【第7話】のどぐろ事件

「あー、あんたこれはどうしようもないわ」


占ってもらおうと意気揚々に、銀座の母へ行った時に見てもらって言われた一言目。
ちなみに、私の前のお客さんは泣いて帰っていた。
もう、私はガクブルものであった。リアルに泣きそうだった。
東京まで来たのにマジかよ。
そう思って立ち尽くす私に容赦なく言い放った。


「食い意地がはってるわ。これは一生治んないよ。このまま行くと太るよ!!!!!!」


そう。食べる。
私は、食べることが好き。
何とも言えないあの高揚感。
別に高いものでなくてもいい。
炊き立ての白ご飯を頬張るだけで、いい。
あぁ、なんて食べることって素敵なんだろう。
心も体も幸せで満ち足りていく。


私は、普段から食べることが好き。
旅行とか行こうものならば、もちろん観光よりも食。城とか寺もいいけれども、正直あまり見ていない。

そんな私とは裏腹に、彼氏は食に関心がない。
うん。なんかね、反応も同じなのです。
滅多に行けないような高級店の寿司も、閉店間際で割引シールが貼ってあるようなしなびた寿司でも同じなのである。

そんな彼は、一口食べた後こう言う。

「美味しいのはわかるよ?でも寿司は、寿司じゃん」


いやいやいやいや!!!

そうだけど!!寿司は寿司だけどそうじゃないやん?!

いつもこんな調子なので、高級店とか行くと大抵私が怒るか、ガッカリする。
彼には関係ないのだ。同じなのだ!!!


なので金沢に旅行した時にも問題が発生した。

金沢は、海鮮物がとても美味しい。
ということで、回転寿司屋さんへ!

きらびやかな海の幸たちがクルクル回る中、ひときわまばゆいお皿があった。


そう、「のどぐろ」である。


さすがは高級魚。ドヤ顔で400円のお皿に鎮座されておられる。


あぁ!食べたい!でも、一応割り勘だし高いの取りづらいよなぁ…


と、一応葛藤してみた私
しかしもう、私の頭の中にはのどぐろ様が!!!


「のどぐろ食べたい!!食べる!」


そう言って手を伸ばした私に、彼氏は目をまん丸にしながらこう言ってきた。



「のどぐろ1皿で、カジキマグロは4皿も食べれるよ?!」




カジキマグロ??

彼氏の方をふと見ると彼は1皿100円のカジキマグロばかり食べていた。


「カジキマグロのコスパがヤバイよー!(^o^)」


そう言いながら何皿も嬉しそうに、美味しそうに食べていたのである。


いやいやいやいやいやいやいや!

違うやん?!

そういうことじゃないじゃん?!

何コスパて?!

その土地のものを食べるっていうのが旅行の醍醐味でしょうがぁぁぁああ!!


という風に喧嘩になりました。

懐かしいw

まぁ、この話を彼氏のお母さんにしたところドン引きして、めっちゃ息子を怒ってくださいました。めでたし、めでたし。

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