「チームBANK流のプロダクト開発」についてお話しました

坪田さんからお声がけいただき、僭越ながらCXO Nightで「チームBANK流のプロダクト開発」についてお話させていただきました!

せっかく機会をいただいたのだから、普段考えていることを余すことなくお伝えしたい!と、事前にメモを書いていましたので、イベントの時間内にお話できなかった部分も含めて公開します。

一緒に登壇した、BANKのプロダクトマネージャー mario と共にお届けします。すこし長いですがどうぞ〜。 


BANKが新規サービスをつくるときの流れ、CEOに期待されている事、光本さんとのコミュニケーションを伺いたいです

kana
BANKの新規開発は、だいたいCEOの光本から「こういうアイデア考えたから、ちょっとモック作ってみてー」と言われるところからはじまります。

BANKにはデザインドリブンの文化があります。まずはCEOとデザイナー間でプロダクトを練り、ある程度できた段階でエンジニアやPMを交えて開発を進めていくんですね。会社によっていろんなやり方があると思うんですが、このやり方にはトップがやりたいことを「ぶらさずに最速」で実現できるという利点があります。

mario
すべては光本の仮説からはじまります。

CASHで言うと、世の中には潜在的に1〜3万円の少額資金ニーズがたくさんあるのではないか、という仮説がもとになっています。例えば家族がいたとして、子供の誕生日にディズニーランドに連れて行ってあげたい。けど、今月は少しだけ家計が苦しいから、結局行かない・・みたいな。そういった方たちに対して、資金をすぐ提供することで、背中を押すことができるのではないかという仮説がありました。そこで、CASHを作ることにしました。

CASHの利用状況により、少額の資金ニーズは確実にあるということがわかり、次にやることにしたのは旅行。旅行は「人生における冒険」だと私たちは考えています。実際に旅行に行くと、いろんな発見や経験をすることができます。けれど、世の中には旅行に行きたくてもあきらめている人が多いのではないか?という仮説がありました。それで、あきらめるハードルになっているお金や旅行の申込みの複雑さを解決するために、TRAVEL Nowを作りました。

kana
モック作成のフローはこんな感じで、まずはワイヤーレベルで流れをざっくりと作りつつ、同時に世界観を検討し、大体できたら合体させて作り込んでいきます。

初回にモックを作る段階では、まだ確実に事業としてやると決まっている訳ではないことが多いので、なんとなくの「手触り感」だったり、アプリを触ってみてどういう「気持ち」になるか?といった部分を確認できるくらいのレベルで一旦CEOに共有し、「いける」となってから作り込むことが多いです。1〜3は何度も行き来しながら質を上げていくイメージですが、初回のモックは最速で1日〜長くても1週間くらいのスピード感で作り上げていきます。

mario
大切にしているのは、光本の頭の中にある仮説を全力で検証するためのプロダクトをつくるということ。

ビジョンとリリースのタイミングを重視しているので、まずはプロダクトを世の中に出すことを最優先として、詳細なリサーチやインタビューなどもあえてしていません。まずは、自分たちの仮説と感覚を信じてリリースをします。もちろん、サービスを出してから、検証のためにヒアリングや数値分析をして、実際の利用状況を見ながら改善を行っています。

開発フェーズでは、リリースのタイミングと印象が最重要なので、表側の体験部分は作り込むけど、裏側は最小限で作り上げる。いわゆる、MVPで出しています。実際に運用しはじめて、状況を見ながら裏側は最適化をしていくという方針です。最初は自分たちが泥臭くやって、ある程度結果が出てきたら、いかようにもできるように、と意識しています。


BANKのデザインドリブンな文化とは何かズバリ教えてください

kana
デザイナーの自分が執行役員になっていることからもお察しいただけるかと思いますが、会社としてデザインを重要視しています。BANKがなぜデザインドリブンにこだわるのか?というと、どんなにアイデアや事業計画が練られていても、それが魅力的なものでなければユーザーの心は掴めないからです。光本は起業家としてもう10年以上やってきていて、いくつもプロダクトを作るなかでそういう考えに至ったよう。だから、仮説を全力で検証するためには、それを最大化して伝えられる魅力的なプロダクトが必要なんです。

BANKのデザインチームのミッションは「事業の成功確率を最大化するために、魅力的なプロダクトをつくる」。魅力とは、例えばこういうこと。

・ひと目見たときの「新鮮」な印象
・使ってみての「驚き」
・使い続けてみての「愛着」

そのために、細かな機能ひとつとっても表現にこだわり、アプリ上の小さなアニメーションなどもせっせと作り込んでいます。使っていて楽しかったり、好きになってもらえるようなことを目指しています。

細部のこだわりは「頑張り」で実現できるので、それはそれとして、大きくどういう切り口でプロダクトをかたち作って行くのかが一番大事だと思っています。見せ方ひとつで、事業がうまく軌道にのったり、逆に失敗したりということもあると思います。光本がもっているアイデアに対して「どのような切り口で表現し、どのように光を当てると、新しく魅力的なものとして世の中に届けられるのか」を考えるのが、自分の役割だと思っています。


デザイナーの強みを活かした振る舞いはどんな事でしょうか?

kana
具体的に「目に見えるものを作れる」ことがデザイナーの強み。その力を活かして、「事業の可能性を可視化する」ことを一番に心がけています。

モックを作ると、プロダクトが向かうべき方向性のイメージが湧きやすいので、少し先だったり、もうすこし先の理想的な未来だったり・・を具現化し続けることでチームの推進力となれるような動き方ができたらいいなと思っています。

いまは技術的に実現可能性が低そうなモック(デザインチームでは未来モックと呼んでいる)もあえて試作してみたり。事業部にメンバーが増えてきたタイミングでは、それぞれの考え方のブレを減らすために、デザイナー主導でプロダクトの軸を言語化した「プロダクトポリシー」という社内ドキュメントを作ったりもしています。

もう少し普段の実務寄りの例でいうと、「モックベースで議論できる状態にする」というのがある。議論だけだと、それぞれが思い浮かべているものが実はバラバラだったりすることがよくあるので、そういう時はまず「あり・なし」は置いといてサクッとモックを作ってしまう。そうすると、話が前に進みやすくなったりしますね。

mario
「事業」「チーム」を意識して動けるデザイナーとだと仕事しやすいなと思ってます。

ビジネスサイドのことを一から細かいことを勉強して理解して欲しい、というわけでなく、PMとしては、事業の課題や数字に関してはできるだけわかりやすくまとめたり、説明したり、っていうのは意識的にしようとしています。それを理解することが事業にとっていいことだと捉えて、議論できる方だと、すごくいいなと思います。

あとは、ユーザーからのフィードバックを受けたり、チームのメンバーが増えたりすると、ああしたい・こうしたいって各自の視点で色々出てきて、ブレちゃうようなことがあると思うんですが、それも中長期的な視点を持って、今はこうする、今はやらない、みたいなものを建設的に議論できるデザイナーだとすごい心強いです。


事業的な制約があると思いますが、理想と現実のバランスの取り方などで何か意識していることはありますか?

mario
やりたいことに対して、絶対に諦めないこと!徹底的にどうにかできないか調べたり、交渉をしたりします。

例えば、旅行のような歴史の長い業界の場合、法律的に絶対やらなきゃいけない、というもの以外に「業界の慣習」だからダメだと言われいるものがあったりします。それを1つずつ分解していくと、どうにかなるものもあるので、自分たちで理想を描きながら、妥協せず努力してます。

具体例でいうと、TRAVEL Nowの申込みフォームの内容を極限まで削りました。協業先の方から入れて欲しいと言われたものはたくさんあって、そこから極限まで減らしてできるだけシンプルに、いかに早く申込みができるようにしていくかっていうのは、リリース直前まで議論してました。

kana
デザイナーやエンジニアなどの作り手が既存のルールを「知りすぎてしまう」と、無意識に視野が狭くなってしまうことがあります(こうでなければならないなどの思い込み)。実際に途中で陥りかけたこともあったのですが、それだと意味がないですよね。もちろん必要にかられて調べることもありますが、できる限り「いち利用者目線」での利便性追求を見失わないよう、そこに集中しています。制約の部分はPMや法務が見てくれているので、そこは信頼してまかせるようにしています。


BANKのようなプロダクトを作りたいと考えています。どういう人をチーム入れたいか伺いたいです。

mario
BANKでいうと、ビジョンに共感した上で、どんなことが起きても、それを前向きに楽しめるかどうかってすごい大事だな、と思ってます。

今までにないサービスを作りたいと思っているので、自分たち以外の協業先を頼ったり、もちろんチーム内でも結束してやっていく必要があります。なので、ビジネス(アライアンスも含む)・デザイン・エンジニアリング、そしてチーム、っていうものを理解してバランスを取りながら 事業を前進させられる人がいると、いいかなと思います。

kana
ビジョンに対して共感できるかが大前提。採用時にそれを伝えるため、カルチャーブックも作りました。私たちは、今までにない「新しい市場」を作ろうとしているため、既存のやり方を踏襲していては実現できないと考えています。「狂ったようなことをしよう」「すべては実験」「全力で働く」といった、ある意味振り切った行動指針に対しても、共感できる方と一緒に働きたいと思っています。

デザイナーでいうと、まずは「魅力的なものをつくるための表現力」があるかどうかを基準にしています。ポートフォリオを見せてもらう時に、自信を持って、目を輝かせながら自分が作ってきたものを話してくれる人が好きで、そういう方と一緒に働きたいなと思っています。

私自身のことをいうと、執行役員としてBANKプロダクト全体の方向性やクオリティに責任を持ちつつ、プレイヤーとしてこれからもモノを作っていきたい思いが強いです。一般的には、メンバーが増えるとマネジメント側にシフトしなければならないという考えがありますが、コミュニケーションを密にとることで、一旦ある程度まではいけるのではと思っています。BANKのデザインチームは、尖った部分も保ったまま少数精鋭でやっていきたいので、細かな感覚のすり合わせをすることなく、フラットに仕事ができる方だといいなと思います。

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kana

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