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くじけまくりの産後80日。「休まない選択」の先にあったもの

後でいろいろ脚色されて思い出すことはあると思うけれども今この時の記録といて残しておきたかったので・・・

8月に6人目が誕生して2ヶ月半が経ちました。ジェットコースターのように気持ちが揺れ動いた日々でしたが、心身共にようやく平常運転に戻ってきたところです。

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休まない選択

世の中が働き方改革・休み方改革と言っているところに逆行するように「休まない選択」をしました。
社労士、女性経営者ということで、世の中の流れに反する行動に勝手に後ろめたさも感じたりとモヤモヤ悩んだ時期もあったのですが、自分を正当化するためにいろいろ考えても明確な答えは出せず、やるしかないと腹をくくった、そんな経緯です。

退院後の生活

5日間の入院生活ではなるべく娘とともに寝る生活を送ったせいか、元気に退院し、自宅に帰った瞬間からフライパンを握って料理をするという暴挙に出ました。
(入院中から無性に夏野菜を焼いたものと雑穀ご飯が食べたいという衝動に駆られていました)
高齢出産とか言いながらやはり私はどこか別格なのかもしれない・・・と恥ずかしいくらいの有能感もあり、在宅ワークも頑張ろうと意気込む。

そして何より、新生児も、新生児を迎え入れる姉兄たちもたまらなくかわいかった。

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6人も子どもがいて誰にも頼らずに乗り切るなんてアホだと思われるかもしれませんが、もともと人に甘えるのが苦手でむしろ干渉されない方が落ち着くという典型的な自由人であること、
そして私が高齢ママであれば当然親も高齢で、上の子たちもそれぞれの生活があるということで基本は親に頼ったりはせず、お掃除中心に家事代行と夫との協力体制で乗り切ることにしました。

男性育休が流行りの世の中ですが、夫も経営者だし、会社も自宅からすぐなので別に育休を取らなくても時間のコントロールはできるということで、基本は仕事に行って、途中に昼食を食べに戻ってきて、夏休みの上の子たちを遊びに連れて行ったりしてくれて夕方からまた一緒、そんな生活が可能でした。
四六時中一緒にいられるよりずっと良かったのと、閉ざされた世界にいる身としては生身のオトナに会えることは精神的にとても安定するということに気づかされました。


徐々にリズムが狂う

入院中に結構休めたので退院後、好調なスタートを切れたと思ったら、やはりすぐにリズムが狂い始めました。

元気だし、退院翌日からzoomで朝礼に参加しようなんて気軽に考えていたのですが・・・

朝、さあ起きようと思った瞬間、乳児が泣く。

とりあえず授乳する。

ようやく落ち着くのが1時間後・・・

そこから上の子どもたちの朝食や諸々に付き合っていたら平気で10時すぎる。

とっくに朝礼は終わっている・・・

頭の中で段取りを付けてこれをやろう、と思った瞬間にことごとくタイミングをそがれるストレスがこんなにも大きかったとは。

何だか育児初心者っぽいですが、当然ながら全く初めての経験ではなく、もう何度も何度も経験してきているはずなのですが・・・

でも赤ちゃんの性格も子どもたちの状況も自分の仕事のステージも違う。

そう。状況が異なればゼロスタートになるのです。

産後は外に出られない分、逆に集中してPCに向かう仕事がちょうどよいのではと思って執筆などの仕事をこのタイミングで受けていたのですが、

まあ見事に書けない・・・

よく母になるとマルチタスクに対応できる能力が身についてママさん社員は優秀!なんて言われたりします。確かに段取りを組みながら同時進行で作業することはプロレベルになった気がしますが、
赤子がうぇんうぇん泣く中で集中して、熟考して、論理的な文章を書くことがこんなにも難しいとは・・・

そしてやっぱり意思ある人間ですから。
自分のペースをことごとく崩されるのは本能的にキツい。

そんなこともあり、知らず知らずのうちに疲れが溜まり、みるみるうちに顔に疲れが出てきていくら化粧をしても変わらない状況に。
加えて産後の疲れをカバーするかのごとく食欲が止まらなくなり、動き回っていた産前と打って変わって家の中に引きこもっているもんだからしっかり肥えていきました。顔全体に肉が付き、出産したはずなのに再びお腹が出ていて体型は総崩れ、産前の服が全く入らない・・・
体重計に乗るごとに数字が上がっていく恐怖。
たとえオンラインであっても人と顔を合わせるのが億劫になり、鏡を見るのも辛くなるほど。

夫も精一杯頑張っていたと思うのですが、赤ちゃんが泣いてどうしようもないという「段取りひっくり返し」的な一番の鬼門には対応できない、
私にとってはなぜかその部分だけがフォーカスされて殺意ばかりが募るという・・・

外出を控えていた分、オンラインのミーティングは結構あって、変わり果てていく自分をオンラインといえども外出しているような感覚のなかでさらけ出し、私以外の人たちは変わらず働いているという緊張感の中で自分だけどこかペースがつかめない・・・
そしてこれまでのように子どもが寝静まってから起きるとか、夜中の2時くらいに目覚めて仕事とか、まず疲れていて無理。(出産直後、当たり前なのになぜか無性に焦る・・・)そして奇跡的に目が覚めてもなぜかセットで赤ちゃんも目を覚まし、授乳しているうちに朝を迎える、の繰り返し。
仕事が思うように進まない(これも当たり前なのだけど焦る焦る・・・)。



ここまでがわずか産後3週間くらいのできごと。
とてつもなく長く感じました。

結局のところ。

限界を感じてスケジュールの見直しなど、諸々仕事の調整をすることに。

回復期

4週目頃に入った頃から娘との生活も慣れてきて、猛烈に動き回っていた産前から引きこもり中心生活になりとてつもなく不安になった一方で、外へ外へと向いていた自分の意識が内側に向かっていくことで時間が経つにつれ、少しずつ気持ちがラクになっていきました。

セミナーやお客様対応で忙しく駆け回っていたけれども実はちゃんと事務所の中やお客様一社一社を丁寧に見切れていなくて、

もう少し深掘りして調べたいこと、勉強したいことに時間を割けていなくて、
何より自分の身体を大切にできていなくて、

いま自分がやるべきこと、大切にすべきことは何なのかをとことん考えることができました。
限られた時間だからこそ。

専門業務の強化、事業計画、育成、総務・法務・経理・・・事務所の体制をひとつひとつしっかり整えること、
自分が担当するお客様を絞ること、
インプットの時間を作ること、
あちこち手を出さずに事務所が強くしていきたい分野に集中すること、

そして身近にいる大切な人たちととことん丁寧に関わること、

考えて考えて、腹落ちしたら気持ちが大分ラクになり、

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事務所での子連れワークへ。
仲間たちがたくさんサポートしてくれて、どんどん外に出てくれたおかげで逆に私は今までできなかったことがたくさんできました。

そして産後1カ月で夫の運転で往復16時間の兵庫県出張、
セミナー登壇も復活。
ここはちょっと無理をしましたが、選択と集中、
逆に気持ちも身体も良い弾みがついた気がします。

本格復帰に向けて

10月の半ば。
生後58日経過後、娘は保育園へ。
といっても事務所の隣の自分の保育園なので仕事の合間合間に授乳したり、今でも自分のペースで進めています。


いなくなった事務所はちょっと淋しかったり。

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朝は9時半頃ゆっくり出社。小学生・中学生を送り出して5人目を幼稚園まで車で送り、赤ちゃんに授乳して保育園に預けて。

これまで仕事は個人プレーが多かったのですが、時間がない中でもできるだけメンバーに情報共有したり相談したり、しっかり教えたり、ということを意識するようになりました。

苦労した分、考え抜いた分、
心身が軽くなった頃には新たなステージに立っているものだな、というのが実感。

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「休む」という選択肢もあったと思います。
でも私にはその選択肢はありませんでした。
できなかった、というのが正しいでしょうか。

経営者という立場であっても、
人一倍メンタルが強いと自負していても、
神対応をしてくれる夫がいたとしても、
それでも産後はすべてガタガタに崩れ落ちる。

何をしても抗うことはできない生理現象を、
いかに受け止め、自分に見合った軌道修正をしながら生き方・働き方をアレンジしていくか。

そんなところに答えはあるのかな、と思ったりしています。

少しずつ体力・気力が復活してきたとしても、
「元に戻る」のではなく、

大切なものを見失わず、
もっと自由にワークイノベーションを起こしていきたいと思います。

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