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またアル中が一人死んだ

遂にアル中のおじさんが死んだ。
昔からいつもお酒を飲んでて、そこらの路上で寝てたりするような人で、いつか死ぬだろうなと思ってはいた。最近は腹水も溜まって、時折アルコール性の認知症を発症しているような話もあった。腹水が溜まり始めると人は早い。まだ50代じゃなかったかな。
悪い人ではなかった。比較的酔いが浅い時は昔の映画について語ってくれたりした。お気に入りの女の子にお酒をご馳走する裕福なおじさんという感じ。よく自転車で営業に出ていて、ばったり街中で会って声をかけてくれたこともある。ただ酔いすぎると物をぶん投げたまま別の店に行ったり、路上で寝たりするもんだから出禁の店もあった。彼のお父さんが亡くなったあたりから飲み方が一層酷くなった気がする。あれ以来まともに会話をしたことがないし、飲み屋で排泄物を服になすりつけてトイレから出てきたという事件もあった。もう認知症だなぁ、なんて他人事のように思っていて、距離も置いてしまった。私も薄情なかもしれない。でもあの手の人にお酒やめななんて言ったところで聞いてくれた試しもない。

私も今週は花粉も酷いし、免疫が落ちてるのか、めばちこになって目が開かなくて絶望しているタイミングだったので、知人が酒の飲み過ぎで死んだという事実がやたらと重い。

何の思い入れもないはずなのに死んだ彼のことを考えてしまう。私はアル中で死ぬのは穏やかな自殺だと思っている。好きなお酒を飲み続ける人生は幸せだったのかもしれない。それで命をなくしたとしても。
でもやっぱりほどほどが良いよなあ。幸せに、健康に、楽しくお酒を飲むのが一番。気をつけながらうまくやりたい。

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