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人生をかけて

わたしが世界で一番、「すてき」と思っている人の話。
それは、マネージャーをさせてもらっている"新井リオさん"

去年の6月1日のツイート

このツイートを見つけたとき、母校「ミューズ音楽院」なら以前にもトークショーを無料で企画・運営したことがあるし、協力したい!と思って随分長いDMを送った。 

その頃のわたしは、ライブイベントを企画していたのだけど、漠然と今やってることだけじゃなくて、もっと誰かの役に立ちたいと思っていた。

数日後、とても丁寧な返信が届いて、ぜひ一緒にやりましょう!となった。

去年の6月、わたしは下北沢に住んでいてトークショーを進めていくにあたって何度か下北沢のカフェで一緒に作業をした。
2度目に会った時だったかな、女子しかいないような、かわいい美味しいスムージーのカフェでPCで作業していたときに
「かなみさん、マネージャーやってほしいです」と言われた。

社交辞令は聞き飽きていたから
「ほんと、また、ご一緒できたら、いいですね・・・」と
自信なさげに答えていたと思う。

でもその言葉は本当になって、
トークショー当日には「マネージャー」として
出版社の方に紹介されることになっていた。 

初めて会った日に撮った写真

そこからの日々は、毎日が葛藤だった。
ぜんぶ、自分の自信のなさから来るものばかり。
ほんとにわたしでいいのか?
もっと適任の人がいるはずだ…
わたしなんかが役に立ててるのか?と。

今までバンドスタッフとして、誰にも感謝されないことをボランティアでやっていたから、時間があるときに "好き" でやっていることなのに、リオさんはめちゃくちゃ感謝してくれて・・・
感謝したいのは一緒に働くことを選んでもらえた私の方だよ…と。
"ステキ"に変わり始めた自分の日常に、追いつけないでいた。

わたしの肩書きにフォトグラファーだけじゃなくて、マネージャーが追加されて、週に何回か下北沢から阿佐ヶ谷まで通う日々を送っていた。

そこでリオさんの事務所は、隣の部屋が空いているという話をしていた。
4月に建ったばかりの新築で、「ときどき内見来てるんだけど、どんな人が入居するんだろうね」 と。
私「下北から通うの大変だし、隣住みたいです〜」と 夢みたいなことを言っていたら、それも、ほんとうになった。

初めて連絡を取ったのが6月、隣の部屋を初期費用全部出してくれて、引っ越したのは9月。
それも、PENs+のベース、原さんとルームシェアで住むことに。

インディーズバンドに対してボランティアでやっていたことが仕事になって、心から尊敬している人とこんな近くに住んで、一緒に働けること。
感謝しきれないくらいありがたいことであると同時に、そのプレッシャーみたいなものや自分の理想と現実のギャップ。
努力がどれだけ大事で、わたしは何もがんばれてないことを突きつけられる毎日。

家の掃除ができなくなったり、外見コンプレックスから矯正をはじめたり、地に足がつかない不安に悩まされていた。

隣に住んでいた原さんも、きっと葛藤していて、いつかは作曲家でフリーランスになるかもしれない未来を見ながらも、原さんは今している仕事を選んで、貯金して専門学校に行くために しばらくしてルームシェアは終了した。

そして年が明けて、リオさんの紹介でもう一人マネージャーをすることになった。
詳しくは書けないけど何度も衝突したり、やりたくないアルバイトを始めたり、辛い・大変なことがあって、周りの人にたくさんの迷惑をかけたけれど、今まで見ることのなかった新しい世界をみることができた。

今年の2月からは、リオさんがカナダにいたときに出会った親友のカナダ人、バンとルームシェアしている。

3ヶ月に1度くらい、何かしらで詰んでしまいリオさんに長文のLINEを送っている。

"めんどくさいやつをマネージャーに選んでしまったのでは?"

だから、2ヶ月に1回くらいは「今月で終わりです」と言われるのではないか?と心配しているにも関わらず、仕事は少しずつ増えて、出会った頃から今では毎月いただくマネージャー料は倍以上になった。

文字を打ち始めてから、この1年を振り返るようで、リオさんと出会ってからのことを想うと感動して話しすぎてしまうね。
「ステキ」どころではなくて
”人生をかけてついていく”と覚悟をきめているのです。

リオさんは、自分の価値観で生きている。
誰よりも努力をしている。
それはちょっとやそっとで真似できることではなくて それでいて、今まで出会った人の中で、いちばん、優しい。
その姿勢はどこまでもかっこいい。

わたしはまだ、頑張るときも、諦めるときも、つい「この辺」を決めてやってしまいがち。
リオさんにとってはその基準がないから「頭おかしいくらい努力してる」と思える状況をつくれる。
 応援してくれるファンに対しても、愛に溢れていて誠意と感謝を込めて活動を続けている。

そして、考えることを絶対にやめない。
自分にとって納得のいく答えがでるまで考え続けている。そこで出した答えや目標に向けて努力している。

人が努力する姿やそれによって結果が出るところを今まで見たことがなかったし、手を抜いてしまいがちなわたしは側にいることで、努力が報われるところの証明を何度も見てきた。

こんなステキな人、他に出会ったことがないんだ。

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夢だと思っていたものは憧れだったこと
夢を叶えるために何をしなければいけないのか
わたしには何ができるのか

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迷ったとき、悩んだとき、いつも「味方です」って否定せずに理解しようとしてくれた。

自分がリオさんだったら、絶対に見放してるであろう"奏美さん"を
「気が遣えて優しくてサポートに向いてる」と、制作職を目指すきっかけになった、サポートという魅力に気づかせてくれた人だ。


わたしは6月末で色々なことが落ち着いて
リオさんは今カナダで秋に出す本の執筆をしている。

本が発売するまでわたしは少し落ち着いているから今日から制作会社で週3日アルバイトをはじめた。

連絡を初めて取った日から、ちょうど1年経った日は、なんとPENs+のワンマンライブの日だった。 1年ってあっという間なんだな、と思った。
ちなみにワンマンライブはどう控えめにいっても最高で、幸せだと感じられる忘れられない日になった。

ここまで何度も読み直しながら文章を書き進めていて思ったけど、幸せだと思える日々があるからこそ、それをもっともっと増やしていきたいと思い頑張り続けられるんだろう。

事務所の隣に住み始めてからも、もう少しで1年になる。
来年の春には、リオさんはまた海外に住む。

あと半年くらいしか日本では一緒に働けない。
リオさんが海外に住んでからも、マネージャーは続けたいと思っている…から、わたしはサポート、アシスタント、制作でもっと力をつけていきたいと思う。

わたしの自信のなさは、学生時代の不登校による挫折もあるけれど、努力して報われるという経験がないからだと分かっている。

自分はアーティストやクリエイターではない、と思っていたけれど、表現で生きている人の側にいて、サポートをしていくなかで、マネージャーやアシスタントという仕事は"一緒に働く人の時間や心に余裕をつくる人"なのかもしれない。
   

生きている実感がある。
今のわたしがあるのは紛れもなくリオさんのおかげです。

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