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月経は、いらない?月経不要論

「生理なんていらない」
女子の誰もが、一度は思ったことがあるのではないかと思う。
生理痛がつらくて何もかもやる気をなくすから。生理前はイライラするし眠くなるから。お風呂に入れないから。出血でフラフラするから。いきなり出血が始まって下着が汚れるから。今は妊娠したいと思っていないから。ピルが高いから。せっかく立てたお出かけの予定が楽しめなくなるから。
理由はきっといろいろだと思うけれど。
私は上にあげた理由は全部、思ったことがある。

こうやって書いてみると、私が感じてきた生理なんていらない理由は、すべて、
”今の自分の日常生活を脅かすから”につながる。

仕事をする、自分の好きなときにお出かけする、友達と過ごす、頑張りたいときに頑張る、できるだけ明るい気持ちで過ごしたい、そんな日常生活を、自分の体のせいで、思うようにできなくなることが、もどかしい。

妊娠、出産という女性の体に備わった機能なのに、自分の日常生活を脅かし、
「いらない」とまで思わせる。
「いらない」とまではいかないかもしれない、もっとマイルドに「放棄したい」「なくてもいい」かもしれない。

そしたら、本当に生理は、月経はいらないのか?
近年『月経不要論』というものがあるらしい。

月経指導における月経の意義と月経不要論の展開
という論文を読んだことがきっかけで知った。
著者は、大学院総合福祉研究科 教授 心理臨床センターセンター長の川瀬良美先生だ。
(淑徳心理臨床研究 第6巻 2009年)

月経不要論は、イギリスのシーガル博士という方が、2001年に日本産婦人科学会の特別公演で『Menstruation related medical disorders』としてお話されたという。
昔は女性は今より短い生涯のなかで初めての妊娠出産授乳と生殖による無月経をくりかえしたけれど、
現代は寿命が延び、出産回数も減って
人生のほとんどを毎月、苦痛な月経と過ごしている。
そして生涯に経験する月経の回数が増えたことが、月経困難症、月経前症候群といった直接的な症状だけではなく、
子宮内膜症や卵巣がんといった婦人科系疾患がの増加に関係することは研究でわかっている。

(妊娠を希望していない)現代女性にとって、月経は医学的に存在価値をもたないうえに、
毎月の苦痛や疾患を減らすために、
抑制することが女性にとって恩恵だ、という結論が、月経不要論だ。

でもまてよ?と。
月経があることが文化的意味、かつ、女性のアイデンティティに関わる心理的意味として重要であるはずだから、
安易になくせばいい、は本当か?が
この川瀬先生の研究論文のリサーチクエスチョンだった。

でも、またここで疑問に思う。
女性は、月経がなくても、女性か。
月経がなくなったら、女性としての文化的な、アイデンティティに関わる“なにか”が変わるのか。

文化的意味、とか
女性のアイデンティティ、というのも
なんだかむずかしい。
文化的意味と言われてもピンとこないといえばこない。
月経があるというのは体に備わった機能で、わざわざ、いつとの生活の中で、文化と結びつけたりはしない。
月経があること=女性らしさ、女性を形づく、というのも
わかるけど、むずかしい。
初めての月経を初経、というけれど、私は11歳で初めて母に生理用品を教えてもらった。
確かにその時、毎月血が出るらしい、自分の体が変わったんだな...とぼんやり思った記憶はある。
毎月血が出る、くらいで、これが妊娠とか出産機能に関わることは、中学生の保健の授業まで知らなかった。

月経不要論の目的が、(妊娠を希望しない時の)月経をなくすことなら、
なくす、なんて簡単に言えないと思う。
なぜなら、月経は体の一部で起きて完結していることではなくて、ホルモンや神経といった体全体の作用と関わるものだから。
多分、私の月経不要論への違和感は、ここだ。

根本的に月経を女性の体から“消す”ことはできないから、
抑制する、とか、一時的に起こらなくするになる。
つまり経口避妊薬であるピルを飲むことといえるだろうか。
またはもう子宮や卵巣といった女性器を手術でとってしまうとか。
でも、ピルはホルモンバランスが崩れることによる副作用がある、
いわゆる更年期症状というものや、血栓のリスクが上がる、など。
このような症状は、女性器切除の場合でも生じる。
だから、毎月出血する月経をなくせばいい、という理論は、
もともと女性に備わった体全体のバランス(良いバランスだったり悪いバランスだったりもすると思うけど)に
影響を与えるという視点が足りないような気がしてしまう。

生理なんて、いらない。
だから月経不要論みたいに、なくせば?って理論にも、少し傾いてしまいたい。
でも、いらない、くらい、嫌いだし困らせられてるけど、私の体のことだから、うまく付き合いたい。
私の生理と折り合いつけていきたい。
そんな風に思う。

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Kanako 新人助産師

東京大学大学院 助産師 女性が生涯を通じて健康でいてほしい、そのためにどんな支援や関わりができるか考え続けています🌻テーマ:月経・妊娠・出産・育児・女性のキャリア・不妊など🌻好きなもの:スタジオジブリ・米津玄師・旅行・映画・読書・たまにお絵描き

women’s health

今まで、看護の大学で、助産の大学院で学んできたこと、感じたこと、調べたことを、まとめていきます🌻 少しでも、日々これからも元気でいたい、自分らしくいたい、と思う女性に寄り添えるように🌻
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