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令和の今、私が観たい古畑任三郎を考えてみた⑤

新年明けましておめでとうございます。
2024年も懲りずに引き続き古畑のシナリオを書き連ねていきます。

芸能界の表舞台から引退し事務所を立ち上げたあの人、スキャンダルの渦中にいるあの人をキャスティングしたかったのですが、何だか笑えない(いじっちゃいけない)世の雰囲気を感じたので今回は控えました。キャスティングって難しいのね。。。 それでは前回に続いて第3シーズンの8話から最終話まで。



8話:8代目市川染五郎 「殺しのカムバック」kpopアイドル

裕福な家庭に生まれ英才教育を受けて育つが、「世界中を笑顔にできる人になりたい」と15歳で渡韓し、kpopアイドルとしてデビュー。ワールドツアーは即ソールドアウトになるほどの世界的アイドルだが、事務所の奴隷契約により身も心も壊されていくグループメンバー(5代目・市川團子)を思い、事務所の取締役に抗議をする中で殺害してしまう。
古畑が染五郎を追い詰めていく過程で、多忙なkpopスターさながらに歌番組収録、レコーディング、ダンスプラクティス動画撮影、youtubeコンテンツ撮影、ツアー練習の様子が映し出され、とりわけ染五郎が繰り出す愛嬌ポーズに心臓を撃ち抜かれたものは後を絶たない。
平成版古畑任三郎では祖父である松本白鵬(スペシャル版 全て閣下の仕業)、父の松本幸四郎(第3シーズン第1話 若旦那の犯罪)、そして叔母にあたる松たか子が令和版第1シーズンに出演していた事から、異例の親子三代に渡る出演となった。
この作品の染五郎にインスピレーションを受けた世界的インディペンデント系映画監督のガスヴァンサントは、ティモシーシャラメ、キムテヒョン(BTS)、市川を主演に据えた青年達の物語をNetflix上で発表する。

9話:中谷美紀 「マナー・レッスン」マナー講師
著書「洗練された人だけが知る雅なお作法」がマナー本としては異例のベストセラーとなり、メディアへの露出も多いマナースクール代表取締役・講師の中谷は、愛憎のもつれから会社役員の男(豊川悦司)を殺害する。
古畑一同は「毛筆での手紙の書き方マナー」の講座を受講するが、作中に出てくる書は全て中谷の直筆。「達筆すぎて読めない」「果たしてこれはマナーがいいと言えるのか」と現実世界ではヤフコメ民の間で激論となる。

10話:林遣都 「タイパのいい殺人」コンサルタント
丸の内にある外資系コンサルティング会社に勤務する林は、業務上取得したクライアントである大手IT企業の機密情報を持ち出し不正利用したところを同僚に見つかり殺害する。
上質なスーツや革靴に身を包み、常にスマートフォンで忙しなく話しながら丸の内〜大手町沿いを颯爽と歩く林は、かつての由良一夫(真田広之)を彷彿とさせる。

【物語序盤の林と古畑の応酬】
林「僕の時給は10万円です。一分一秒足りとも無駄には出来ないんです。」
古畑「本当にお忙しい人だ〜。せめてランチはちゃんと摂らないと。お腹、空いちゃいますよ。」
林「古畑さん。空腹してる時こそ人は集中できるんです。グレリンという物質が分泌されることで交感神経を活性化するので空腹時は集中力があがるんですよ。」
古畑「さすが何でもお詳しい。けどあなた、とても細くて青白くて。心配になります。」
林「古畑さん、他人の身体的な特徴を指摘するのは国際的な視点では失礼にあたります。昨今は日本でもようやくコンプライアンス違反として認識され始めたので、警察の方も意識した方がいいんじゃないんですかね。それでは僕はここで。失礼します。」

11話:工藤静香 「無添加な死体」オーガニックスイーツ店経営
葉山の高級住宅街エリアにて、ナチュラルオーガニック素材を活かした無添加ヴィーガンスイーツの販売を行う工藤は、現在の豊かで幸せなセレブ生活を脅かす旧友(酒井法子)にゆすりをかけられた事を理由に殺害する。
遺体からは暴行や刺された形跡も確認されず、毒物も検出されなかったため一時は事故扱いになりかけたが、解剖の結果工藤の店のブラウニーに含まれる干し芋と酷似した塊が発見されたことで古畑に疑いをかけられることとなった。
毒や異物を混入する事なく、むしろ添加剤や砂糖を十分量入れなかったために腐敗したブラウニーが凶器となった。
【事件解決のキーアイテム】 ラップで包んだ干し芋

第3シーズン最終話:樹木希林「ロング・グッドバイ」シスター
樹木の生前に撮影されたまま御蔵入りになりかけていたが、満を辞して公開された幻の遺作の一つ。
看護師資格を持ちながらシスターとして医療・子育て分野の慈善事業に長く携わる樹木は児童養護施設を運営。「血縁は愛について何も保証せず、血縁だけが家族をたらしめてる訳ではない」を信念に子供たちを育て上げてきた。
しかし、実の親から長年激しい虐待を受け保護された児童(内田玄兎)が、パニック発作の影響により実親を面会中に誤って殺してしまう。
自身の余生は長くないと感じていた樹木は、児童の代わりに全ての罪を背負い、自ら命を絶つ事で全てを終わらせようとしたが古畑が現れて…。
古畑の目的が「犯人逮捕」ではなく「犯行の阻止(殺人幇助)」に置かれている点が本作の異色な点であり、平成版の津川雅彦犯人回を回想させる作品となった。

【物語終盤の古畑と樹木の会話】
樹木「もったいない、自ら絶つなんてあまりに命がもったいないわね。けれど、死ぬときくらい好きにさせてよ…古畑さん。」
古畑「お察しします。しかし。しかし、あなたは死ぬべきではない。あの少年は確かに難の多い人生を歩んでいますが、罪を償う機会を奪ってはいけません。あなたに育てられた彼は可哀想な子どもではない、彼ならちゃんと乗り越えられますよ。」


次は第4シリーズ、まだまだ書きます(^з^)-☆
大御所芸能人の職業設定めっちゃムズイ。
平凡なサラリーマンとしての限界を早くも感じる…。

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