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楓 作「課長 膝 勇作」

今井雅子作 「膝枕」 外伝

脚本家 今井雅子先生の膝枕から
たくさんの外伝が生まれました。
〜正調膝枕はこちら〜
〜膝枕外伝はこちら〜

私もいくつか外伝を書かせていただきました。
今回はまた別の視点からの
作品をアップさせていただきます。

楓(kaede)作

課長 膝 勇作


膝枕カンパニーで働く
課長「膝 勇作」独身。


"課長 島耕作"のように、イケメンで仕事もスマート
女子社員から絶大な人気を誇る
"勇作課長"になら……誘われたい!
とみんな、密かに思っている。

週末の朝、勇作が目を覚ますと、
体が鉛のように重く、動かなくなっていた。
指先すら1ミリも動かすことができなかった。

夢かうつつか、何日も眠り続けているうちに
こんな夢を見た……。


気が付くと
視線の先にドーム状の高い天井があった。
勇作は宮殿の寝台に寝かされているらしい。

沢山の人が、自分の周りに跪(ひざまづ)いている。
祈りとも叫びともつかない声も聞こえる。

「王様〜〜どうか目を覚ましてください!!」

「王」とは勇作のことを指しているのだろう。


いくら祈り続けても目覚めないため
王が悪いものに取り憑かれた!!
と皆が心配し、お祓いをしようと
"ベリーダンサー占い師"を呼び寄せたのだ。

眠っている勇作のそばで
ベリーダンスを踊る占い師。


艶めかしい踊り…そして何やら唱えている。
奇妙な祈りに驚いた勇作が目を覚ますと 
皆の間に喜びが満ち溢れた。

王の病気を治した功績に
ベリーダンサー占い師は、王の専属となった。

「私を治してくれてありがとう……
 そなた名前は何と申すのだ。少し外を歩こうか」

「はい、王様。わたくしは○○と申します」

宮殿の中を、お付きのものを連れて
王とベリーダンサー占い師は
宮殿の広い庭を散歩する。

「外の風は気持ち良いな……」

「はい、王様」

「〇〇や、私を治してくれたお礼に
 そなたの望みを何でも叶えよう」

「ありがたきお言葉……
 王様、わたくしは、わたくしは
 ○○○○○○○が欲しいんですぅ〜」

「わかった……侍従に用意させよう」


部屋に戻ると侍従が声をかけてきた。

お元気になられたので
各部屋で王のお越しを待っている
膝室(ひざしつ)たちを訪ねてみませんか?

宮殿の奥では
膝枕カンパニーで開発した 
膝枕たちが
それぞれの部屋で膝をにじらせ待っていた。

王が訪ねたのは
箱入り娘膝枕。

「寂しい想いをさせてすまなかった。
 私が来ておまえは嬉しいのか?」

膝頭が大きく弾む。喜んでくれているらしい。

「分かった分かった……
 では、今宵はお前の膝枕を借りて
 休ませてもらおう」

勇作は、膝枕にどんどん沈み込む…
夢かうつつか??
果たして現代へ帰ることが出来るのか?

かつて味わったことのないフィット感が
勇作をまったりと包み込んでいた……


                 終わり

*○○○○○の中は
お好きな言葉を埋めてください。

*朗読はご自由に☺️
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ありがたいです。

チーム膝枕🦵仲間の、やまねたけしさんに
添削をお願いして完成しました☺️
ご協力ありがとうございました。


やまねさんの作品はこちら⬇️



最後までお読みいただき
ありがとうございました。 
                 楓

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