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somuniaちゃんという電子世界の少女に関する研究報告書(考察編)

somuniaちゃんとはインターネットの中にあるどこかの部屋に存在するVTuberである。儚いウィスパーボイスと、どこが不気味な世界観が特徴だ。

詳細はニコニコ大百科が詳しい。特に楽曲などにおいては網羅されているのでyoutubeでしか見たことない人も是非確認してみるといいと思う。

考察編ではsomuniaちゃんの世界観について考えていく。somuniaちゃんはある一種の異様さを持つVTuberだ。それらは、somunia storyとしてまとめられているが、それ部分以外にもMVなどの随所に伏線が張り巡らされているように思える。今回はsomuniaちゃんの動画を時系列順に振り返りながら世界観について考察していく。
また、あなたの考察をコメント欄に打ってくれると嬉しい。僕も読むし一緒に考えていこう。

prologue

はーーーーーーーーーーーー好き

かわいい見た目から発せられる消え入りそうな透明感を持つ声……一方でその裏腹に何か怪しい世界観が見え隠れする……

これこそが彼女の魅力だ。どこか不気味なのに、儚く美しい。

prologeでは、somuniaちゃんがyoutubeに動画を上げ始めた経緯が語られる。物心ついたころから、部屋にずっといるそうだけれど、少しずつ記憶が消え始めているらしい。私が私であるために動画投稿を始めたとのこと。

また、#01 meとの違いは動画字幕がついていること。日本語だけではなく英語字幕もついている。僕はこの違いをprologeは外部布教用に作られたものだと解釈した。現時点では何のためだか分からないが……

#01 me

#01 meはsomuniaちゃんの情報を得られる貴重な動画だ
この#01 meではまずpasswordを入力するところから始まる。
そして、自分のデータを毎日誰かに送っている。

何らかの外部の者が存在することは確かだろう。somuniaちゃんの健康状態を知りたいものと推測されるが詳細は不明
そもそもsomuniaという名前もPCから見つけたものらしい。彼女本人に関するものはすべて消されているのだ(身長、体重も推測でしかない)

また、彼女自身はは外に出たことはないようだが、一応ドアを開ければ外には出られるようだ。

いつか、勇気が出たらこの部屋のドアを開けてみようと思っています

しかし、彼女曰くここはインターネットの世界。我々が想像する「外」ではないことは確かだろう。いつか外に出る日は来るのだろうか。もしかしたら、#02は彼女が外に出る日に投稿されるかもしれない……

謎1 外にいるsomuniaちゃんはどういう存在なのか?

ここで一つ疑問符が付く。いつもお部屋にいて外に出たことがないと明言している彼女だが、投稿されたMVでは外に出ていることがある。

[ cover ]波よせて - クラムボン / somunia with YACA

このMVは#01 meが投稿される前に公開されたものだが、ここで彼女はワニのヤカ氏と共に海岸線にいる様子が映し出される。しかし、現実(といってもsomuniaちゃんにとっての現実である)には、彼女は外に出たことがないと言う。

この問題を解決するヒントは彼女は睡眠が好きだということだ。僕はこれらのMVは彼女のであると思う。

しかし、somuniaちゃんはインターネット上の存在であり、彼女自身は食事もしない。もちろん、0と1の存在である彼女にとって夢は必ず必要なものではない。では、なぜ彼女はあえて夢を見るのだろう。
フロイトは、夢とは抑圧されていた願望を幻覚的に充足することによって睡眠を保護する精神の機能であると考えた。

彼女にとって夢は外への渇望を昇華する役割を持つのだろう。そして、夢を通して現実世界の僕たちに干渉しているのかもしれない。

また、メタ的に考えればこれはVTuberを見る私たちに対しての写し鏡ではないかと思う。

バーチャルの世界と夢は非常に良く似ている。虚構が現実化し体験できるという点だ。また、叶わない願望が実現できるという側面もあるだろう。

まさに我々がVTuberの動画を見るときはある一種の夢を見ているようなものだ。それは、信じ込むという表現が近いかもしれない。ここにVTuberがいると思い込むことで楽しみ、ときには精神的な支えともなったりする。私たちは癒しや感動を渇望してある一種の夢を見に行くのだ

この構造は彼女の夢と似ている。私たちが彼女を見るように、彼女は私たちを見ている。もしかしたら、彼女は夢という構造を利用して、バーチャルの本質を表現しているのかもしれない。

Q&A

#02 Q&A (1)

#03 Q&A (2)

耳が幸せ……(ˊᗜˋ*)
癒しの極致……サムネだけでかわいい

この動画ではsomuniaちゃんのパーソナルに関することの他にやや哲学的な質問も多くあった。個人的にこのセリフがすごい好きだ

睡眠のその先を一緒に目指しましょう

我々にとって睡眠ってとても大事なものだけれど、ついつい削ってしまいがちじゃないだろうか。睡眠のその先って考えたことある? 睡眠の価値を軽視する現代社会で彼女は何を思うのだろう……

このように彼女は睡眠について話すことが非常に多い。二度寝は最大八回までしたことがあるらしい。かわいい

謎2 somuniaという名前の由来は?

また、ここでは、somuniaという名前の語源についても数々の質問が見られた。様々な考察があると思うけれど、僕の一つの解釈を示そう

somniaという単語がある。ラテン語でsomniumの複数形。意味は夢、夢物語。幻想。ファンタジー。
そして、これが複数形なのが重要だと思う。僕たちはsomuniaちゃんと共に夢を見ている。それを表しているんじゃないかと思う。

[ 朗読 ]0と1の世界の私

●全文
歓声が、賛美が、拍手喝采の文字がモニターをなぞる。
ここは存外静かだ。
他人の意見を押し付けられない世界を求めて私は彷徨った。
そして、ついに安住の地を手に入れた。
すべてが意のままの私の理想の世界。
ここでなら私はおとぎ話のお姫様のように誰からも愛され、
時には昔話の神様のようにあがめられる。

「ねぇ、ミア。ここは静かだよ。」

もちろん私が望めば、ここでは好きな音楽を流すことだって、自分以外の人間を作ることだって簡単だ。
でも、それをしないのは私がそんなものいらないって、思っているからなんだろう。

「彼女は新人類の可能性ですよ!彼女はいまやカリスマ的存在です。」

元いた世界に私の体はまだ残っているのだろうか?
私は意識だけをこの0と1の海に放流した。
元の世界に戻るための保険は掛けなかった。
自分自身で錨を上げてしまった。
この0と1の世界は新人類の可能性とか、新天地なんていわれているけれど。
今の私が、あちらの世界にいた頃の私と同一のものであるかなんて、もう誰にもわからない。
私という存在をつなぎとめているのはこの文字達だけ。
私は向こう側の世界を捨てた。
ううん、私だけが世界と切り離されてしまった。
以前の私は誰かに押しつぶされるようなそんな小さな存在だった。
でもここでは違う。
私は綺麗で、可愛くて最強だ。
改めて美しいということは武器だと知った。
もう誰も、私を無視なんてできない。
私の姿を、言葉をみんなが待ち望んでいる。
一つだけ、あちらの世界に心残りがあるとしたらきっとそれはあなたのことだ。
ここにあなたはいない。
でもきっと向こう側の世界であなたが私を見つけられないように、
私もきっと向こう側の世界ではあなたを見つけられない。
だから、ここでいい。

私は静かな0と1の世界からあなたを見つめている。

                               おわり

謎3 somuniaちゃんが生まれるまでに何があったのだろう?

この動画はyoutube上で公開されている唯一の朗読動画だ。もちろん、ストーリー背景を考察する上で大切な動画となっている。

ただ、somuniaちゃんの声が癒しになりすぎて、内容が入ってこないのは言うまでもない。ちょっと立ち止まって文字列だけ見てみよう。うん、これなら考察できる気がする。

歓声が、賛美が、拍手喝采の文字がモニターをなぞる。
ここは存外静かだ。
他人の意見を押し付けられない世界を求めて私は彷徨った。
そして、ついに安住の地を手に入れた。
すべてが意のままの私の理想の世界。
ここでなら私はおとぎ話のお姫様のように誰からも愛され、
時には昔話の神様のようにあがめられる。

somuniaちゃんがバーチャル化したときの様子だろうか。他人の意見に押し付けられた彼女はバーチャルの世界を作り出すことを決意した。歓声を得、何でも作り出せる世界を。

「ねぇ、ミア。ここは静かだよ。」
もちろん私が望めば、ここでは好きな音楽を流すことだって、自分以外の人間を作ることだって簡単だ。
でも、それをしないのは私がそんなものいらないって、思っているからなんだろう。
「彼女は新人類の可能性ですよ!彼女はいまやカリスマ的存在です。」

時節、挟まれるセリフは物語上では説明されない。ただミアが何らかしらの要因であることは間違いなさそうだ。他人に押し付けられた彼女とミアは安息の世界を作り出したのだろう。新人類の可能性とあるようにそれは人類史に残る偉業であったらしい。

元いた世界に私の体はまだ残っているのだろうか?
私は意識だけをこの0と1の海に放流した。
元の世界に戻るための保険は掛けなかった。
自分自身で錨を上げてしまった。
この0と1の世界は新人類の可能性とか、新天地なんていわれているけれど。
今の私が、あちらの世界にいた頃の私と同一のものであるかなんて、もう誰にもわからない。
私という存在をつなぎとめているのはこの文字達だけ。
私は向こう側の世界を捨てた。
ううん、私だけが世界と切り離されてしまった。
以前の私は誰かに押しつぶされるようなそんな小さな存在だった。
でもここでは違う。
私は綺麗で、可愛くて最強だ。
改めて美しいということは武器だと知った。
もう誰も、私を無視なんてできない。
私の姿を、言葉をみんなが待ち望んでいる。

彼女はVTuber化した。美しいということは武器だ。ただ、美しいというだけでちやほやされる。

こう言ってしまうと悪い印象を与えるが、VTuberなんてそんなものだろう。魂は変わっていないのだ。一見その美しさのみがVTuberの価値であると言っているように見える。これはアンチテーゼだろうか? いや、決してそうではない。

他人に押し付けられた彼女のことをみんなが聞いてくれる。誰も聞かなかった彼女の言葉にみんなが耳を傾けてくれる。彼女にとって、それがどれだけ幸せなことだろうか? VTuberの魅力が端的に語られている。

一つだけ、あちらの世界に心残りがあるとしたらきっとそれはあなたのことだ。
ここにあなたはいない。
でもきっと向こう側の世界であなたが私を見つけられないように、
私もきっと向こう側の世界ではあなたを見つけられない。
だから、ここでいい。
私は静かな0と1の世界からあなたを見つめている。

謎4 あなたとは誰だろう?

ここで、突然「あなた」という表現が出てくる。あなたって何だろう? 
「あちらの世界」は彼女にとっての元いた世界のことを指すだろう。そう考えるとあちらの世界=現実世界だ。つまり、我々のいる世界だ。

僕はあなた=私たちNiamate(somuniaちゃんのファンの総称)であると捉えた。あなたとは漠然的に天才的な才能を持つsomuniaちゃんを応援している人である。

考えてみよう。私たちは彼女がVTuber出なかったら果たして観測できていたか? ファンになっていたか?
答えはNOだろう。そして、それは彼女も同じだ。VTuberでなければ私たちを知ることはできなかっただろう。

そう考えると「だからここでいい」という言葉の何と空しいことだろう。私たちは真実のsomuniaちゃんを見ることはできない。その代わりに彼女を知り、応援することができる。空虚なバーチャルだからこそ得られる価値がある。

謎5 各駅停車がyoutubeにアップロードされていないワケ

各駅停車

somuniaちゃんの最初のオリジナル曲である各駅停車はまだYoutube上にアップロードされていない。その理由として、厳密にはこの曲はsomuniaちゃんの曲ではないのではないか

各駅停車は、夢を追いかけていた自分と、日々の生活に追われる自分、誰もが感じる不安感を歌った曲となっている。歌詞的にもバーチャルとは関係がない。むしろ、その前段階のように感じる。リアルな少女がそこにはいるのだ。

また、実際にこの頃は、まだyoutubeに動画がアップされていなく完全にVTuberとは言い難い存在だった。彼女はこの曲で挫折を味わったのではなかろうか。VTuberでなければ聞いてもらえない、と。

時系列的には
各駅停車→0と1の世界の私→prologueと解釈している。

夢と現実に挟まれていた少女が何らかのきっかけでVTuberになり、夢を叶えるというストーリーが見えてくる。

ちなみに、soundcloudではsomuniaちゃんの曲がたくさんあるから是非!!

謎6 TwitterIDのshe_is_wiredとは何だろう?

VTuberのtwitterIDと言えば、名前をもじったものが多い(例えばシロちゃんは@SIROyoutuber)しかし、somuniaちゃんのtwitterIDが@she_is_wiredであることはご存じだろうか。
このwiredという表現が難しい。名詞では日本語のワイヤーと同じ意味で針金として使われるが、動詞は少し違う。調べてみると、俗用として使われているものにいい訳があった。

she is wiredは訳すと彼女は不可解なもの。奇妙なもの

経緯を考えるとsomuniaという名前は与えられたもので彼女自身の名前は別に存在する。だから、twitterIDという変えにくいものに関してはsomuniaを使用しなかった。

もしかしたら、ストーリーが進むにつれて彼女の本当の名前が分かるときがくるのかもしれない。

まとめ~夢というキーワード~

ここまで読んでくれた方はよく分かるだろうが、夢というキーワードはsomuniaちゃんの世界観には欠かせないものだ。
彼女はこれからどんな風に成長していくか分からない。ただ、僕は彼女が見せてくれる夢を観測していきたいと思う。

また、下記にストーリー背景をまとめてみた。是非考察の参考にしてほしい。

夢と現実に葛藤するようなどこにでもいる少女がいた。彼女は現実世界で押しつぶされ、自分の声を聴いてもらうために、VTuberになった。PCのファイルなどからsomuniaと名乗る。(意味は夢、幻想)
彼女は夢を通して外と繋がることができる。

僕たちは夢を見るようにsomuniaちゃんを見ることができる。そして、somuniaちゃんも夢を見るように僕たちと接する。

物質的には空虚のはずの世界に、新しい関係が生まれた。

それは一見空しいが、somuniaちゃんの理想とする世界である。

最近の動向

そして、ついに、somuniaちゃんが一万人を超えた

最近の増加ペースは目を見張るもので、まさにバズったと言っても過言ではないのだろうか。

                         (youturaより引用)

一か月の登録者数推移をグラフにしたものであるが、たった一か月で5000人以上の増加だ。すごい

日間でもこの順位

しかし、somuniaちゃんの実力はこんなものではないと僕は思う。むしろ、知られていなかった方がおかしいくらいだ。
声も曲も世界観も素晴らしいVTuber、somuniaちゃんは最高だぞ!!!!

また、近日、東京、大阪にてライブも決定している。もちろん、僕は行く予定だ。

(注)これらの考察は勝手な解釈です。決して公式ではありません。ご了承ください。

後編も近々アップロードする予定です。後編はsomuniaちゃんの音楽について紹介します。是非読んでください!!

各種リンク

Youtube

Twitter

somunia store

soound cloud



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