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妊娠6ヵ月。身体の変化と仕事と子育て

妊娠の記録を丁寧に綴っていきたいと思いつつ、そんな余裕もなく、「今日は妊娠何週何日だっけ?」と確認する余裕もなく、気づいたら妊娠6ヵ月になっていた。

長引いたつわり

妊娠12週、遅くても16週の安定期に入る頃にはつわりも落ち着くと認識していたのに一向に体調は良くならず。もともと極度の寒がりのため、冬は大の苦手。毎晩、翌日のビッシリの外出スケジュールを見ながら憂鬱な気持ちになり、必死で駆け抜けた週末には抜け殻のようになる・・・が、執筆やらやり残した仕事やらに追われて結局気持ちが休まらず、のくりかえし。
 あまりの寒さに耐えきれず、開業以来、人前では真冬であろうとストッキングにパンプスを死守してきたものの、足首の冷えが身体に堪えすぎてストッキング+靴下の合わせ技に屈し、どこに行くにもマイ水筒とマイひざかけを持ち歩いた2月。
 当然、新しい仕事のことを考えたり、新たな出会いとかつながりとかご縁とか、そういうものには気持ちが動かず、とにかく今の自分の仕事と向き合うのに精一杯。寒さも手伝って、動きも気持ちもどんどん内向きになっていくのが分かったけれども、一方でいつか治まるであろう体調や、産後の生活の変化を見越して、仕事の再構築をするためにひたすら「整理すること」に意識を向けた。
 そして内向的になりつつも妊娠が判ってすぐに動いたことが家の買い替え。4人目の妊娠中に買った4LDKのマンションではさすがに手狭になることは明らかで(4人家族なら100㎡あればゆったり暮らせるかもしれないけれども何せその倍の人数がいる訳で・・・。こういうところが現実的に苦しい子だくさん。)、築20年クラスの中古でもいいから何とか広々した戸建てに住み替えたいと思った数日後、若干背伸びはしたものの、心から気に入った築浅・駅近・ステキな家が見つかった。
3月、春の訪れとともに引っ越し日が決まった。

ということで、2月は生活面においても準備の時期となった。暖かくなるのを心待ちにしながら隙間時間に家具を選んだり、それから現実的なところで保険の総見直しもして、年老いた両親の元で困らないようにと子どもたちの将来の備えや綱渡り経営者としての老後なんていうものにも目を向けてみることとなる。

妊娠して感じた「バイオリズム」

バイオリズムとか月の満ち欠け、なんていう占いじみたことに目もくれなくなって久しいものの、女性には多かれ少なかれ、一定の周期で身体の変化があることを再認識したのも今回の妊娠がきっかけ。自分自身も生理前に涙もろくなったり、ボーッとしてやたらと食器を割ったりするのは大体この時期というものを心得ていた。でも「開業」という大きなチャレンジをしてからは、力ずくでそのマイナスな周期を乗り越えようと踏ん張ってきたと思う。
そしていつしか身体の不調さえも感じなくなり、精力的に動けるようになった。
逆に毎月毎月、生理休暇だ、頭痛だといって休んだり生産性を落とすスタッフがいようものなら同性でありながら全く理解を示さなくなってしまった。
 そんな中で、ちょうど寒さの時期も重なっての今回の妊娠は、超越した(ように見えた)自分に起こった身体の変化を教えてくれるものでもあった。
 本来冬眠こそしないけれども人間は冬の間はなるべく動かずに過ごす。何もしないわけではなくて、春の芽吹きとともにいかに自分らしく活動的に動けるようになるかを思案し、準備する時期でもある。
振り返れば私は、超越した人間になったわけでは全くなく、ただただその誰も変えることのできないはずの女性ならではのリズムを強烈に押し殺していただけだったのかもしれない。
 妊娠というものを受入れることでようやく、とても人間らしい、女性らしいリズムというものを取り戻したのかもしれない・・・なんていうことに気づかされる。
しかもそのリズムにうまく乗れた方が、仕事も生活も格段にうまくいく、ということも知ることとなる。

春の訪れと安定期

新生活から1ヵ月が経過。
世界女性デーである3月8日の引っ越しの日に、一目惚れした庭には見事なミモザの花が咲き誇っていて、4月には緑道の桜が見頃に。
今まで忙しすぎて全く意識できなかった木々の変化とか、室内のインテリアとか、食器とか香りとか、
不思議なくらい暮らしが豊かになった。
 5人の子どもたちも、中3から年中さんまで10歳の年の差がありながら驚くほど仲が良く、互いに豊かに育ち合っている姿も今まで以上にたくさん見られるようになった。
 停滞したように見えた仕事も、しっかりと足下と将来について考える時間を持てたことでたくさんの変化の中、春の良いスタートが切れた。

そして何と言ってもこれらの変化は仕事を減らして生活重視のスタイルに切り替えたことによるわけではない、ということ。

昨年まではセミナーに追われていた。
自分のライフワーク的なテーマでもあるし、いわゆる「ブランディング」という点では重要である部分もある。セミナー依頼があるということは何となく社会に必要とされているのではないかと勘違いしてしまいがちだ(私は完全に勘違いしていた・・・)。でもその反面、社労士事務所や会社全体の業務展開には確実に比重が多すぎた。そんなこともあってここも思い切って整理した。
事務所にいる時間をなるべく増やしてマネジメントに費やすことと、専門性を磨いていくことを意識することで仕事の質が大きく変化した。

量的なバランスではなく、質を変えていくことに注力すること、
これがまさに今の妊婦の自分にとってもこれからの自分にとっても大切なことなのかもしれない。

そして、経営者という忙しくも比較的意思決定が自由にできる立場だからできるという特権的なものではなく、企業組織の中でもこのスタンスが生かされていくことが真の女性活躍というものにつながっていくのかもしれない、なんていうところまで思いが及ぶ・・・。




 

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