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男になりたい女か、男VS女か #フェミニズム

女性の健康問題を考えるとき、ちらりちらりとキーワードとしてでてくる、フェミニズム。
フェミニズムというけど、私はしっかり学んだ経験がなく、よくわからないから、きっかけにしたいと、本を手にとってみた。

1960年代以降のフェミニズムには2つの流れがあるという。
ひとつは、リベラル・フェミニズムで、
男女の雇用機会や賃金の平等など、女性の社会進出と法的・制度的な平等を重視するもの。
参政権などが代表的だ。
女性が、誰かの妻、誰かの母としてだけではなく、1人の人間として社会で自己実現すべきという主張である。

もうひとつは、ラディカル・フェミニズム
ウィメンズ・リベレイション、女性の解放、略してウィメンズ・リブとよばれるもの。
社会で問題とされていた人種差別や階級差別とは別に、女性蔑視である性差別からの解放を求めるものである。

男女の立場のあり方について、
2つのフェミニズムには、やや考えのズレがあるという。
リベラル・フェミニズムは、男女に知的能力、身体的、感情的にもほとんど違いがないとする。女が男と対等に社会に進出するには、男女には差があるとすることは、平等への改革の障害になるからだ。
そのため女性の月経や妊娠についても、例えばピルを飲むなど制御して、できるだけ男女の性差の存在をのぞかせないほうが望ましい、というらしい。

一方、ラディカル・フェミニズムは、社会から、男性から押し付けられてきた女性らしさへは反発する。しかし、女という性の特徴には、むしろそれこそは性差別がなぜ生じたかという原因を解き明かすとして、積極的に目を向けてきた。

男になりたい女か、男対女か。
1人の人として男女同じか、男という性に対する女という性か。

この異なる姿勢は、女性の健康問題を考える上でも重要だと思った。
目指すものは、平等か、差異か

きっとこれは、社会、政治、健康と考える場面によって変わるに違いない
参政権など社会の権利は、男女関係なく平等であるべきだし、
受験の点数だって女性だからと減点されていいはずがない。
でも、確実に違う体の機能については、男女それぞれの健康問題を考えなくてはならないはずで、
女の体である私には例えば前立腺がんの当事者にはなり得ないし、
男性には月経も、妊娠も、出産も、生身で体験できることではない。

そこで、ふと気付かされた。
もしかすると巷で見聞きするフェミニズムの問題が、時になんだかわかりにくく、混乱するのは、

その問題の解決への根本的な思想として、
男女関係ない一人の人間としてみるべきときと、男女の性差に目を向けなくてはならないときが、きちんと分けられていないからかもしれない。

**問題話し合うにしても、その根本的な思想が一致してないと、議論が変になるのではないかな、と思う。 **

例えば、女性は結婚や出産で職場を辞めるから、という理由で受験時に減点するのは
そもそも受験というシビアで平等なはずの場に、持ち込むべき性差じゃない。
この例えは適切かわからないけれど、緊急避妊薬の是非の議論で、女性の性の活発化が、とか乱用が、とか女性の体と心に責任を押しつけるのではなくて、一人の人として自分の生殖機能にどう向き合うか、という問題になれば
男性だって参加すべき話題になると思ったりする。

本の中では、ラディカル・フェミニズムとの関わりの中で生まれたという「女の健康運動、women’s health movement」について多く書かれている。
女の体とその健康にかかわる問題に重点的に取り組もうとする動きが、
どのような社会背景から、何を重要な課題とし、具体的にどのような活動が行われたのか、歴史や社会にどのように反映されたのか、
アメリカと日本で比べていくようだ。

男になりたい女か、男対女か。
どちらの枠組みで健康問題が考えられてきたのか、という視点で読んでいきたいと思う。

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