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私が「あがり症」を克服した方法

こんにちは!

かなぽりと申します!これが初ノート投稿になります。よろしくお願いします。

このノートでは、私が重度のあがり症を克服した具体的な方法を全てお伝えしようと思いますので、よろしければ最後までお読みください!

自己紹介

経歴をざっと書くと

3歳からピアノ→高校から作曲を始める→関東の音楽大学で作曲を専攻→ソルフェージュ講師→急に大学院に進学→音楽関係企業に就職

という流れです。音大からソルフェ講師はよくあるルートかと思いますが、そこからドタバタで急に大学院進学、そしてラッキーなことに音楽関係企業に就職させていただいております。(そのあたりのキャリアのことも、いつかノートにかけたらと思います。)

会社勤めとなり早数年、最近は音大生だった頃の自分に伝えたい・・!!思うことがたくさん出てきて、もしかしたらその思いが他の方に役に立つかもしれない、と思いノートを書き始めました。

私のあがり症レベル

その初回が「あがり症の克服」についてです。こちら、音楽をやっている方はもちろん、企業でプレゼンされる方など、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

私は3歳から中学生まではピアノ専攻で、それこそ中学生の時なんかは1日4時間とか練習しているガチ勢でありました。しかしながら、本番が苦手すぎてピアノの道をさっぱり諦め、作曲専攻に転科したのです。

ちなみに私のあがり症レベルは以下の通りです。

・そもそも本番の記憶がない。(やばいやつ。)

・先生からは「暴走列車」「スキーの直滑降」と言われる。

・「表現する」とかいうレベルの演奏ができない(記憶ないからね、表現どころじゃない)

そんな私ですが、高校に入りピアノの先生が変わったことで(ピアノは続けていました)、高校生活3年間を掛け、あがり症を克服していくこととなったのです。そんな私なりの具体的な方法をここで余すことなくお伝えします!!

ちなみに、先に一言でまとめるとしたら

本番であがらないためには、本番前が命!」です。

①頭を使って練習する

根本的な問題ではありますが、皆さん、練習時にどれくらい「考えながら」練習しているでしょうか??もちろんしっかり考えながらやっている、という方も多いと思いますが、私は今思うと何も考えずただ「指を動かしている」という状態だったんです。技術的な部分に関しては、ある程度機械的に指を動かして練習が必要な場面もあるかも知れませんが、それでは「自分の音楽」を表現することにはつながりません。

「考える」といってもいろいろあると思いますが、作曲を専攻していた私はまず「構成」を考えて弾くことを意識するようになりました。

(・・この曲はソナタ形式だから、今は第1主題、今度は第2主題、展開部で今テーマのモチーフを弾いていて、ここは◯dur、Ⅴ度の解決をして、よし、再現部だ・・)

みたいな・・・・・・という話をすると

「こんな分析的なことして弾いてられっか!!」とお声が聴こえてきそうですが、これはあくまで私の場合ですご了承ください笑。

要するに「考えて」「一つ一つの演奏に意識を向け」「理解して演奏する」ことができれば良いのではないでしょうか。

例えば「ここのメロディーは暖かい、それから音が上がって、冷たくなる。それから風が起きて・・」というような、自分なりにストーリがあり、演奏内容を自分なりに咀嚼し、意識できる状態なら良いのではないかと思います。

一番いけないことは練習時に「なんとなく弾くこと」です。

②具体的なシチュエーションを想定してリハーサルを行う

続いて本番前に私がやっていたのは

「超具体的な場面を想像して超細かい動作まで含めてリハーサルを行う」

というものでした。

まずもし知っている会場だったら具体的な会場を想像する(知らない会場だったらHPを見るなど)、そこにいる先生の数、距離を想像する。

そして次に行うのは「細かい行動まで含めたリハーサル」です。

私の場合を書きます。ちなみに「試験会場の前室から」想定です。

「手にハンカチを持ってスタンバイ。試験の前の人が戻ってきたらドアの前で一度深呼吸、そこからドアを開けてゆっくり前に進む。この時前だけを見て、先生がいる方へは向かない。ハンカチをピアノに置いて一礼、この時先生の方は極力見ないでもっと遠くをみる。ピアノの椅子をいつもの高さににする。(具体的に決めておく。)椅子に座り、ハンカチで鍵盤、手を拭く。ハンカチをおく。深呼吸。最初の鍵盤の位置を確認。弾く。」

までを家で何回か繰り返します。

ここまでやるか!?と思うかもしれませんが、

これが効果覿面だったのです。

この一連の流れを何回かやり、頭でもイメージすることで本番、

あ、この状況知ってる

となり、落ち着いて行動することが出来ます。

③本番直前にやることを決めておく

これはある意味「ジンクス」や「ルーティーン」と言えるかもしれませんが、「これをやったら本番うまくいった!!」ということを積み重ねていくと、それと同じ行動を繰り返すことで自信と安心を手に入れられることができるようになりました。

ちなみに私の場合は

・2〜3人前の演奏が始まったら椅子から立ち、体を動かす。ストレッチをする。(もちろんストレッチの内容も決めてありました。)

・とにかく深呼吸をする。

・心臓がバクバクしていることを認識する。

そして一番効果があったのは

上手く弾けた時の自分の録音を聴く

ことでした。

というのも、私が暴走列車と言われた所以も、本番、爆速で演奏を開始してしまうことにありました。もちろんメトロノームでも良いのですが、それよりは「自分の演奏」を聴くことで、テンポ感やフレーズ感を思い出すことが出来ましたし、本番前の混乱した頭では「私めっちゃ上手い!!」なんて思えたりもします。これはプレゼンをなさる方でも使える方法かも知れません。

また、「録音」は「意識的な練習をする」ことにおいても効果覿面でした。やはり自分の演奏を客観的に見れますし、録音していると思うと演奏に緊張感が出ます。もし普段録音をして練習する習慣がない方は録音することをお勧めします!ただ練習をするだけよりは何倍も効率的な練習になるはずです。

④ジンクスを作る

③とも近いのですが、もう少し気持ち的な問題です。

私は本番がある時、今でも電車やバスの中で「邦楽ロックを聴く!!」と決めています。むしろ聴き忘れるとパニクります。

というのも、私が邦楽ロックが大好きなこともありますが笑、一度本番前にクラシックを聴きながら登校したら、自分の演奏が色々思い出されてしまってとても不安になってしまいました。

ですが逆に「今日もロック聴いたから絶対大丈夫!!」と根拠のない自信がつき、落ち着いて会場まで着くことができました。

⑤ハプニングを想定する

演奏家が本番で最も怖いことはなんでしょうか?

それは「暗譜が飛ぶ」ことではないでしょうか・・・?(暗譜強制の本番に限る)もう考えただけで恐怖ですよね・・。

対策としては、飛ばないことが一番ですが、飛んだ時の対応を考えておくと、いざという時に対処できます。例えば、分からなくなったらこの小節から再開する、ここに戻る、など。これはやってる方が多いかな、という印象です。

他にも自身が想定できるだけのハプニングを全てイメージトレーニングしました。(弦が切れたら、とか、ペダルが外れたら、とかまで考えていたこともあります。その場合「先生にしっかり伝えてもう一度演奏させてもらう」というところまで考えていました。)

そうすることで「あ、この状況知ってる」を作り出すことが出来るのです。

終わりに〜根本的な原因を探る〜

以上5点が私のあがり症対策でした!参考になりましたでしょうか?

ここまでするのも、私がとんでもないあがり症で、学校ではプリントが足りない時に手をあげるのでさえ心臓がバクバクしていたような人間で、本当に本当に本番が辛かったからです。

これらを実践してから本番で記憶がなくなることはなくなりましたし、暗譜が飛んでも冷静に対処出来るようになりました。少しでも参考になったら嬉しいです。

最後に、

実はこちらの2期生になっております!今後の活動に乞うご期待・・!

そのイベントとして先日こちらの講演に伺いまして、大変貴重なお話を伺いました!


ゲストはホルン奏者・指導者であるバジル・クリッツァーさん(Basil Kritzer)でした。

「音楽と共に生きる」をテーマに開催された学びの場です。「演奏のセミナー」「作曲のセミナー」は行ったことがあっても、このような「生き方」を学ぶ場所は初めてだったかも知れません。(この記事を書くきっかけとなったイベントでした。)

バジルさんのお話の中で、本番であがる原因として「死への恐怖」というものがあったと伺いました。これはつまり「本番で失敗する→仕事がなくなる→ご飯が食べられなくて死ぬ」というような流れです。

そこから自分を省みたところ、私は子供ながらに「期待に応えられないのが怖い」と思っていたような気がします。親や先生からの期待っていうものは子供ながらに結構感じていたんですね。お金もかかりますし、実家にあるグランドピアノと大量の楽譜がズーンと肩に伸し掛かって、あぁ、ちゃんとピアニストにはなれないんだろうなぁ、期待裏切っちゃうかなぁ、という思いもあり、その思考が「あがり症」に繋がっていたのではないかと思います。

そして当時、もしその思考自体を認識していたら、「そんな風に思わなくてもいいんだよ」って自分に言ってあげられたのかな、と思います。大人になった今思うと、先生は分かりませんが親は特に、そこまで子供に重石を乗っけてまで音楽をやらせてなかったと思うのです。

まとめると

①頭を使って練習する

②具体的なシチュエーションを想定してリハーサルを行う

③本番直前にやることを決めておく

④ジンクスを作る

⑤ハプニングを想定する

でした!

一つでも参考になるものはありましたでしょうか?

今あがり症で悩んでいる方、ご自身の生徒やお子さんがあがり症で苦しんでいる方に届くと嬉しいです!

以上、初ノートでした!!



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