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産科理学療法士のひとりごと

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まだまだ少ない「産婦人科でのリハビリ」を担当している理学療法士が綴る頭の中。
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#日記

【産婦人科のリハビリ日記】#28. PTとして産婦人科にいてよかったと思ったこと

産婦人科のクリニックで、産前産後リハビリの外来・入院中のケア・マザークラスでの講和・妊婦さん向けのインナーマッスルエクササイズなどを担当させていただくお仕事をしています。 PT1人で入っているからなのか、「私ちゃんとこのクリニックの役に立ててるかなぁ?」って不安になることがよくあるんですが、対応させてもらった患者さんによっては って思うこともありましたので、今回はPTとして産婦人科に存在していてよかったと思ったことをまとめてみます。 ■痛みを言語化してあげられる骨盤の神

【産婦人科のリハビリ日記】#26. 産後の尾骨痛と骨盤のアライメント

あいかわらず産婦人科でリハビリしていても 「整体はどういうところに行ったらいいですか?」 「骨盤矯正は行かないとまずいですか?」と聞かれます。 みんな不安を抱えながら どこに行ったらいいのかわからず 迷っているんだなぁと思うと 情報発信ってやっぱり大事だなってますます感じる昨今です。 ■産後の尾骨痛の方が多い臨床の不思議なところなんですけど なんか同じような方がよく来るターンがあるんですよね。 これ、本当にただの偶然だと思うんですが すごくいつも不思議に感じています。

【産婦人科のリハビリ日記】#25. 骨盤矯正とか行った方がいいですか?

産婦人科の中でリハビリをしていても 本当に多く言われるのが / 私は骨盤矯正行ったほうがいいですか? \ ...そうか 一般の人にとっては 産婦人科の中で専門家にみてもらうことと 骨盤矯正は別物なのか... と改めて捉え方の違いを感じています。 なんでだろう? そもそも一般の方にとっての 骨盤矯正とはどんなイメージで 産婦人科のリハビリとはどんなイメージなんだろう? と思って TwitterとInstagramで聞いてみました。 ■Instagramで骨盤矯正の認

【産婦人科のリハビリ日記】#24. 骨盤ベルトで骨盤ケアはできる?

骨盤ベルトはしていた方がいいのか? していなくてもいいのか? というのはよく妊婦さんやママさんからの ご質問でもあるんですが、 割と他職種の方からも よくご質問を受ける内容でもあったりします。 骨盤ベルトってなんだか 産後の万能な道具的に使われていたりしないだろうか? 痛みを取ってくれて 骨盤を戻してくれて 子宮の位置をどうにかしてくれて みたいに思っている方が結構多い印象ですが 私の中での骨盤ベルトは ●積み上げて倒れそうになったブロックを 「ちょっと外から持って

【産婦人科のリハビリ日記】#23. 産前産後の尿もれの悩みに対応できる場所が少ない

妊娠中や産後の尿もれのお悩みって すごく多いのに 専門的に評価して対応できる場所は すごく少ない現状。 しかも、どこで誰が見てくれるのかが よくわからなくて繋がれない現状。 そこで迷子になってる女性も たくさんいるような気がしています。 産婦人科の中でのリハビリは その多くが「痛み」への対応なんですが もう一つ大きなキーワードになっているのが 「尿もれ」です。 今は「骨盤底筋」っていうワードが そんなに珍しいものじゃなくなって YouTubeとかにも骨盤底筋エクササイ

【産婦人科のリハビリ日記】#22. 切迫早産で入院した方の産後

産婦人科の中にいて なかなかもどかしいと感じるのは 切迫早産で長期入院後の方の リハビリを担当した時。 / こうなる前に 何かもっとできたんじゃないか? \ ってなっちゃうんですよね。 ■ごく一般的な女性にも起こり得る「廃用」理学療法士的にみたら どう考えても「廃用」なんですよね。 筋力が低下するのはもちろんなんですが 関節の動きにもやっぱり影響がある。 私、なんとなく廃用って もう少し高齢の方とか もっともっと長期で入院が必要な 重篤な疾患の方だとかに起こるものっ

【産婦人科のリハビリ日記】#21. エクササイズしたくても痛みでできない

単体の産婦人科クリニックは スタジオが併設されているところが多く、 医師の許可が出ている妊婦さんや産後のママが プログラムを受けることができたりしますよね。 私もクリニックで2人出産しているので そんなプログラムの案内がありましたが 結局1人目の妊娠中にヨガを一度受けたのみです。 腰が痛くてできない姿勢が多かったから... 産後に至っては 仙腸関節痛と尿もれで 有酸素運動はとてもできませんでした... ■運動するために整える産前産後の運動は 妊娠糖尿病・帝王切開・器械

【産婦人科のリハビリ日記】#20. 抱っこは産後のADL

産前産後の特徴的な部分としては 「妊娠中〜産後の解剖生理学的な変化」が すごく大きいと思うんですが 理学療法士的な目線で考えた時、 私は個人的に産後特有のADLとして ●授乳 ●抱っこ がすごく特徴的だなと感じています。 産後の生活の大部分を 上記の2つが占めていますよね。 ■産後すぐの体にとっての負担出産したら急に抱っこが日常になってくるけど 体はまだ全然日常ではなくて 抗重力位で自分の体をニュートラルに保つことさえ 大変な状態でもあるんですよね... そこに3

【産婦人科のリハビリ日記】#19. 妊産婦さんには「リハビリ」という言葉は馴染みがない

「産前産後リハビリ」と言う名称で 産婦人科の中に入らせてもらっているんですが 産後の患者さんからは と結構な割合で聞かれます。 「リハビリ」と言う言葉は 妊産婦さんには全く馴染みがないようです。 最初はママたちからのその言葉に 「いや、私ここにいるんだけどな...」って かなり戸惑っていましたが、 もう1年もやっていると 対応もできるようになってくるもので... と、 「骨盤矯正」とは何なのか? と言う部分を簡単にお伝えすると... と安心していただけることが増えま

【産婦人科のリハビリ日記】#18. 骨盤に対する不安を持つ人が多い

前回の記事でも少し触れましたが 産褥期のママさんの中には 「産後の骨盤の状態」に不安を持つ方が 多い印象があります。 そこに対して 「骨盤のこの先の変化をお伝えする」 ということで安心してもらうことが多いのですが どんな感じでお話ししていますか? というご質問をいただいたので 少し触れてみたいと思います。 ■本当は何を知りたいと思ってるのか?褥婦さんからよく聞かれるのは ●私の骨盤は大丈夫ですか? ●骨盤ベルトはした方がいいですか? ●ガードルはした方がいいですか?

【産婦人科のリハビリ日記】#17. 産褥期のベッドサイドに関わる

実は1ヶ月ほど前から 外来リハビリだけではなくて 病棟での介入も始まりました。 対象者さんは産褥期。 ベッドサイドをまわっています。 ■予防のためにベッドサイドの目的の一つは予防だと思っています。 産後の大仕事はやっぱり授乳なんですが、 胸の痛みと戦いながらだったり 赤ちゃんの睡眠欲との戦いだったりして 授乳に集中するあまり 座位姿勢は ・骨盤後傾 ・胸椎後弯 ・肩甲骨外転 ・頸部を過度に屈曲 「産後、なんか肩や首が痛くて...」 が今のところお悩み第一位となってい

【産婦人科のリハビリ日記】#16.私の思う外来リハビリの役割

4〜5月は感染症の影響で外来が中止になっていて 5月末からまた少しずつお仕事が再開になりました。 ■外来ができなかった期間外来がない期間でも フィジカル的なトラブルを抱える妊産婦さんが いなくなるってわけじゃないし そんな時に何もできないのがどうにももどかしくて 私にできること何かないかな と思ってモヤモヤしていた時...!! リハビリが中止になったことを知った先生が 連絡をくださいました。 そのお気持ちがすごく嬉しくて 厚かましくも私は先生に直接 「仙腸関節痛や恥骨痛

【産婦人科のリハビリ日記】#13. 骨盤痛のある妊婦さんが抱える不安

過去のお産にはなかったのに 今回初めてこんなに恥骨痛があって、 こんな状態でお産大丈夫かなって すごく不安で... と言う妊娠後期の方に出会いました。 ■妊娠中の骨盤痛妊娠中の恥骨結合痛や仙腸関節痛は 決して少なくはないです。 妊娠中の骨盤痛:75.8%(n=623) (初期:66.1% 中期:68.2% 後期:81.4%) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/23/1/23_1_48/_pdf/-char/ja より

【産婦人科のリハビリ日記】#11. 抱っこはママにとっての日常生活動作

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が 妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている \産婦人科のリハビリ日記/ —————————————————— 産後の方(第二子妊娠中の方なども) の評価の時は、 抱っこしている姿勢も見たりしています。 抱っこってママにとっての日常なんですよね。 しかも赤ちゃんの体重という負荷がかかっている。 ■抱っこの負担はどのくらい?乳児を腕に乗せる負担は、抱っこ紐を使用するよりも平均して16%大きい。 Wall-Scheffle