ギミル街の悪夢 —僕のつくりかた—
やさしさ、というものは時に履き違えることがある。父はすごく僕にやさしくて、僕のすることならなんでも褒めてやさしく抱きしめてくれた。厳しい小言を言う母よりも父の方がずっとやさしかったから、試験で良くない点をとってしまったら僕は父の書斎へ行って、それでも頑張ってえらいじゃないかと褒めてくれる父に甘えるのがいつものことだった。母に知れたら大目玉なのはわかりきっていたから、なるべく母には試験の結果がバレないように父の協力を仰いで大量の蔵書の中に僕の答案用紙を隠してもらって、僕と父は