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【魅惑の昆虫食レポート/前半】 油であげたらだいたいなんでも美味しい編


去年の夏、旬の食材である「セミ」を食べてみたいと、noteに書いた。



その夢(?)が、今年の夏、とうとう叶い、先日、セミを中心としたいろんな昆虫を自分たちで調理して食す会に参加して来たので、レポートを書こうかと。

本気でえぐい写真は有料部分に入れたのでご安心を!

(でも無料部分にも結構載せてるから自己責任で気をつけて読んでね・・・)


今回は、ご夫婦で昆虫食を実践している奇特なお二人が主催。

自ら夜な夜な公園などに繰り出し、セミの幼虫や毛虫を採取して調理し、食卓に並べ、嬉々として食する、不思議なご夫婦だ。

(結婚式も昆虫のファーストバイトをしたと聞いた。変態!←褒めてる)


今回は、「岐阜昆虫食オフ会」ということで、中華をテーマにしたお料理をみんなで作りみんなで食す、という会だった。

参加者は、私のような初心者は数名で、多くが経験者であった。

すごい。


「セミは好きだけど、他のものも食べたい」

「前回フレンチだったから中華と聞いて」

など、参加理由も昆虫食経験者ならでは。


では早速だけど、お品書き。


<お品書き>
・ハニーワームの中華風サラダwithサクラケムシ
・ジャイミルのワンタンスープ
・オケラチャーハン
・セミ成虫、幼虫、ソフトシェルセミの素揚げ(蜘蛛、バッタ、コガネムシなどもあり)
・セミ幼虫の燻製
・セミチリ
・セミチョコアイス


昆虫を中華で食べるのは、ビギナー向けですごく良い。

メニューを見ると苦手な人はそれだけでひきそうな感じであるが、私はワクワクが止まらなかった。

終始、変なハイテンションさでにやにやしながら調理して食べてた。


ちなみに私は、昆虫に対しては複雑な気持ちを抱いている。

昆虫の造形の美しさや複雑さが魅力で、見るのはすごく好き。

でもやっぱり怖いから触りたくないし、急に出て来たら逃げる。

なのに、食べることに貪欲なので、食べられると聞いたら怖さより好奇心が勝つ。

私にとって昆虫とは、一言で好きとか嫌いとかいえない、不思議な立ち位置なのだ。


***


この日はチームに分かれて、それぞれ担当した料理を人数分作り、最後にみんなでシェアする方法だった。

私たちは、虫の素揚げ、セミチリ(エビチリならぬ)の担当。



早速調理に入るメンバー。

めっちゃ普通。

めっちゃ普通に、調理に入る。


ジップロックから出てくるセミ、皿に盛られた毛虫・・・。

いつもと全く違う風景なはずなのに、ジップロックから出てくるだけで、皿に盛られるだけで、なぜ昆虫を食材と思ってしまうのだろう。

道に落ちているセミはマジ無理なのに、皿に乗っているとなんか和え物にでもしたくなる・・・この気持ち、なんなんだろう。

自然と受け入れ態勢が出来ていることに気づく。

(皿の存在は偉大)



この日、偶然にも「油屋」の知人が参加しており、さすが油のエキスパート、意気揚々とセミを揚げていた。

油屋が揚げるセミ、、、期待しかない。


セミと言っても、成長過程により食感や味わいが変わることを知った。

まず幼虫。

抜け殻を見たことをある人は多いと思うけど、幼虫そのものを見たり捕まえたりしたことをある人は少ないだろう。

あるいは子どもの頃ならあるかもしれない。


主催の方はいつ採取するのか聞いたら、夏の夕方6〜7時くらいに木の下へ行くと、土から幼虫が出てくるとのこと。

出て来た幼虫を捕まえて、保冷バッグに入れて仮死状態にする。(そのままだと羽化してしまうため)

時に、子どもたちがセミ捕りに夢中になっている横で、怪しい大人が保冷バッグをぶら下げて幼虫をとることになる・・・怪しい・・・・。


幼虫は身が詰まっているので、食感としては殻ごと揚げたエビに近い。

殻もそんなに硬くなく、身もしまってナッツのような風味と薄味の甲殻類の風味が混ざって、正直美味しい・・・・!

これにはびっくりした。

普通に、酒のつまみ的な感じで食べたら良いと思う。

昆虫食ビギナーとしては、初めての昆虫食がセミの幼虫の素揚げで本当に良かった。


そして成虫。

成虫は皿に乗っていても正直「セミだな」と思う。笑

食材とは思えないけど、「軽く茹でてあります」という主催の方の声を聞いたら、なんとなく怖くない感じがした。

これも素揚げに。



見た目も普通にセミなので、一瞬抵抗が・・・と思ったけれど、謎にアドレナリンが放出されている私は無敵であった。



人ってすごいよね。

セミなんて、道に落ちてたらめちゃくちゃ嫌だし、飛んで来たらギャーーー!って思うし、でも羽化する姿は綺麗なので見たいし・・・と、セミ一つ取っても複雑な気持ちを抱いている私が、嬉々として貪る。

思ったより怖くなく、躊躇もせず、塩を振っていたらまた食材に見えて来たので、パクッと一口で食べれた。

(塩はすごい)


幼虫に比べると成虫は淡白で、いわゆるエビの殻の素揚げっぽい雰囲気。

味もそんなに強くなく、個性もなく、香ばしくて普通に食べれる。

ていうか、素揚げして塩振ったら、多分大体のものは美味しいだろう。

そんな感じ。


なんでもエビに例えて恐縮だが、セミやバッタなどの昆虫類はエビやカニなどの甲殻類と親戚くらいの関係らしい。

故に甲殻類にアレルギーのある人は昆虫も注意しないといけないらしい。

不思議だ。



そして初体験(いや全部初体験だけど)、ソフトシェルセミ!!!

いわゆる、幼虫から羽化したての、まだ柔らかく透き通った美しいセミの状態である。


キャンプによく行っていた頃、林の中でセミの羽化を何度か見たことがあった。

薄いグリーンのような透き通った羽がみるみるうちに茶色くなって行くのを見るのが楽しかった。

夜中にテントのタープの紐を伝ってセミの羽化が始まったのを見ていたこともあった。

神秘的でとても美しい、生命の不思議を感じる出来事だ。


そんな羽化したてのセミを・・・



大量に揚げてしまった・・・。

手を合わせているのは黄泉の国からのメッセージだろうか。

仏の姿をしたソフトシェルセミは、柔らかく、フニャンとして、それはそれで美味であった。

一緒に食べていた知人(油屋じゃない方)は「きゃ〜!か〜んわい〜〜クリオネちゃんみたい^^」とご満悦だった。


羽化したてのセミは、幼虫と同じく夜に木の幹で羽化しているのをそのまま採取すればいいのだが、タイミングがなかなか難しい。

人によると、幼虫のまま家に持ち帰り、カーテンに引っ掛けておいて自然に羽化させ、その後冷凍保存したり、調理したりする・・・という方法を取ったりもするとのこと。

セミに対してみんな必死すぎではないだろうか。

そうまでして・・・と思うのだけど、ソフトシェルセミの良さはやはりその柔らかさとか優しい味わいにある。


個人的には素揚げは、成虫と幼虫はものすごく合うと思うけど、ソフトシェルセミはもっと良い調理法がきっとあるのでは?と思った。

柔らかいが故、カリッと上がるわけではないので、クリームパスタの具とかスープなんかにするのが良い気がした。

万が一、ソフトシェルセミをまた調理する機会があれば試してみたいと思うくらい、ポテンシャルの高さを感じる食材だった。

(あれ、食材とか普通に言ってる)


他にも、素揚げはいろいろあって、バッタや蜘蛛、カナブンなど、「毒がなさそうならまず揚げてみよう」くらいのノリで揚げた。



蜘蛛は美味しいらしい・・・と聞いていたし、結構大きめの蜘蛛だったので、心して食べたのだけど・・・

香ばしくて美味しいのだけど・・・油であげたら美味しいに決まってるよね、って感じで、ほかの素揚げのものとの味の違いがわからなかった。

(興奮していたのでわからなかったという説もある)


いろんな素揚げの昆虫を食べさせてもらったけど、一番はやはりセミの幼虫だった。

これはいろんな虫食いの人たちに聞いても一致することが多いらしい。

セミは間違いない、その中でも幼虫は「また食べたい」と思えるような美味しさだった。


結論:油であげたらセミもクモもバッタも大体美味しい。


***


セミで熱くなってしまったので、他の昆虫たちについてはまた次回に書こうと思う。

セミはビギナー向け、他の昆虫はかなりマニアックかつ、味わいも様々なので、次回の方が内容は濃くなりそうな予感。。。


今回無料部分で掲載をちょっとはばかられた画像を、有料部分に掲載。

興味がある人は是非みて欲しい!

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