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ガス乾燥機「乾太くん」導入に3年かかった夫の「悩む時間を愛する」ということ

夫が悩んで悩んで3年越しに、ガス乾燥機「乾太くん」を注文した。

なげーよ!!!!



夫は悩む性格だ。
今までも様々なものを悩んできた。

ある時はニューバランスのスニーカー。
何度も店頭に出向き、同じようなものを履き比べ、ネットでも返品可能なものを試しまくった。
そんなことをしていたら欲しいものがマイナーチェンジしてしまったり、新しいモデルが出てきたりして、パニックになっていた。
スニーカーを買いたい!と言い出して、手に入るまで3年が経っていた。


ある時は車の買い替えで。
来年車検だし、修理も多くなってきてそろそろ買い替えないとやばい・・・。
車のパンフレットを取り寄せ、いろんなディーラーを周り、いろんな車を試乗し、ネットで評価を見たりして散々悩んだ。
その挙句、車検に間に合わずまた2年後の車検までにと悩む時間が増えてしまったこともあった。
車を買い替えよう!と言い出して、手に入るまで3年かかった。


そして今回の「乾太くん」事件。
事件だわ、もう。

家事担当の夫は、洗濯物を上手に洗い、素早く乾かすことに命をかけている。
いろんな人からガス乾燥機の「乾太くん」がいいよ!と聞いて、俄然欲しくなってきていた。
乾太くんのことを調べれば調べるほど欲しくなるし、詳しくなる。
まだ使ったこともないのに、Twitterやラジオで乾太くんの普及活動に勤める。
しかも途中から敬意を込めて「乾太さん」と呼び出した。
乾太さんはすごい、乾太さんじゃないとやっぱりダメだ!などと、新興宗教みたいなことを言い出したので、まじであぶねーな、と思っていた。

乾太さんが欲しくなっても一向に進まない。
乾太さんに関する記事をひたすら読んだり、調べたりして、頭の中で悩み続けている。
夫は家事手伝いで収入がない、だけど乾太さん(20万円かかる)は欲しい。
そんな高額なものを買っていいのだろうか、良いとは聞いているが思いと違ったらどうしよう、5kgがいいか8kgがいいか全然決まらない。
大きい方がいいに決まっているが、みんな夫婦2人でそんなでかいのいらないという。
どうしたら・・・どうしたら・・・の連鎖。

私は最初から「さっさと見積もり取って設置したら。20万円くらい出せるし、サイズで失敗したらもう一回買い直せば。」くらいのことを言っていた。
いつもそうだ。
私は即決してしまう。
スニーカーも、一回買ってダメなら買い換えれば、とすぐ思ってしまう。
車は流石に高額だから難しいけど、決めるための方法はあるはずだ。

だってそうしないと、3年同じ悩みに付き合わされることになる。
1人で悩んでくれるなら別にいい。一生悩んでくれてもいい。
だけど毎回私は靴屋にも車屋にも連れて行かれるし、毎日のように「乾太さんなあ・・・」と話しかけられるのだ。
死ぬほどうざい。
20万円で札束ビンタしたくなる気持ち、皆さんもわかるでしょう。


彼も頭ではわかってるのだろう、悩む時間がもったいないということを。
でも私は今回の件で理解したのだ。
悩んでいる時間が、本人はめちゃくちゃ楽しいのだ。

スニーカーも好きだ。
車も大好きだ。
乾太さんなんてめちゃくちゃ好きだ。

好きなもののことを考えている時って本当に楽しい。
悩んでいる、、、と言いながら、それは辛い時間ではなく、彼にとってハッピーで最高な時間なのだ。
購入してしまったら真剣に悩む時間がなくなってしまう。
夫は、憧れの乾太さんを思い続ける時間が楽しくて、しかもそもそも習慣的なことが好きだから「思い続ける習慣化された時間」そのものを愛しているのだ。

3年単位で悩みという名の「幸せな時間」が終わり、そしてまた新しい悩みという名の幸せな時間が始まる。
夫はそうやって、悩みを独特なエンタメに変えながら楽しく生きる工夫をしているのかもしれない。

そう思うと、乾太さんを一生買わないという選択もなきにしもあらずなのだな・・・と思った。


でもそういうのは1人でやってくれよな!!!!!


自分が楽しいことをしてたらうっかり周りも楽しくならないかな?という気持ちで活動しています。応援してもらえるととても嬉しいです!