朝の時間が楽しみになる宿|Mar. ① #何処泊

宿泊をするとき、どうしても日が暮れてから部屋に入り、朝はチェックアウトギリギリまで寝て慌てて宿を後にする、なんてことも多いと思いますが、今回ご紹介する宿は、知らないまちをぶらりとしてそこで出会う人や景色を楽しみ、日常の中でぼんやりする感覚を味わうために行って欲しい場所。
(宿の場所、周辺のスポットなど詳細情報は最後に)


1日2組のみ。素敵な夫婦が営んでいる、”料理をすることと食を通してまちを楽しむことができる小さな宿”


コンセプトは”正面玄関”の観光ではなく、”勝手口”から始まる旅

”正面玄関”の観光ではなく、”勝手口”から始まる旅

家庭の、街の中の日々の営みを「料理」を通して知り楽しむ。
旅先のホテルや旅館でプロのつくった食事を楽しむのもいいけれど、その土地の旬の食材を手に入れ、自分たちで料理をする。

料理をすることそのものがこのまちの豊かさを一番味わえる。

そんなコンセプトのこの宿。

見どころは、リノベーションされたビルの細部にわたるデザインと、オーナー夫婦の明るくて魅力的な人柄、夜になると波の音が聞こえるロケーション。そして、食を通してまちと交わるきっかけがあること。
いわゆる上げ膳据え膳のホテル、旅館を期待する人は今までの宿とは違うことが多くて驚くこともあるかもしれないけれど、しばらくご無沙汰していた友人の地元に泊まりに来た感じ。

見知らぬ土地で体験する日常は、「生活」を新たな視点で見るきっかけをくれた気がします。

魅力な点を挙げだしたらいくらでも挙げられるほど、たった一泊だったことが勿体無く思える。もう少し長めに滞在して満喫したかったなあと思いました……


呉服屋さんの4階建てのビルをリノベーションしてつくった宿とギャラリーとキッチン。


階段の色は赤。
階段に貼られていたビニールの床を全部剥がし、この鮮やかな赤い塗料を塗ったそうです。階段の端や手すりがほんのりクリーム色で、赤とマッチした色彩空間がとてもおしゃれでした。

リノベの空間を手がけたのは、設計デザインを建築家・デザイナーの湯浅 良介さん施工は江嵜建築さんだそう。

実は、一階のカウンターは古材を寄せ集めて作られていたり、カウンター上の素敵な照明も既製品のものが雰囲気に合わなかったそうで、ちょうどいい感じにするためにホームセンターで買ってきた雨どいをDIYしてランプシェードを作り変えたとか。そんなことできるんだ……と終始感心しまくりでした(笑笑)

わたしは言われるまで気づけなかったんですが、机の下がほんのり青く見えるようにカウンターの裏にはちょっとした仕掛けが施されているそう。ここは是非足を運んで確かめて欲しい。

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宿泊スペースと眺望

宿泊のフロアには、共用の小さなキッチンが備え付けてあり、冷蔵庫や流し台だけでなく、食器も用意されています。

屋上にはこのキッチンから出られるので、晴れた日には海と街を眺めながらぼんやりのんびりするには最高のロケーションだな、と思いました。

もともと呉服屋さんのビルだった名残もところどころ残されているのがなんとも粋ですよね。(部屋のハンガーにもそのあとが。)

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宿泊できる部屋は2部屋。

セミダブルの部屋は少し狭めですが、ベッドの頭側にある窓を開ければオーシャンビュー。お布団に入ったまま、朝日が昇る姿を眺められる素敵なお部屋。

もうひと部屋は、セミダブルのベッドがツインで置いてある、広めのお部屋。


こちらは海が直接見える位置ではないけれど、窓も大きくて東向きなので、朝の光が綺麗に入って清々しい。

キッチン横からは屋上へも出られます。ここから眺めるまちの風景。

雪が落ちやすいようにと黒い釉薬が塗られた屋根がこの地域の特徴みたいです。



オーナー夫婦が準備してくれる様子を眺めながら一緒に朝食を。

翌朝、6:30に漁港で競りの見学。

近くには漁港があり、競りが行われている様子が見学できたり、冬場は雪をかぶった山脈越しに朝日が昇るのを眺められるという最高な景色も見られるのだそうです。

今回行ったのは2月の終わりで、寒ブリのシーズンはおしまいだったけれど、12月なんかは大きなブリが市にゴロゴロ並ぶ姿が見られるのだそう。


8:30 オーナー夫妻と朝食

オーナー夫妻が「朝が魅力的な宿なんです」というだけあって、朝ごはんのために1階へ降りると、とっても気持ち良い光が大きな窓から差し込んでいました。

この宿の面白いところは、二人が目の前でできたての朝食を準備してくれるだけでなく、一緒に朝ごはんを食べるということ。

↑写真は揚げたてのがんもどき。ふかふかでフォカッチャ的な食感。何より浸してあるお出汁が美味しすぎて、うっかり最後にそれだけをすすったほど(笑)

↑地元の採れたて野菜が蒸されたせいろそのままで出てくる。セイロ、可愛い。

食卓に登場する食器や調理器具も素敵なものばかり。うつわにもこだわりがあって、作家さんや産地のことも教えてくれました。

出された食材や、手作り調味料の作り方、このあと行ったら良い場所など、このまちと彼らの日常の話があって、ちゃんとこのまちにお邪魔しに来た感じが御誂え向きの旅じゃなくて面白い。

魚のアラがどかどかっと入った、魚介の味が滲み出まくりのお味噌汁。

朝食をゆっくり時間をかけながら食べて過ごしたの、どのくらいぶりだろう?いつまでもあの場所で楽しくおしゃべりしながらお茶をすすっていたかった……

食事のあとはチェックアウトの時間までごろ寝してもよし、海辺のお散歩に出かけてもよし。

晴れた日には宿からすぐの海越しに雪をかぶった立山連峰が見えるのだそう。帰り際、外まで見送ってくれた二人が海の方を指差して、「立山、ちょっと見えてる!」と教えてくれる様子が可愛らしい。
この日は曇っていたけれど、一部うっすら山が見えました。

地の美味しいものを満喫するなら冬に、穏やかな景色と海を楽しむなら春〜夏に。いつ来てものんびりと時間を忘れてぼんやりできる素敵な宿です。

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