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よし、新紙幣を見に行こう。(お金の社会科見学前編:日本銀行貨幣博物館)

夏だ。新紙幣に会いに行こう。


こんにちは!
突然ですが、みなさんは、「お金」が好きですか?
わたしは大好きです!!笑
どれくらい好きかって、お金の小説を書いているくらい!!
(気になったらぜひわたしのプロフィールページを見て下さいね)

さて、この小説に登場するメインキャラクターの名前には、とある共通点があります。
「渋沢くん」「津田さん」「北里くん」……はい、もうおわかりですね。
正解は~、新紙幣にデザインされている偉人の苗字!(渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎)

ちょうど1年後の2024年7月、日本のお札は20年ぶりにデザインが一新されます。
現時点(2023年7月時点)で既に現行の紙幣は製造を終了しており、新紙幣がどんどん製造されているようですよ。ワクワクですね!

そして、発行に先駆けて、新紙幣は現在日本銀行に関係する博物館や日銀支店で展示をされております。

そこでわたしはふと思いました。
「お名前を拝借しているのであれば、渋沢さんたちにご挨拶に伺ったほうがよいのでは……?」
と、いうことで!
前置きが長くなりましたが、東京は日本橋にあります日本銀行本店のすぐ隣・『貨幣博物館』まで足を運びまして、渋沢さんたちにご挨拶をしてまいりました!

そもそも貨幣博物館とはなんぞや

日本銀行が運営しております、「お金」の歴史が展示してある博物館です。

まだ社会科で習っていない小学生のみなさんにとっては、「いやそもそも日本銀行ってなんだ」という話かもしれないんですが、みなさんの手元にお札があれば、ぜひそのお札を観察してみてください。
『日本銀行券』という文字が、見つかりませんか?
実は「日本の紙幣」は、この「日本銀行」が作っているのです!
(もっと細かく言えば「日本の中央銀行」とか「金利を決定している」とかほかにも役目はあるんですが、ひとまず置いておきます。あと、500円玉とかの硬貨は国が発行してます。)

そんな「とにかくすごいところ」である日本銀行が、なんと無料で開放しているお金の博物館、それが『貨幣博物館』(以下「貨幣博」)なのです。

行ってみよう。

そんなこんなで、わたしは1人東京駅から10分ほど歩いて日本橋の端っこまでやってきました。
ていうか、JRの改札から東京駅を出るのに5分以上は歩きました。東京駅広っ……。(田舎者)
『会社四季報』でおなじみ東洋経済社を横目に見ていると(「シキ」?)、見えてきました……日本銀行

ほ、本当は、上から見ると「円」の形をしているんですよ……!
でも、そんな形を撮影できるところなんてなくってっ……!
なんかわかりづらくてすみません……!

貨幣博物館は、この写真の向かって右側にあります。

こんなの立ってます

ちなみにこの看板の隣から早速乗り込もうとしたら、警備員さんに慌てて止められました。
実は貨幣博の入り口の真横(左)は、日銀の職員通用口にもなっております。
はい、間違えて、職員さんに紛れて日銀に潜入しようとしていたわけです。
危ない、もう少しで不審者だった……。(もう不審者かもしれない)

ちゃんと貨幣博の入り口から入ると、4~5人のスタッフさんが受付で待ち構えています。
受付用紙を記入した後、手荷物検査を受けて、金属探知機をくぐります。
そのものものしさは、さながら空港のよう。
さすが、お金が展示してあるだけありますね。緊張すると同時に、ここからもうワクワクします。

そしてそのまま2階へ上ると……

様々な時代のお金がパネルでお出迎え!
また、新紙幣の偽造防止技術を説明するパネルも早速展示してありました。

そしてこんな体験コーナーも……。

1億円、持てます。(もちろんレプリカ)
なお、説明には「1億円を持って写真を撮ってみませんか」と書いてあるんですが、1人だったので1億円を持った状態で写真は撮れませんでした。1人だったので。(他意はございません)

ここで元金融機関職員からの豆知識ですが、お札の重さは1枚約1グラム。
ということは、テレビなんかでよく見る100万円の帯をまいた札束(「小束」なんて呼びます)は1つ約100グラム。
それを10個集めて、大きな帯でさらに巻きます(「大束」といいます)。そうすると、1000万円は100グラム×小束10束で約1キログラム。
その1000万円の大束を、10個集めたものが1億なので……その重さ、約10キロ!
さて、みなさんにとって1億円の10キロは重いでしょうか、それとも、軽いでしょうか……?
(なお、わたしは仕事の思い出がフラッシュバックしたせいでとっても重かったです)

隣にはたくさんのスタンプがあって、スタンプラリスト(?)のわたしは大変テンションが上がりました。
遠足に来ていた小学生のみなさんに交じって、大の大人が順番待ちをしておりました。よく考えたら、多分怖かったよね。ごめんなさい……。

さらに隣はお土産コーナー。
日本銀行見学記念グッズとして、定番のクリアファイル等文房具から、お札柄のタオル(観光地でよく見る)、なんとお菓子まで、幅広く置いてあります。(あとで買ったものをご紹介します)
ただし、開館時間よりも開いている時間は短いです!
わたしは朝イチで行ってしまったので開店しておらず(たしか11時からとかだったような)、お土産欲しさに再入場しました。
もし朝イチと閉館間際に行こうと思っている方は、売店の開店時間に注意してくださいね。お昼前後ならきっと開いているはずです。

さて、メインの展示室(本物の歴代のお金が展示してある)は残念ながら撮影禁止。
そんなに広くはないですが、読む展示が非常に多いので、すべてをちゃんと読もうとするととっても時間がかかります。
さらっと見れば20分ほどかもしれませんが、わたしは1時間以上かかりました。人による!

なお、子どもが楽しめる体験系の展示はこちらにもたくさんありました。
江戸時代の紙幣の一つである「藩札(藩ごとに発行している紙幣)」を、さまざまな色のスタンプを重ねて作っていくのが特に面白かったです。
当時は、このスタンプ(版木)を、別々の人が管理することによって不正を防止していたのだそう。偽造防止の隠し文字みたいなものもこの頃からあって、お札の歴史を感じました。
また、江戸時代といえば代表的なお金は「小判」!
時代劇でよく見る「千両箱」が持ち上げられるようになっています。
わたしも持ち上げてみましたが、さっきの1億円とは比べ物にならない重さ……!(多分倍くらいある)
鼠小僧、これをかついで屋根の上をひょいひょい逃げていたのか。肩、どうなってんだ……。

新紙幣に会えました

そして、この撮影禁止エリアの中央ほどに、新紙幣の展示もありました。

(写真の代わりに公式サイトのURLを貼っておきます)

渋沢さん、津田さん、北里さん、大変お世話になっておりますっ……!!

新紙幣の第一印象は、やっぱり「数字大きっ!」でした。
現行紙幣は今まで「壱万円」という文字が一番大きく印字されていたのですが、新紙幣からは「10000」と、アラビア数字表記に変わります。
なんだか、外国のお札を見ている気がしてとても新鮮でした……!
あと、5千円札のすかしが中央ではなく左側になったのもなんだか不思議な気分でした。

やっぱり新紙幣は展示室の中でも一番人気。
割と絶えず人がショーケースの前にいらっしゃいました。
特に、遠足で来ただろう小学生のみなさんが、ノートに一生懸命渋沢氏たちの説明をメモしていたのが印象的でした。学校に帰って発表したりするのかな……?

なお、現在はそこまでメインで展示されていない状態ですが、11月からは、さまざまな最新の偽造防止技術等を説明した新紙幣の企画展がスタートするそうです。
肉眼ではほとんど見えないほどの小さな文字が無数に印刷されていて、その技術には思わずため息が出るほどでした。企画展、楽しみです。

おみやげ

さて、ここからは買ったお土産をご紹介します。
と言っても、わざわざ再入場した割に2つしか買ってないんですけど……!
(実はあるところで散財しすぎたんですけど、それはまたの機会に)

おせんべいとシャーペン

まずはこちらのおせんべい、なんと新紙幣の柄をしております!
意外と細かい!

なんか暗くてすみません……!

よく見るとなんだかかわいくって食べられない、そんなおせんべいです。(?)
そして、わたしが一番欲しかったお土産はこちら!

一見なんの変哲もないシャーペンですが……。
よく見ると、なんだか見たことがある紙の紙切れが……!!

こちらのシャーペンの中には、古くなって使われなくなった紙幣(金融機関では「損券」なんて呼びます)がシュレッダーされて入っているのです!
「そんなのお土産で売っていいの!?」って、ちょっとドキッとしてしまいますよね。
ちなみに、取り出してお札に修復してみようとしてみてももちろんお金として使えませんし、通貨変造罪に問われる可能性もあります。ダメ絶対。
……とはいえ、敢えて一万円札が多めに入っていそうなものを選んでしまうのはきっとわたしだけではないはず……。笑
なお、ボールペンバージョンや、Dr.グリップバージョンなんかもありました。
ほかにもたくさんの「お金」に関連するお土産が売っていたので、ぜひチェックしてみて下さいね!

ちなみに

今回わたしは申し込んでいなかったのですが、日銀本店(「円」の建物の方)の中に入れるツアーもやってます。こちらも無料です。
予約制なのですが、1か月先の予約も埋まっているほど大人気のツアーなので、興味がある方は早めに予約してみて下さいね。

さらに、日銀の建物の近くには、新「一万円札」ゆかりのものがたくさん……!

まずは最寄り駅の一つ・東京駅(本当に広い)。
こちら、新一万円札の裏側に描かれることになっています。

相変わらず暗くてすみません!!
お札に描かれる角度は大体こんな感じです。

日本の近代建築の父・辰野金吾が設計したことで有名です。
なお、辰野金吾氏はさきほどの「日本銀行本店」も設計したんですよ。
こんなところにつながりが……!!

さらに、日銀から首都高を挟んで川の向こうには、こんな像もあります。

渋沢栄一像!(なんかちょっと写真が斜めっている!)

まさに新一万円札の顔であり近代日本経済の父・渋沢栄一氏がたたずんでおります。
第一国立銀行(現みずほ銀行)の総監役・頭取を務め、500社以上の会社の起業に携わった男。
実は、時の首相や大蔵大臣を務めた高橋是清から、日本銀行総裁のオファーも来ていたそう。それでも渋沢氏は、「民間企業の設立や発展に尽くしていきたい」と、そのオファーを断ったそうです。
あくまで「民」の力で経済を回すことにこだわった彼。
この銅像の渋沢氏が見ている先には、彼の目指した日本が広がっているんでしょうか……?

なんて、ちょっと真面目な話をしてしまいましたが!
実はこの渋沢氏に、より深く関わりのある場所にも行ってきたので、後編はその場所についてレポートします!
それは……

東京証券取引所!!

日銀よりもさらに「なにしてるのかわかんない」とおそらく思われているこちらの建物も、実は無料で見学できちゃうんです。
(なんなら、こちらもとっても丁寧なガイド付きで)

同じ日本橋にあるので(ちょっと歩くのはしんどいですが)、ハシゴすることも可能。
夏休みの社会科見学の参考にも!ぜひ後編もご覧くださいませ~!

それでは、ここまでお読みいただきましてありがとうございました!

(後編につづく)


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