空を見上げると母を思い出す
(あ、心配なさらず、母は存命です)
結婚して引っ越してから、空を見上げる回数が減った。
原因はなんとなくわかる。
実家の時は、田舎ならではの「玄関から出てすぐ空が広がっている」状態だったのと、母が空を見るのが好きだったから一緒になって見ていた。
それが、住む場所が変わったらちょっとだけ都会になって空が狭くなり、虹が出てるよ、とか、夕焼けが綺麗だよ、と、声をかけてくれる人(母)がいないからだ。
「どんな空が好きですか?」とステキな質問をされたので、Radiotalkで(いつも通りふざけた感じで)こたえたのがこちら。
(音声12分)
母はいつも空のことや花のことや自然のことをよく教えてくれた。
ちょっとファンタジックでメルヘンチックなところがあり、特に空模様についてはいつもいつもその変化を楽しみ、共有しようとしていた母。
わざわざ2階の私の部屋まで来てドアを叩いて、「カナちゃん、すごい大きい虹出てる!根元まで見えるよ!はやく!」と、誘いに来る。
「おーーーい!夕焼けすごいよーーー!」と、庭から叫ぶ。
「わぁーーーー!綺麗なうろこ雲!飛行機雲まである。ひゃっほう!(←ほんとにひゃっほうとか言う)」
流星群の日はもちろんのこと、普段から何かと「星を見よう!」と誘ってくる。
「寒くて空気が澄んでるから星が綺麗だよ!」
「新月だから星がよく見えるよ。」
「金星と月が近いから見て!」
そうやってしょっちゅう庭に連れ出され、幼い頃はいろんな星の名前や星座を教えてもらった。
北斗七星、カシオペア、スピカ、くらいしか覚えていないけど(!)、むしろその星たちを見つけると実家の空を思い出すのだった。
今でも空を見上げるのは好きだ。
車の助手席から雲の流れをよく見ている。
窓から見える満月に心踊る。
ぼんやり。
そのひと時だけはぼんやりできる気がする。
その度になんとなく、母がひゃっほう!とかわぁーーー!とか言いながら、空を見ようよ!って誘ってくるのを思い出す。
思い出すんだよ。
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