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人が足を運ぶ場所

8月、関西へ引っ越して初めて両親が私に会いに来ました。

新しい部屋の具合を確認しつつ、「せっかくだからどこかへ出かけたいな」という両親は、普段田舎街にこもりっきりだから、久々に都会の空気を感じに来たんだろうなと、私は毎日仕事が忙しかったけれど、たまの親孝行もいいかもしれないと彼らの観光に付き合うことに。

ただ如何せん関西の夏は蒸せ、暑さ×人混みで疲れることしか予想できない街に繰り出すのはいささか辛く、どこに行こうか迷った末、人がさほど多くない場所で最近SNSでもよく見かける話題の場所へと向かうことにしました。

滋賀

実は小学3年生くらいの時に家族旅行で来たっきり。

とりあえず比叡山に登ろうということに(車で…笑)

「どうかこの先も無病息災よろしく」と都合の良いお願いをし、帰り際に立ち寄った展望スポットから見えた琵琶湖は穏やかで広々と開けていて、とても気持ちが晴れる景色でした。

近江八幡「ラ・コリーナ近江八幡」

今回の本命はこっち。
今SNSや旅行誌などで見かける機会が多く、気になっていた場所。

ここ近江八幡が発祥の和菓子の老舗「たねや」とたねやから生まれた有名バームクーヘンブランド「クラブハリエ」との共同店舗に当たるこの施設。

見ての通り、屋根が全て緑で覆われており、入り口前まで行くとその草の屋根から草露が滴り落ちているという不思議な建物で、気のせいか空気の温度も少し涼しく感じられます。

ここでしか味わえない限定品は数あるけれど、クラブハリエのバームサブレは今までどこのクラブハリエでも見たことがない。五円玉みたいな形をしていて、サクサクっとした食感が美味しい。

このサブレが乗った抹茶ソフトクリームでひと休み。

この写真はたねやサイドの壁際に飾られた「和菓子の型ウォールオブジェ」ですが、年季の入った和菓子の型、不思議な型が所狭しと壁に設置されています。

こういう手作業の時代の古いものは今はどんどんなくなって行っているのでしょう。でもこうやって飾る。飾り方によってとてもモダンで素敵に見える。
この使い古された感じや歴史を思わせるものっていうのは年月が積み重ねて来たものだから、なかなか手に入りません。

長く続く過程で捨てられずに今に残ったこと、そしてそれを持て余すのではなく有意義に使い切るこの見せ方にとても感動しました。

言葉足らずですが、デザインって「意味のあるもの」だと人に気づかせるために新たな命を吹き込む作業でもあるんだなぁと、すごいなぁと思います。

近江八幡は田舎である

私の実家がある街はとても田舎で、交通の便がよくなくて、実家が商売を営んでいる場所へは車なしではたどり着けません。

もちろん、近江八幡は大都市「大阪・京都・神戸」や反対方面の「名古屋」「金沢」からは遠からずなので人がちょっとその気になれば足を運ぶ率の高い場所だと言えます。

だけども、このラコリーナがある場所も車でなければ簡単にはたどり着けない。それなのに休日の閉店時間間際でさえも人がどんどん入ってくるわけで、本当に吸引力のある場所というのは交通が不便であっても関係ないんだなぁと思いました。

もちろん不便な場所にあるということは不利です。

だけれども、その不便さを言い訳にしないくらいの仕掛けを作る。
その仕掛けを考えるのは商売をするものとして、人を呼ばないといけない仕事をするものとして必須の責務であり、ちゃんと日々唸って悩み抜いて考えていかなければなりません。

人が集まる場所は幸運にも立地が良いということもありますが、誰かしら人を集める仕組みや仕掛けをウンウンと唸りながらもがいて産んだものだと思うから、もっと「フォトジェニック」と称される場所、人気お出かけスポットを研究したいと思いました。

今日のひとり言でした。

\ありがとうございます!/ いただいたご厚意は、新しいチャレンジに役立てます!