Bリーグの暴力問題について

前回書いたことも少し内容が被っている部分もありますが、前回触れずにおいたこともあえて書くことにしました。

まず大前提として共有したいのがBリーグの目的です。規約にページにあるのでこちらから引用します。

第1条〔Bリーグの目的〕公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(以下「Bリーグ」という)は、日本におけるバスケットボールの競技力の向上およびバスケットボールの普及を図ることにより、豊かなスポーツ文化の振興および国民の心身の健全な発展に寄与するとともに、国際社会における交流および親善に貢献することを目的とする。

第3条は長いので引用しませんが、こちらもこのあと言及することに関連しているのでしっかり見ていただければと思います。

これらのことは「Bリーグ関係者」に遵守義務があるということをよく覚えておいてください。

Bリーグ一連のパワハラ行為と制裁のニュース

アンダーカテゴリや学生でも体罰問題は起きているが今回はBリーグに限ってのお話にします。

まず過去の出来事から整理します。見たくないものではありますしすでに制裁を受けているのであまり掘り返すのも良くないですがあくまで経緯ということで見てください。

香川ファイブアローズ 衛藤ヘッドコーチへの制裁(2019.08.08)

島根スサノオマジック 鈴木ヘッドコーチへの制裁(2020.01.21)

そしてこれが直近のリリース。

愛媛オレンジバイキングス 庄司ヘッドコーチへの制裁(2021.04.02)

株式会社新潟プロバスケットボール(新潟アルビレックスBB) 小菅学 代表取締役社長兼GMへの制裁(2021.04.02)

JBA(日本バスケットボール協会)からの処分が無い理由としてチェアマンによると二重処分にあたるとのことで行わないとのことでした。

処分に関してですが、この「公式試合」がBリーグに限った公式試合なのかJBAすべての公式試合なのかは不明ですが、実名付きの報道などで社会的な制裁も受けているのでこれ以上の処分は個人的には求めないほうがいいかなとは思っています。

JBAへの不信感

インドネシアのジャカルタで行われた大会で起こした不祥事の際、JBAは不祥事を起こした選手とともにすぐさま会見を開き対応しました。この迅速な対応は評価できるものでしたが、度々起こるBリーグの暴力・パワハラについてはいずれもリリースは出していません。

最新のものとしてはこちらのリリース(2019.3.11)です。「JBAとして暴力暴言根絶に向けた取り組みは最優先課題のひとつ」とも書かれています。

おそらくこれが最後のリリース。2019年の年末。

いくら暴力の根絶を訴えてもいきなりゼロにするのは難しいでしょうしこの先永遠にゼロにしていくことも難しいかもしれませんが、こういった暴力は協会として容認しない・許さないという強いメッセージを事あるごとに出すこと自体に意味はあると思います。

バスケ界としてはバスケ畑以外の方たちが入ってくる前つまりBリーグ以前からずっと問題になっていたことですし、Bリーグが出来てからも毎年のように起こっているので今の仕組みで減らすことが出来ないのであれば改めて対策等含めた声明を出す時期にきているのではと思います。

プロ野球やJリーグであればもっと大きな問題になっていたと思います。メディアが大きく取り上げるか取り上げないかを基準にはしてほしくないところです。

今回の件に関して評価できるものがあるとしたら勇気をもって通報した方や通報制度がきちんと機能したことだと思います。調査には時間がかかると思うのでBリーグとしてもリリースまでに時間がかかったのだと思いますがこの取り組みは今後も続けてもらいたいところです。リーグやチーム全体で隠蔽してあとから報道機関などによって発覚するということだけは絶対に避けたいところです。

暴力の他に見過ごされていることがある

さて問題は「暴力」だけでしょうか。

Bリーグ関係者は、いかなるものであれ、人種、性、言語、宗教、政治また
はその他の事由を理由とする国家、個人または集団に対する差別を行ってはならない。

こちらは第3条(5)に記載されているものです。

東京オリパラ競技大会組織委員会の会長が女性蔑視発言によって退任する出来事があったのは記憶に新しいことだと思います。

会長が退任になった後、とあるチームのオーナーが元首相を応援するハッシュタグをつけてツイート。それに加えて当該チームに所属するヘッドコーチが「いいね」をつけています。

こういった蔑視や偏見が差別的な社会構造を生み出していることに気づいて欲しいです。それに対して逆に「応援」とはいかがなものかと思います。

他にも関連して違う選手が、この辞任騒動が起こっていた時にとある女性議員のツイートに対して明らかに馬鹿にするようなTwitterアカウントのツイートをRTしていました。現在はRT自体を取り消したようですし、もしかしたら誤操作かもしれない。どういった意図かは不明ですが本心であればとても残念です。

数字にしっかりと表れている差別の社会的構造

男女平等が進んでいないことは確かですし、ほかにも厚生労働省のページにいけば女性は非正規雇用の方が多く賃金格差があるこということは明確です。昔に比べれば価値観も変わり多少なりとも社会進出も進んでるでしょうし以前より差も少しずつ埋まってきているとはいえはっきりとした数字として表れています。今現在進行形で結果としてこういう差別的な社会構造になっているということです。

先日も女性の俳優が結婚したニュースが流れる時に「仕事は続ける」という内容が記事の文言に含まれていました。これが男性の俳優ならこういう文章は入っていたでしょうか。

テレビ番組でも男性が司会で女性が若いアシスタントという構図はよく見られます。こういった一種の刷り込みが日常として存在するのが現状です。

国の未来を決めるような要職についている、もしくは「いた」方々がこういった発言をすれば当然批判が集まり結果辞任することは社会として健全に回っている証拠だと思います。どういった形であれ責任をとることは重要で、今後こういった発言はなくなっていくでしょうし差別的な構造に変化をもたらすからです。

BLM運動やその他諸々

BLM運動と暴動を同じような扱いにして「アタオカ」(頭がおかしいの略)とツイートしている選手もいました。暴動があったことは事実ですが同じツイート内に並べてしまうことがおかしいですしBLM運動自体を否定するようなツイートととられてもおかしくない行動です。

Bリーグには外国人選手と契約できる枠がありますしコーチに外国人を据えるチームも多いです。当然その中にはアフリカ系アメリカ人もいます。黒人に対する不平等を是正するBLM運動に対してこういったツイートをするのは先にも記載した第三条(5)を遵守している姿勢には見えません。

他にもコロナの安全対策に関連することで、ファン・ブースターに対して訴訟をちらつかせるといったこともありました。事実関係を自らきちんと確かめる前に訴訟をちらつかせるような行動は果たして正しい行動だったのでしょうか。

検索を避けるためはっきりとは書きませんがとある国と先の大戦によって引き起こされた問題に対しても度々言及しているようですが、その国とはリーグ提携を結んでいるビジネスパートナーでありそのリーグを傘下にしている協会はFIBA傘下におけるバスケットボールファミリーの一員であり仲間です。

もし翻訳されて向こうの関係者に目にふれた時に提携はどうなってしまうでしょうか。最悪の場合、解消もありえるのではと思います。

新B1構想(プレミア構想?)にもアジア戦略を本格化していくと記載されていますが、その国を構想から排除するつもりなのでしょうか。本当に心配になります。

夢を与える側であり楽しい空間を提供するプロバスケットボールリーグの運営側が暴力や差別を黙認・容認するような形で成り立ってしまうようでは私自身は到底楽しません。

ここに言及したことは、はっきりとした差別とは言い難いような微妙な言動ではあります。しかし「小さな穴」であり「大きな穴」になってしまうのではと危惧しています。

良い方向に向かってくれることを願ってやまないですしBリーグを応援しているというスタンスは今のところ変わりはありません。

記事時点ですがBリーグも終盤戦です。中止等もあってなかなか大変ですが感染対策を万全にしてシーズンとプレーオフを何とか乗り切ってほしいという思いです。

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