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「あの樹に会いに行く」をはじめたきっかけのこと

昨年から
「あの樹に会いに行く」という名前で
紹介したい樹木に会いに行くツアーを企画しています。

この名前で企画するようになったのは、
まさしく「あの樹に会いに行く」
という本との出会いがあったことからはじまりました。

細川剛さんという写真家が書いた本です。
八甲田山中に生育するブナ達から1本の木を選び、
その木のもとに12か月、春夏秋冬通い続け、
その時感じたことや気づきをまとめたエッセイです。

この本に出会ったのはもう随分前のこと。
とても感動しました。
私がひとりで森に入るときに感じる
樹木との距離感が描かれていたからです。

もちろん、
細川さんは頻繁に通い、
春夏秋冬の姿を観察し、
数日宿泊し、共に時間を過ごしていますので、
私の感じた距離感以上のものを感じていたことと思います。

でも、
森の中で目の前の樹木と周囲の者たちと
非言語コミュニケーションをはかるときのあの感覚。
言葉ではなかなか表現しずらいと感じていた感覚を
細川さんは表現されていたのでした。

春夏秋冬季節に応じて、
彼らが見せる顔は違っていて。
通ううちに、あ、ここは大きくなったなあとか、
やっぱり歳月には勝てないよね。
とか、違いに気が付くことができます。

鷹取山のスダジイ

そうするうちにすごく身近な存在になっていって、
人と同じように、
知り合いに会いに行くような気持ちになるのです。

樹木は沢山のことに気づかせてくれます。
日常生活を送るうえで「やるべきこと」で
いっぱいになった頭の中がすっきりし、
心の奥底に眠っている想いや声が聞こえてきます。

そして、
目の前にいる樹木と共鳴したとき、
まるでひとつになったかのように
みせてくれる光景もあります。
樹木は私達と共にあり続けてくれる存在なのです。

また、彼らはまるで物言わぬ指南役です。
彼らに会いに行くということは、
私達が本来もっている感覚を
思い出すということかなと思ったりします。


自然や植物たちとの思い出がある人は
心の中に故郷のような森を持っています。

いつでも帰れる故郷を持っている人は
ルーツという強さがありますが、
私は自然体験や植物たちとの思い出がある人達にも
同じものを感じています。

日影のトチノキ

そんな「故郷」や「思い出」が
既にある人も、そうでない人も。
これから
一緒に育んでいくことができたら
どんなにいいだろう。

そんな想いから
この本の名前をお借りし
樹木達に会いに行くツアーを
企画することにしました。

これはおすすめしたい!
と思う巨樹古木や
森へ出かけ
できるだけその樹木によりそう。
その場を味わう。
そんなツアーになるよう、
昨年から、試行錯誤しながらも始めています。


真鶴半島のクスノキ

そんな「あの樹に会いに行く」で
出会った樹木や森、
これから会いに行きたい者達の紹介を
今後はNoteにも書き残していきたいと思っています。




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