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上手い下手ではなく、自分のための写真を撮る


iPhoneXに機種変更した。


カメラの性能がアップして、ポートレートモードで撮影すると上手に背景をぼかしてくれる。
なんの技術もなくても、なんとなくそれっぽいオシャレな写真になるのがすごい。

まだ試しにしか撮ってないから実際どこまで実用的かわからないけど、こうなってくるとほんとに一眼レフの登場回数が減っていく気がする。


長月では、カメラのワークショップをちょくちょくやっていて、とても好評だ。
何年も開催し続けてすでに参加者は200名以上。

基本を学ぶ講座は毎回ほぼ満席で大変好評なのだけど、ここ1ー2年はお客様の写真に対するモチベーションや求めるものがどんどん変化していっているなと感じる。

講師として来てもらっているフォトグラファーの白川マゆみさんと一緒に、最近はいつもこの話をしている。


Instagramの普及から、今はほとんどの参加者がインスタ映えの写真が撮れることを少なからず望んでおり、今までやってきたカメラのワークショップとの微妙なギャップを悩ましく思ったりしている。


技術的に良い写真と、インスタ受けの良い画像は違う。

写真の技術がなくても、“インスタ的に映える”、“いいね!がつきやすい”という画像は数多く存在する。

みんな、「技術的に良い写真」ではなく「オシャレなスタイリング、雰囲気のある加工をされた写真」を求めている。


便宜上、インスタ受けという言葉を使ったが、何もインスタだけに限ったことではない。

誰でもそれなりに感じの良い写真が撮れる、加工が簡単にできる今の時代、写真に求める表現は多種多様で、得られる効果もさまざまだ。


さらに、デザイン上の表現だけでなく、写真には撮った人の「人格」が映り込む。

上手い下手は関係なく、撮りたいものを好きに撮ってそれを自分の文章にあてこんだり、アルバムにしたりする。

それを見た人が「この写真いいなあ」と思うのは、きっとその撮った人自身のことも同時に「いいなあ」と思っているのだと思う。

いくら美しくても、フリー素材の写真が心に引っかかりを持ちにくいのは、そういう理由なんじゃないかなと思う。


そんな時代に、カメラのワークショップでは何を伝えるのが良いのだろう。

私とマゆみ先生は、毎回迷いながら、悩みながら、結局は「まず一番に写真を撮ることを楽しむ」ことを伝えたいと思う。

そして、上手い下手ではなくちょっとしたコツをつかんで少しずつ納得のいく撮り方ができるようになってくると、それが“自分らしい写真”という個性になる。

そしたらきっと、もっと楽しい。


時代によってどんどん変化していく価値観に、振り回されすぎず、かといって頑固にならず、目の前の人たちに合わせて丁寧に。

スマホでも、一眼レフでも、技術があってもなくても、「写真が楽しい。素敵に撮れて嬉しい。」と思える、きっかけになるような時間を提供していきたいと思う。



写真の思い出話。

高校(高専だけど)の頃、写真を撮るのにハマって、バイト代でフィルムカメラを買った。

友達と撮影会したり、写真集や写真の雑誌などもよく買って楽しんでいた。

廃墟に行ってアーティスティックな写真を撮ってみたり、セルフポートレートもちょっとHIROMIXとか意識したりして大胆に。

あの頃は、技術なんて全くないし、知ろうともしていなかったし、ただ撮るのが楽しかった。


お店をやりだしてから、毎日毎日商品の写真を撮るようになった。

そうすると写真は、仕事のために使うツールになってしまい、いつの間にか自分の楽しみのためだけに撮る写真の撮り方を忘れてしまった。

構図とか、光とかどうでも良くて、ただただ、好きなものを好きなように撮る感覚。
ブレてても粗くても、なんだってよかった頃。

少し、思い出して撮ってみようかな、なんて考えている今日この頃。


皆さんは、自分の楽しみのためだけに写真を撮る時間はありますか?


***


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今回は、15年くらい前の私のポートレートを1枚だけ載せてみました。

それだけです。(笑)


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