ頑張ってね! 離れた所から観てるからさ。」

そう言って、ミナは壁際までゆっくり歩き出した。

「では、用意は良いかアキラ? 始め!!」

始めの合図と共に、檻の扉が開いた。

ヒョウはゆっくり、檻から出てきて、

アキラを見ながらウロウロしはじめる。

そして、意を決した様にヒョウはアキラに飛びかかった。

が、アキラはヒョウを難なく躱す!

攻撃を躱されたヒョウは唸り声をあげて更に加速し、アキラに向かっていった。

「ふふん、これ位のスピードなら全然余裕!」

そして今度はアキラがヒョウに向かって殴りかかった。

「ガンッ!」

ヒョウは左頬を殴られて軽く吹っ飛ぶが、

直ぐに体勢を整える。

「あれっ、あまり効いてないか…ヤバいかも知れない…な。」

アキラは戸惑いつつ、ヒョウの瞳をじっと見つめていた。

いつのまにか真っ赤になっていたヒョウの瞳は、殺意すら感じる程にアキラを睨みつけている。

「ん?なんかおかしくないか?ヒョウが自ら向かって行った?

というか、なんだあの瞳の色は?

それに何故、あんなにも攻撃的になっているんだ!?とりあえず訓練を止めないと!!」

「アキラー!!この訓練はここで終わりだ、

ヒョウの様子がおかしい。」

ミナの父親は慌てながら、2人(1人と1匹)に近づく。

その時、

「グアァ!」

「ウグァ!!グルルルル」

猛獣達が一斉に暴れ出した。

ドッカーン!!轟音と共に土煙が舞い、

気がつくと壁際に置かれていたライオンやゴリラの檻の扉が吹っ飛んでいた。

「なっ何が起こってるんだ、これも訓練なのか?」

アキラは向かい合うヒョウから目を離せないせいで何が起きているのかがまだ解っていない。

「アキラー、何故だか急に猛獣達が暴れ出したの、危ないから逃げてー!!」

ミナは大声で叫んだが、既に遅かった。

檻から抜け出した猛獣達は、大きな円を作る様にアキラを取り囲み始めた。

(…おいおいマジかよ、一体どうなっているんだ?俺って動物に嫌われた事なんてないんだけどなぁ。さて、どうしようか…)

決して余裕が有る状況ではないのだが、

アキラはそんな事を思っていた。

その時、

「グァァァアァ!!」

大きな声が鳴り響くと同時に

上空から龍が現れた。

龍はゆっくりと、闘技場へ入り

アキラの目の前まで来ると

再度、雄叫びを上げる。

(マジ…かよ…訓練激し過ぎじゃねーか!?)

アキラの目の前には龍とヒョウ、

そして、アキラを取り囲んでいる猛獣達。

もはや絶体絶命である。

「アキラッ!!訓練は終わりだ!どうにかしてそこから離れろー!!」

「アキラッ、逃げて〜!!」

ミナとミナの父親は思わず叫んだが、アキラは猛獣の攻撃を避ける事で精一杯になっていた。

(くっ流石に猛獣数匹を同時に相手をするのは流石に酷くないか!これじゃ強くなる前に死んじゃうぞ本当に。)

アキラは必死に猛獣の攻撃を避け続けた。

だが数が多いせいか、一瞬攻撃を避けるタイミングが遅れる。

(ヤバイっ!)

その一瞬をヒョウは見逃さなかった。

ヒョウは隙をついてアキラに体当たりをした。

「グファ…」

まともにあたってしまったアキラは後方へ吹っ飛ばされた。

(マジ痛ってぇ、でも、背中を地面につけときゃ猛獣は襲ってこないんだったよな、

もう少し倒れとこうかな。)

そんな事を考えていると、檻から抜け出したゴリラがアキラを持ち上げ、上空へ投げ飛ばした。

「え?ちょっちょ、うわーっマジか〜!?」

アキラは思わず叫んだが、どうする事も出来ない。

ただし上空へ上がる勢いが弱まれば、一瞬とはいえ、体勢を整える事は出来るであろう。

そう思ったアキラはこの一瞬に全てをかけようとした。

上空へ上がる勢いが徐々に弱まりだし、

今度は落ち始めた瞬間、

「グルル、グァァァ!」

龍が口を開けてアキラに向かって来る。

アキラは体勢を整えて、避けようと思ったが

龍はそれを見逃さず、スピードを更に上げてアキラに向かっていく。

「グアーァァ 、ゴクン…」

そして、

アキラは龍に飲み込まれてしまった…

3章に続く


第3章の展開が気になります!
完成次第、Noteの方でもアップロード進めていきたいと思います

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