田舎と都会のお金の違い

先日の話。沖永良部島で裕福に暮らしている畜産農家を取材し、都会の方にこんな生き方もあるんだよと知ってもらう、という趣旨のテレビ番組に取材をされました。いえいえ、僕は全然儲かってませんからね!笑
しかし今回インタビューでお金のことを沢山質問され、お金って何なのか考え直す良いきっかけになりました。そこで今回は、僕が思う田舎と都会のお金に対する感覚の違いを書きたいと思います!

お金の始まり

昔々、物々交換をしていた人たちは、みんなが価値を認めていて保存しやすい物を基準にして取引きをしよう!ということで、金(ゴールド)を通貨にしました。しかし金を持ち歩くのは不便なので、銀行に金を預けて預かり証をもらいました。さらには金をわざわざ銀行に取りに行ってから取り引きするのは面倒だと思い、預り証自体で取引を行うようになり、金と交換することも少なくなりました。
紙幣を発行できる量は当然金の保有量と同じじゃなければいけませんが、もっとお金を発行したいと考えた銀行家は、お金を貸し出すことで実態の無いお金を生み出しました。さらに利子によりどんどんお金が集まってくる構造が生まれました。

こうしたシステムは近年まで続いていましたが、ついに人々は「金の量に対して紙幣多くない?早めに交換しとかないと金が無くなるかも!」と気付き始めました。
そうして1971年、アメリカのニクソン大統領はドルと金の交換停止を発表。世界的に金本位制(いつでも金と交換できる固定相場制)から変動相場制に移行しました。
つまりお金は今や信用だけで成り立っていて、価値がコロコロ変わってしまうものなんです!

食べていくということ

最近では「AIに既存の殆どの仕事が奪われる」という話をよく聞きます。そしてAIにできない仕事は何かの議論や、AIにできない技術習得とか、そういうのを見ていて僕は違和感を覚えました。
そもそもみんな何の為に働いているんでしょう?何の為に生きているんでしょう?お金は取り引きする為の一つのツールでしかないのに、多くの人にとってお金を稼ぐことが目的になってしまっているような気がしてなりません。
働いた報酬で生きていくということを、日本では「この仕事で食べていく」と言います。だったら僕は農家としてこう言わせてもらいます。

「食べ物作れば食べていけるやん!!」

例えば今日本でハイパーインフレが起きてジャガイモ一つが100万円になったとしても、ジャガイモ一つ食べてどれだけお腹が膨れるかはいつの時代も変わりません。なら食べ物を作る技術があれば社会の変化に対応できる可能性はかなり高い。
ここ沖永良部島では多くの方が野菜の栽培技術を持っているので、未来への不安をあまり感じずに安心して暮らしていられるという実感があるんです!

「島には仕事が無い」はウソ

島の人口の議論になると必ず「島には仕事が無いから子供たちが都会で就職するのは仕方がない」という話が出ますが、僕はそれに疑問を抱いていました。というのも僕は大阪でやりがいのある仕事を探すのはとても大変という感覚があったのに、島に移住してから色んな会社からお声がかかるようになったので、きっと島はどこも人手不足なんじゃないかな?と思っていました。
そこで島と東京の完全失業率を調べてみたところ、知名町と和泊町はどちらも3%ほどで、東京23区内のどこよりも失業率は低かったんです!これは多分、高度経済成長からのイメージだけで若者が流出しているんじゃないでしょうか!?だからこれからは子供達に「都会には仕事が無い、島に帰っておいで!」と言ってあげて下さい!

そして島は給料が安いという話も必ず議論されますが、これはどうやら本当みたいで、島の平均収入は都会よりかなり下回っています。しかも物価も安くはないし、家賃もさほど安くない。でも僕はなぜか都会に居た頃よりお金が減らないんですよね。
僕なりに考えた答えとして、一つは無駄な誘惑が無いこと。都会ではどれだけ購買欲をそそるかという商戦が繰り広げられていて、街を歩けば様々な誘惑に襲われますが、島には必要以上のお店やサービスがありません。しかも島ではコミュニティの強さや安心安全な生活で心が満たされているので、無駄な購買欲が湧かない気がします。
そしてもう一つは、野菜や魚など、食べ物の交換が盛んだということ。採れすぎた食べ物は人に譲り、もらった方はまた採れすぎたらその人に返すというお金を通さない経済が存在するので、収入だけでは測れない豊かさがこの島には存在するんだと思います!

田舎暮らしが良いってこと?

僕は移住してから確実に幸せになったと感じていますので田舎贔屓の目線でここまで書いてきました。しかし中には人付き合いが苦手な人とか都会でお金を稼ぐのが得意な人も居ると思いますし、そういう方には都会暮らしの方が向いてるのかなぁ?とも思いますので、押し付けるつもりもありません。
しかし日本の人口は都市一極集中、食料自給率は危険水準まで低下、それらの問題への有効な対応策も示さずにまだ経済成長の幻想を追い続けている日本のままでいると、もし資本主義が崩壊した時には国民総崩れになってしまいます。
そうならない為にも、一人一人がお金のことを考え直し、生き方を選択し、多様な考えが共存できる国になることこそが強い国作りになるのだと思っています!

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愛、愛!!
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要 秀人/カナメヒデト

兵庫県尼崎市で生まれ育った男が、2015年に鹿児島県の離島・沖永良部島に移住。 農業×飲み会で世界を変える団体・エラブネクストファーマーズ代表。黒毛和牛の繁殖農家・要ファーム代表。ご当地ミュージシャンとしても活動中。

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