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『冬至』  朝倉かすみ


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冬至には


 朝倉かすみの 「冬至」を読む。


短篇集『ともしびマーケット』の 2作品目。


北海道在住 44歳 ひとり暮らし。


パートタイムで働く 門田新子の日常が 慎ましく愛おしい。


帰宅すると コートを着たままストーブをつけ 


浴槽に湯を張りながら 二重巻きのマフラーをしたまま 


ストーブを背にして 夕刊を読み進め


お尻が ようやく暖まってきたら 風呂場に行く。



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風呂上がりの晩酌は 


沖縄の島豆腐 小松菜 長ネギ 生葛きりの小鍋仕立てと

 

冷やの国稀 ぐい呑4杯まで。


ほろ酔いの上機嫌に 水を差す


妹夫婦からの お節介電話も 上手に去なす。 


仕事は出来るが口の重い 53歳・同僚男性への


仄かな想いと 気儘な暮らしの描写が 


のほほんと チャーミングな一篇。



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 色白で ふくよかな 旬の大根が


特売コーナーに 並び始めると 


門田新子を 思い出しちゃうのは なぜ?


燗酒が恋しい季節になりました。





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