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思い出のなか

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私じゃなくてあなたのために

私じゃなくてあなたのために

自分に禁じている言葉があります。口に出すだけじゃなくて思うだけでも。
それは例えば、「自分なんか」とか「私なんて」という自分を貶める言葉。

大学時代、居酒屋でホールのアルバイトをしていました。居酒屋はやっぱり酔っ払う人が多くて、一番若い私はよく「美人だねぇ」「かわいいねー」という言葉を掛けられることもありました。
もちろんそれは事実からはほど遠くて、その証拠に素面でそれを私に言う人なんていないん

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K社とKさんに感謝を込めて③

K社とKさんに感謝を込めて③

今日、6時間くらい前、第一志望の企業の最終選考で落ちました。
で、記念に私とK社の歴史をここに残しておこうと思います。

K社とKさんに感謝を込めて①

K社とKさんに感謝を込めて➁

再び、私とKさんとのやり取りを。

4月24日 10:21 ちゅるゆーかよりKさん宛て
「私がアルバイトをしていた会社は働く人を大切にしないところで、社長はたまに店に来ても社員に声を掛けることもなく、売上に関する業

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K社とKさんに感謝を込めて②

K社とKさんに感謝を込めて②

今日、6時間くらい前、第一志望の企業の最終選考で落ちました。
で、記念に私とK社の歴史をここに残しておこうと思います。

K社とKさんに感謝を込めて①

Kさんと私のやり取りを淡々とどうぞ。

4月20日 15:27 Kさんよりちゅるゆーか宛て
「……私達は、学生さんに本気で向き合うという事は、事実を伝える必要があり、それを会社が来て欲しいからと言って、抽象的な表現でごまかしたりしてはいけない。と

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K社とKさんに感謝を込めて①

K社とKさんに感謝を込めて①

今日、6時間くらい前、第一志望の企業の最終選考で落ちました。
で、記念に私とK社の歴史をここに残しておこうと思います。

まず、出会いはとあるベンチャーのみのナビサイト。
東京に限定して企業選びをしていた私が、K社のページをナビサイトで見つけた時、説明会に参加するつもりは正直ありませんでした。なぜなら、神奈川県だったから。
地方から出てきた私には、東京から神奈川は3時間くらいかかるのかな?というイ

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過去のイスタンブールより

過去のイスタンブールより

イスタンブールが好きだ。
泊まっているホステルはちょっと暗くて階段が急で夜になると音楽がうるさいけれど、この街の雰囲気が好きだ。トルコ人が好きだ。
久しぶりに心から好きだと思える国と会えて嬉しい。

旅が終わる。あと3回ここで寝たら私は日本に帰る。部屋を借りて、学生証を作り直す。そして、大学生に戻る。
何が学べたか、と問われたら、何も学べませんでした、と答えるしかない旅を2年も続けてきた。
何かを

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ねぇ先輩、

ねぇ先輩、

大学に通っている時、先輩たちが大好きでした。
先輩たちが全てで、体育会系と間違われるほどに先輩命で、熱狂的に先輩たちが大好きでした。

私は、先輩たちは思いやりのある気遣いの出来る優しい人たちで、大人だと思っていて、心から尊敬していました。
それなのに、大学を休学すると同時にすとんと、先輩に対する興味が失ってしまいました。私の中で、それまでの超重要から興味なしのポジションへ、先輩たちは一気に移動し

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幸せでありたい

幸せでありたい

大学に通っている時、私はたぶん、鬱の入り口にはいたと思います。
シャワーを浴びるのが面倒になり、自炊が面倒になり、掃除が面倒になり、他人と連絡を取るのが面倒になり、出掛けるのが億劫になり、笑った時に顔が引きつるのを感じるようになり、ひたすら眠り、1日14時間寝ても眠く、とにかく大量に詰め込むように食べるようになり、満腹になっても食べることを止められなくなり、時間ぎりぎりに行動するようになり、笑顔に

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思い出の中の私

思い出の中の私

なぁーんにも書くことが思い浮かばないので、私の記憶の話でもしてみようかと思います。
あ、うちの母親の名言は「あんたは昔からあんただった」です(笑))

初めての記憶。
自分が在ると意識した記憶。実家の二階の階段のところで、自分が存在していることに気がつきました。
気づいたことと、その後階段を降りたことだけ覚えてます。階段を降りて、改めて家の中を見回してみたっけ。

自分の存在に気づいた記憶、おあり

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私と納豆の話

私と納豆の話

小説で読んだんですが、他人と話す話題に困ったら、嫌いなものを聞くといいんだそうです。
好きなものの理由ははっきりと説明出来ないことも多いけれど、嫌いなものには理由やエピソードがあって、盛り上がりやすい。確か営業をしている人のセリフとして出てきていたような気がします。

嫌いなもの、ありますか?

私、納豆が好きではありません。

……他にネタがないかめちゃくちゃ頑張ったんですが書けなかったんで、今

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先生の色

先生の色

大学一年の時、中学校の先生が亡くなりました。

国語の先生でしたが、受け持ってもらったことはありません。それどころか、学年の担当ですらありませんでした。
なぜ先生を知っていたのか、どうして先生も私を知っていたのか、覚えていません。

一つだけ、はっきりと覚えていることがあります。
まだまだ寒いけれど、もうそろそろ春の気配が感じられそうな季節。先生はその日、フリースの上着を着ていました。薄緑色でどこ

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おいしかったとは言っていない〜もしくは粘土クッキーとバレンタインの話〜

おいしかったとは言っていない〜もしくは粘土クッキーとバレンタインの話〜

中学2年生だったバレンタインデー。
ある女の子が、同学年の部活動生に友チョコをくれました。女ばかりの部活で、人数も少なかったですしね。
チョコレートとプレーンの二種類の味のクッキー。ラッピングも、可愛くて女の子らしいものでした。

その日は土曜日だったのでお昼に家に帰り、お昼ご飯のあと頂くことに。
しかし、先に食べた家族が無言。どう?と聞いても、うーん……という微妙な返事。ん?と反応を疑問に思いな

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《居酒屋の記憶》不倫カップルの場合

《居酒屋の記憶》不倫カップルの場合

私のバイト先だった居酒屋には、色々な人がいました。

他の職場もそうかもしれないですが、私のバイト先はとっても面白いエピソードで溢れていました。個室の店でそれなりに人気があり、しかも私は何店舗か応援で回っていたことで、エピソードならたくさん知ってるぞ! ならシリーズ化して書いちゃえ、と思いたったので取り敢えずの第一弾です。

私の働いてる支店で超有名だったのは、不倫しているカップル。来店ごとに話

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彼女の羨望、私の嫉妬

彼女の羨望、私の嫉妬

Rは私の友達で、私とは正反対の性格です。
いつも落ち着いていて感情的になることもなく、周りがよく見えて友達がとにかく多くて。 人間関係でこじれたということも聞いたことがありません。
異性に「だけ」モテるっていうんじゃなくて、同性にも全ての人に好かれる子、ごく稀にいるじゃないですか。Rはそんな子なのです。時々羨ましくてたまらなくなります。

でも彼女は、私のことを羨ましいって言うんです。

Rとは中

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由緒正しき物忘れ

由緒正しき物忘れ

ほとんどが短命で終わる嫁に比べると、ちゅる家の男性は長生きの家系です。たぶん父も90歳までは生きるだろうというのが、本人を含む家族の一致した意見。
父の父、つまり祖父は92歳まで生きましたし、曾祖父は89歳、その父も90歳まで生きたそうですし。
ご先祖様長生き過ぎます。

ま、そんなに生きるなら多少の物忘れは当然です、仕方のないことですよね。

5年ほど前のある日。父が、 父の父――つまり私の祖父

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