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VTuber&VR考察マガジン

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このマガジンではV考察や統計、ファンの向き合い方などVTuber&VRに関する考察をアーカイブしつつ、紹介していく 詳細→https://note.mu/kanata_virtu… もっと読む
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記事一覧

「平成文化の精神」の終焉 ―キズナアイ活動休止に寄せて―

「平成文化の精神」の終焉 ―キズナアイ活動休止に寄せて―

※サムネイルはKizuna AI The Last Live “hello, world 2022”<https://www.youtube.com/watch?v=GTa2HxIsBPM>より引用

先週土曜日の2月26日、一つの大きな日本の伝説が、幕を下ろした。
世界初のバーチャルYouTuber(VTuber)であり、同ジャンルの開拓者であったキズナアイが、5年に及ぶ活動を終了し、無期限の活

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Vtuberの外側と中身の曖昧な感覚

Vtuberの外側と中身の曖昧な感覚

今週のラジオトークのテーマはサブカルチャーということで、僕の最近の注目はVtuberです。そんなVtuberの凄さを話しています。

https://radiotalk.jp/talk/912340

さて、僕はVtuberをまあまあ見ているので、もう違和感はありませんが、初めて見た時は変な感覚でした。

Vtuberというのは、簡単にわかりやすくいうと、ふなっしーみたいなものです。
中身の人がい

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Vtuberこそ「体験をデザイン」しよう!【intro】

Vtuberこそ「体験をデザイン」しよう!【intro】

企画のデザイナー×VTuberのモンブランさん、
本当にありがとうございます!👏

こんにちは。夢乃ほのかです。

YouTubeを中心に活動する、
ちょっぴり大人な社会人アイドルVtuberです💎

前職は保育士→UIUXデザイナーと異業種転職をし、
現在はVtuber活動を思い切り楽しんでおります!(ニート)

今回は
・Vtuber活動における体験デザインとは何か?
について深堀します。

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Vtuberの人権、キャラクターの人権

Vtuberの人権、キャラクターの人権

 たまたまカーラジオで、Vtuberへの中傷に関する裁判のニュースを聞いた。

 ネット関係の話題について、まったく詳しくは知らないのだが、時代によって、個人の在り方や、中傷の仕方が変わっていくことを知った。私が理解した範囲で、記事を書いてみたい。間違っていたら、御指摘していただけるとありがたい。

 基本的には、「中傷」とは過去の判例によれば、「個人が特定できること」が必要なようだ。
 例えばだ

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アニメ消費よりも、Vtuber消費には覚悟が必要な件

アニメ消費よりも、Vtuber消費には覚悟が必要な件

こんにちは。2020年に大手証券会社からドロップアウトして、エンタメスタートアップで働いているアラサー、ひでふくです。

今回は、アニメとVtuberの1年間のコンテンツ量を比較して、
Vtuberオタクの人に敬意を払いたいという話をしたいと思います。

今回はそもそもVtuberとは?みたいな話はせずに、
アニメ、ゲーム、Vtuberという2次元コンテンツの中で
単純にアニメとVtuberのコン

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バーチャルアバターとバーチャル存在 -VTuber思弁前編-

※編集記録
7/12 思考モデルとして導入していることを明記
7/16 改題と後半投稿
VTuberは何を失ったか? -VTuber思弁後編-

何故書いた 最近色々コンテンツについて考えることがあり、浅く知っていた程度であったVTuberをそれなりに見た。
 面白さがなんとなくわかってきたところで、1年程前、VTuberしょーもなくなったな的な話をして、みんながワイワイしてたことを思い出した

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緑仙と現代J-POP/「私は嘘つきです」と嘘をついた異端なスター ——椎名林檎、King Gnu、Official髭男dism

緑仙と現代J-POP/「私は嘘つきです」と嘘をついた異端なスター ——椎名林檎、King Gnu、Official髭男dism

椎名林檎の処女作は「虚言症」。線路の上に寝転ぶ誰かに語り掛けるこの曲の最初の名前は「大丈夫」だった。さらに、この曲の英題は"I Am A Liar"

緑仙のことを書くのは非常に困難だ。

一見すると、緑仙は「歌の人」として見ている人が多いだろう。実際に再生数の多い動画は歌動画である。しかし、活動を最初から見ている人にとっては、絵もできる、企画もできる、悩み相談もしてくれる、なんでもできる人に見え

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VTuberを紹介する時に決めていること。

VTuber企画を番組で立ち上げて1年が過ぎた。

立ち上げ当初は話題にもならなかったが...企画を重ねるに連れ、

「出演したい」「福岡以外でも視聴できるようにしてほしい」と、

VTuber側・ファン側、双方から嬉しい声を頂けるようになった。

僕がチーフディレクターを担当している番組の詳細については

初稿で記述したnoteを見てもらえると。

最近VTuberのなぜか配信にも呼ばれるように

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Vtuberと葬送(Vtuberと引退と死)

Vtuberと葬送(Vtuberと引退と死)

序 Vtuberに対する「葬送」はあるのか、可能なのかという事をたまに考える。Vの引退と死はイコールではない。例えば企業Vにおいて運営企業の判断によりVの活動が停止して「引退」し、今後活動が再開される見込みは一切無いとしてもそれはある意味で死ではない。個人Vに関してはVとして存在する為の権限を本人が所有しているので、引退/休止後にひょっこり復活したり別のVの所で顔を見せてくれたりする例もちょこちょ

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Vtuberの根幹に横たわる『崇拝』

8月に、『Vtuberに信者もアンチもない』という記事を書いた。

ざっくり内容を要約すると、
・Vtuberには不健全な二次元・偶像信仰がのしかかっているよ
・本来Vtuberは三次元的なのに、ガワが二次元だからそうなっているよ
・この信仰は立場に関係なくあるものだよ
・このままいけば『偶像』としての役割が先鋭化しすぎるよ
という感じ。

10月1日のいまネットを見てみると、上の記事でかいたよう

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バーチャルとは何か。終わりのない哲学的思考について。 〜新宿アルタビジョン『黛灰に関する映像』を経て〜

バーチャルとは何か。終わりのない哲学的思考について。 〜新宿アルタビジョン『黛灰に関する映像』を経て〜

 当記事は2021年6月19日18時半から新宿アルタビジョンにて放送された『黛灰に関する映像』を現地で見た人間による思考の雑記のようなものです。『我々』という大きな主語を多用していますがこの言葉が指す意味は『Vtuberを""バーチャル的存在""として見ている人間』です。

 まず初めに、バーチャルとはなんだろう。
 なりたい見た目になれるところ、やりたいことができるところ、自分の夢を叶えるところ

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企業勢Vtuber5年目の大きな壁 労働契約期間満了と無期転換回避による引退の可能性

要旨
・労働契約の観点から見ると企業勢Vtuberには3年目と5年目に壁がある。
・特に5年目の壁は大きく、引退の可能性が高いと予想する。
・近年導入された無期転換制度が理由。前置き
・この記事の目的は単に労働契約に関する常識を記すことにとどまり、Vtuber業界への批判では全くありません。
・筆者は全てのVtuber、その関係者、及びファンの皆様を応援しています。

以下本文
先日、私が推してい

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ボカロ文化とVTuber文化、およびそのキャラクター性について

ボカロ文化とVTuber文化、およびそのキャラクター性について

僕は現在、ボーカロイド音楽論という講義をとっている。ボーカロイド音楽やその周辺文化を分析対象にしたり具体例として援用したりしながら、近代人文科学について広く浅く解説していく形の講義だ。授業中に好きな曲が聞けて楽しい上に、現代的な問題について議論していく時に土台として必要な知識が色々と得られて非常に助かる。

さて、今回はそこで行われたボーカロイド音楽とそのキャラクター論に関する議論を踏まえ、自分が

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バーチャルYouTuberの死とは何か?

Project:;COLDの登場により、「バーチャルYouTuber(VTuber)の死」という概念が去年注目され、様々な議論を呼んだ。Project:;COLDのあらすじは以下の動画を見ていただくとして、さっそく本題に移りたい。

そもそもバーチャルの定義が出来ていない問題「バーチャルYouTuberって死ぬんだ」だといった短観的な反応から、「演者が死んだんだろ それってどうなんだよ」といった勘

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