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都市での災害と生活を考える|daily10

2019年、台風19号によって、首都圏が水害の危機でパニック状態なSNSのTLを眺めていて色々自分なりに災害と向き合ってみた。
色々な疑問や課題がぽこぽこ思い浮かんだんだけど、特になんの解決案でもない、ただの雑感を書いておきます。
解決策について誰かと話してみたいなと思ったり。


江戸川区43万人の避難は可能なのか?

今回の台風、江戸川区は浸水の危険性がかなり高い地域として、台風が上陸する当日の数時間前に「避難勧告」やら警報が出て、江戸川区は概ね浸水するらしい(汗)というツイートがガンガン流れてきた。

そもそも公共交通機関の計画運休が前日に発表されていて、色々な路線が止まったりし始めている段階での「避難勧告」。
もし仮にみんなが「よし、避難しないとな!」と動き出しても問題なかったのだろうか?この時点での避難指示は有効なのだろうか?と思ったという話だ。

だって、江戸川区民は43万人もいるという。

上記の国土交通省の資料によると、平日の13時ごろの首都圏で鉄道を利用している人数がおおよそ43万人らしいちょっと具体的な実感は湧かないけれど、首都圏の平日の昼間と言えば、そこそこ人の移動はある。
諸々の交通機関が数を減らしたり止めたりしている中、果たしてそんな人数が一斉に動けるのだろうか・・・と考えたら無理そうだな、と感じた訳で。

避難しなければいけない人の中には体の不自由な人とか、子供などもいて、一筋縄に移動は捗らないはずだし、なんとなくパニックが起きそうだなあと思ったりした。

ここ数年、毎年ひどい被害をもたらす台風がやってくる。
多分、来年もくるんだろうなと思う。

だからこそ、「いつ、どのタイミングで誰がどう行動をするのか」改めて事前に考えて心づもりをしておく必要があると感じたのでした。


避難を事前に誘導することの難しさ

台風や豪雪豪雨に関して言えば、本当に直撃するのか?どのくらいの状況になるのか?事前に被害の深刻さが見積もれないこともあり、誰しも「自分は(今回も)大丈夫でしょ」という気持ちになってしまいがちだ。

ただ、水害系は地震と違ってある程度事前に予想が可能である一方で、じわじわと状況が変化する災害であるため、どのタイミングで避難するべきか、仕事や活動を中止して動くべきか、という判断のタイミングの微妙さを痛感した。

どんな状況であれ、被害の大小が見積もれない状態でも、避難をする心理的ハードルをいかに下げるのかというのは結構課題なんじゃないかと思っている。

そもそも、火災の避難訓練は学校でやるし、地震の時の避難行動も教わった気がするけれど、水害に関しては全く記憶にない。(川で流された時の着衣水泳を体育の時間にちょっとやったくらいだと思う)

日本ほど災害の多い国では、もはや一生に何度も遭遇するアクシデントであり、「生活」の中で隣り合わせの処世術だとも言える。
「生活・防災」とかいう科目を作って、有事の際にいかに行動するか、判断するか、周りと助け合えるか、を幼い頃から教育してもいいのではないかと思った。

色々考えてたら、避難を早めに促したり、防災に親しむための方法として一つ思いついたんだけど、大型の台風が来るとわかったら、最寄りの避難所で備蓄の食料やコロッケ食べながら防災を学びつつ映画の上映会を開催するのを定着させたらどうだろう

そうすれば水害時の避難所の場所も周知できるし、水害や台風時の対処法の知恵も学べる機会にもなると思う。
何より、近所の人すら知らない都会暮らし。一度二度顔を合わせているだけでもいざという時に頼れる関係性を作る良い機会にもなる気がした。


防災は個々人の努力ではなくみんなでするもの

今回、いよいよヤバいと感じた都民の皆さんが一斉にハザードマップにアクセスしに行った結果、自治体のWebサイトになかなか繋がらなくなり、いよいよなタイミングでハザードマップが手に入らない、という現象が起きていたように思う。

まさか自分の住んでいるエリアで被災するだなんて思っていた人はそんなに多くないから、事前に家にハザードマップを備えていなかった結果だと思う。(かくいう私も、家にハザードマップがない。ネットで調べよ〜くらいにしか思ってなかった。)

こういう時、一人暮らしで知人が身近にいなければかなり心細いように思うんだけれど、少しだけでも誰かのためになる行動をひとりひとりが心がけたら見知らぬ誰かの安全をたくさん守れるんじゃないのだろうか、と思ったのでした。

例えば、マンションの管理会社さんや大家さんは台風来そうになったらマンションの出入り口付近にハザードマップ貼っておくとか、災害が予想されるような状況になったら、コンビニ各店舗は入り口にはり出すとかしてくれたらいいのに、と思ってみたりしている。いずれもちょっとしたことだ。
けれど、このちょっとしたことで助かる命はあるかもしれないし、気分的にひとりぼっちの不安も「見知らぬ誰か」を感じられて少しは安心できる気がする。

一人でする防災対策には限界がある。
いざという時、知人同士が助け合うことができれば理想だが、そこから漏れてしまう見知らぬ誰かの役に立つかもしれない行動も、案外大事だよなあと思ったのでした。


不自由と避難

随分前からわたしの中で考えているテーマの一つに「不自由と防災(避難)」というものがある。

今回、水害となると、身体に不自由がある人(高齢者や怪我人など)は、いざ被害が広がってからでは避難がしづらい。
車椅子に乗らなければ移動ができない人をどうやって連れ出すのか、高齢者施設のお年寄りや、保育園などの幼児がたくさんいる場合にどう逃げればいいのか、なかなか難しい問題だなと思う。

さらに、今回は「避難所にはペットは連れていけない」という決まりごとがあって、ペットを置いていけないから避難はしない、と判断した人もいたはずだ。
避難所にペットを連れていけない問題に今回悩まされた飼い主さんたちは多いはずだ。

今後、大規模な気象不安が来た場合、先にペットを預けられるペットシェルターなどが必要だよなあ、と思う。

ペットだって、飼い主さんが一緒にいてくれたことによって飼い主さんが死んでしまったら悲しいはずだ。お互い無事で過ごせるのが何よりもいい。予測される悪天候があれば、飼い主は先に預けられ、状況が悪くなれば人間も避難するということができればいいのに。

簡単にいうなとか言われそうだけど、逃げないことでその人を救助しなくてはいけなくなる消防士さんや救命士さんにとっては負担が増える訳で、被害を最小限にとどめる努力は自分のためだけのものではない。
なるべくこの辺も何かいい策を考えないとダメだよね、と思った。


公共交通機関と商業施設の速やかな「運休・休業」判断で被災の規模が随分抑えられるということ

こういった有事の際にこそ仕事をする人たちがいる、ということも報道を通してみんなが知ることになった機会だったと思う。

例えば、被害を最小限にとどめるために努めなくてはいけない行政の土木系の課の人や、イレギュラーな状況で社会の秩序を保つために働かなくてはいけない人、状況を伝える報道関係の人、有事こそ力を発揮しなくてはいけない仕事もたくさんある。

また、有事でも仕事を止められない情報や電気・水道などインフラ関係の人とか、医療関係従事者などもいる。

災害が起きるから、一斉にみんな休んで避難すればいいとは言えないのが難しいところだけど、まず公共交通機関が運休することで移動の手段がなくなり、商業施設や商店が休むことで外出する理由がある人が格段に減る。人が移動する理由をなくすための対処に関する判断は早いに越したことはない。

人の移動や活動がある程度セーブできれば、それに付随する仕事の人が休みを決めるいい口実となり、かなりの人の動きを封じられるはずだ。

人はなんだかんだ言って、「いい言い訳」があることが大事だ。
(そもそも自分で判断して「休む」と決められることが何より大事だけれど)

多くの人の命を守るために、多くの人に「不必要に動かない」と決断させることが何より大事だ。

人の移動を止めるっていうのは有事の際大事な考え方だよな、と思った。


「避難して初めてわかったこと」のツイートがとっても良いのでご参考までに




本当にだらだら思いついたことをメモするように書きましたが、この辺、個人的にしっかり深く考えられたらいいなと思っていることです。

防災とダイバーシティを軸にした都市計画の仕事とかしたいなあ、と思いながら、ぼやぼやしてたら2年も転職のタイミングを見失いました・・・何かしら関わりたいなと思っている今日この頃です。

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