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曖昧な色のときもあるナナカマドの実

夏の終わりには鮮やかなオレンジの実をつけるナナカマドの木を通りがけに見つけたので、じっくりと観察してみました。

それは、オレンジともいえない、黄色ともいえない、曖昧な色のナナカマドの実の集まりでした。第一印象は、「私の心そのものだ」という感動です。ちょうど環境の変わる境目にいるような気持ちで日々を過ごしていたので、心があちらこちらに旅をして、一色で表せるような気分ではなかったこともあり、余計にこのナナカマドの実の気持ちがなんとなくわかったのです。自然界にはそういうときもあっていいんだという大きな安堵感がありました。

そういえば、似たようなことが泣いたときに起こることを思い出しました。人が泣いていれば、周りの人はどんな理由で泣いているのかが知りたくなります。でも、私の場合は特に、自分でも理由がわからないことが大半です。もちろん大きな決定打はあるのですが、それとは関係のないことも含まれていたりして、すべてを言葉で説明することは不可能だと感じます。だから、こういうグラデーションがあることが自然なんだとほっとしました。

人の生活のなかで、嬉しい、楽しい、寂しい、悲しい、怒っているなど、色んな気持ちが日々生まれては消えていっていると思いますが、私が見かけたナナカマドのように、一色で表せない曖昧な気持ちがあることを覚えておきたいと思いました。そういう気持ちは、誰かにわかってもらうというよりは、自分自身がしっかりと受け止めて、かみしめて、次の新しい色に変わっていくことができたら素晴らしいと思います。

#ナナカマドの実 #感性 #iwate_i_design


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