Xリーグ観戦におけるカメラ使用機材と撮影設定編

前回はXリーグを初めて観戦したのを記事にしましたけど今回はカメラの設定編です。ぼくのフォロー、フォロワー傾向からこちらを待ってた方がいたかもしれないけどBリーグカメラ部のような百戦錬磨の皆さんにとって有用な情報になるとは思えないところもありますので自分への備忘録として書いておこうと思います。

こちらが前回の記事。

今回も写真掲載は一応無しの方向なので、ほぼテキストのみです。9月19日のあと鶴見緑地球技場で行われた23日にはJ-Starsの試合にもお邪魔しました。そちらも基本的に機材は変わらないものの少しだけ調整したのでそれについても述べたいと思います。

簡単な見出し
・使用機材紹介
・設定
・歩留まり

使用機材紹介

まずは持ち込んだ使用機材について。

マイクロフォーサーズ
カメラボディ:G9
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II

規格がマイクロフォーサーズマウントということでボディとレンズは別メーカーだけどちゃんと動作することは公式サイトより確認済み。

ボディはパナソニックのスチール機におけるフラッグシップモデルの位置づけであるG9。レンズは望遠ズームレンズとしてびっくりするぐらいコンパクトで且つコスパレンズと名高いオリンパスの75-300mmでフルサイズ換算で何と600mmが撮れます。それでいて重さ423gで3万円台。センサーサイズが小さいマイクロフォーサーズならではの設計だけどF値が最初から高いためISOが低く保てる屋外だからこそ活きるレンズでもあります。

G9はマイクロフォーサーズ機の中でもかなり重たい部類(586g)ですけどレンズと合わせても1kgぐらいほどにおさまる重さ。フルサイズでこの組み合わせにしようとすると重さ2倍、プロ級のレンズによっては3倍ぐらいは考えたほうがいいかもしれないですね。

ソニー
カメラボディ:α7R III
レンズ:FE 135mm F1.8 GM

初めての場所ということで保険のため一応ソニーのカメラを持って行きました。α7R IIIは発売して4年経過しますがいまでも十分戦える機種。このレンズを持った者は「自分は写真が上手くなった!」と勘違いさせられる神レンズと呼ばれる135mm GM。座席から必ず距離があることはわかりきっていたのと後列に座ることを考えていたので最初からAPS-Cモードで使う気満々でもっていきました。つまりフルサイズ換算だと202mmほどの単焦点レンズとして使用するという意味ですね。α7R IIIは高画素機種なのでAPS-Cモードで撮影しても約1,800万画素残るのはありがたいです。

設定と撮影ポジション

G9の説明は長くなりそうなのでソニーのほうからいきましょう。

α7R III + 135mm F1.8 GMの設定
19日はクリエイティブスタイルはスタンダード、23日はポートレートで撮影しました。それ以外は変わらずRAWではなくJPG、シャッタースピード(以下SS)は6400~8000、絞りはf3.2で撮影。ISOはISOオートで撮影。屋外ということでなかなか光が安定しません。曇るときもあれば日差しが強く出る時もありますのでズボラな人間な私はいちいち変えていられないです。特に大きく白飛びすることなく撮れましたが、23日はポートレードモードのせいなのか肌の色が微妙な写真も多い印象でした。

135mmレンズには両日フードをつけなかったのも原因かもしれませんし、23日はレンズを向ける方向が若干逆光気味に入ってくるというか光が安定して強かったのも影響したかもしれません。あとで絵を載せてるのでそちらを参考にしてください。

またこの時はLightroomと再契約するつもりはなかったためJPGで撮りましたが再契約したので今度はフードをちゃんとつけてアンダー気味にしてRAWで撮ってみようと思います。

G9 + M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIの設定
次に今回の主題であるG9(とオリのレンズの話)をします。今回はパナソニックインパルス(創部時の名前は松下電工なので事業が違いますけどこまけぇこたぁいいんだよ)をパナソニック製品であるG9をメインカメラとして使用し撮影するというストーリーでもありました。ただし何度も書いてるようにレンズはオリンパス(現在OMDというところにカメラ事業は譲渡されています)製の75-300mm f4.8-6.7 iiを使用。パナの純正レンズではありません。

マイクロフォーサーズ機は望遠側に有利ではあるんですがスポーツ撮影に関しては僕の見たことのあるスポーツのプロの現場でなかなか使っている方は見ない。というか見たことがない。
(もちろんバスケ取材現場で簡単な写真が必要なときに撮ってる方はいらっしゃった記憶ありますがメインは「ペン」で入ってる方々です)

今はソニーがミラーレスの一眼でシェアを増やしているけど一眼レフ機に関しては変わらずキヤノンやニコンの独壇場。今回の現場でもキヤノンとニコンの一眼レフがメインと思いきやFTZを使ってるカメラマンさんもいらっしゃった。つまりニコンのZ 6かZ 7だろうと思います。着実にミラーレスに移行してるんだなぁとしみじみ。

話が逸れたので本題に戻すとG9もオリンパスのレンズも製品サイトにはスポーツ撮影などに使えると書いてあるものの本当にこの組み合わせで撮れるのか、という不安はありました。ましてやパナソニックはコントラストAF。昔のコンデジによくあったジーコ、ジーコと音を立てながら前後にフォーカスをゆっくり合わせてフォーカスが合うようなイメージ。

ただG9のコントラストAFはそんなものではなく室内で家族や猫を撮る限りはフォーカスに迷いはなく合って欲しいところに素早く合う感じでした。この時の使用レンズはLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mmなので今回のレンズとは違いますが。何度か散歩のお供にも使いましたけど大きく外すようなことはなかったのでバスケより広くて大きな会場で試すには最高のテストとなると思って使用してみました。

G9の設定
SSは基本3200秒、絞りが変化するズームレンズですので最初は任せていましたけど可変するのが煩わしくなったので1~2段階絞ってf7.1~f8に途中から変更、ISOはISOオートで撮影しました。F値が最初から高いということと最大f8まで絞るということもあってソニーと比べるとSSは下げ気味。個人的にはマイクロフォーサーズはISO3200までが許容範囲というのも理由のひとつにありました。

-19日の設定
フォーカスモードは縦構えの時と横構えの時とで位置を記憶し変更できる「1点(人物認識)」にしてソニーと同じように横位置では中央より少し上のほうにエリアを設定、縦位置でも上のほうに設定しました。ちなみになぜこのような設定をしているかというと丁度顔が入るのでそこを中心にフォーカスが合ってほしいからです。

-23日の設定
しかし思ったような歩留まり(※後述)にならなかったため23日は設定を変更。「1点(人物認識)」モードが悪かったのかと思いフォーカスモードはデフォルトにして人物認識のみに変更。AFエリアも変更できますので最初は縦位置も横位置もエリアを少し上のほうに変更していたんですが「1点(人物認識)」と違って縦構え・横構え位置でのAFエリア位置を記憶できないしバッテリー節約のために電源オフにすると、このAFエリアの位置設定を忘れてしまう仕様のようです。

また縦構え時・横構え時にAFエリアを変更する度にジョイスティックをぐりぐり動かすのも面倒になったため最終的には全てカメラ任せ人物認識のみで撮りました。ちなみに「人物認識(動物認識OFF)」と「人物認識・動物認識」があります。動物認識OFFは覚えててくれるのにどうしてAFエリアと縦位置、横位置を記憶してくれないんでしょうか…。

撮影ポジション

画像1

画像2

19日はエキスポフラッシュフィールドのBブロック最後列。23日の鶴見緑地球技場は自由席ですが19日と似たようなところから撮影。こちらも最後列。

10秒で書いた上の絵を参考にして欲しい。いや、絵が下手過ぎて参考にならないですね。人数も違います。本当に適当ですいません。矢印の方向とか割と大げさな表現してます。19日と23日ではチアさんのパフォーマンスされてる中央の位置と僕が撮ってる位置が微妙にずれてるのと太陽の光の方向も微妙に違います。いずれも試合開始は正午から。

エキスポフラッシュフィールドだとチアリーダーをしっかり撮りたい方はBブロック席あたりがおすすめだそうです。ただし前列のチアさんは柵が被るのでほぼ撮れないのとインパルスチアのハーフタイムパフォーマンスはフィールドの中央で行われるため撮りにくくなります。

最後列からの話になりますけどエキスポフラッシュフィールドはフルサイズ換算200mmだと一番撮りやすい場所にいる人の全身が上手くおさまるぐらいの距離感になります。

同様に鶴見緑地球技場の場合だとフルサイズ換算で300mm(マイクロフォーサーズだと150mm)ぐらいが全身が上手くおさまるぐらいの距離感になります。
※こちらの会場の場合、最前列だとまた違った距離感になると思うので70-200mmのズームレンズがいいかもしれませんね。

僕がたまたま座った場所からのフルサイズ換算なので参考程度にしてもらえたらと思います。

以下G9の感想を箇条書き。
・被写体ブレは起こらないSSだけどまれにソフトフィルターがかかったようなブレてるような写真がある。絞ってるからピント合う面が大きいけど解像感が下がってるように見えるのは多分フォーカスが微妙にずれてるせいっぽい。もしくは電子シャッターの歪みなどの影響があったのかもしれない。

・天候の切り替わりがあるとはいえ露出が安定しないことがある。暗いほうに一気にメーターが触れる感じだけど支障が出るほどのものでもない。

・AFエリア(1点・自分認識)にしているけど明らかなエリア外にAFが合うこともある。特にカメラマンさんが来ているビブスとかヤードを数値で表示している物体(なんて呼ぶのかわからないです、ごめんなさい)とか。これはデフォルトのフォーカスモードでも同様のことが起きました。

・レンズに関してズームの回転が渋いのと慣れもなかったため回転させる方法に迷うことも多かった。ズームしながらフォーカスを合わせることができないようでズームだけど撮る際はズームせずに距離を固定して撮る単焦点的な使い方が望ましい。

・やっぱり縦位置グリップが欲しい。水平のとりやすさとズームのしやすさが全然違う。

・高速電子シャッター使用時はバッファが連続撮影50枚で20コマ/秒撮れる。しかしカメラを左右にふった時に酷い歪みが出る発生率が高くなる。多少遅くなるけど通常の高速約9コマ/秒でも十分。ちなみにこちらの連続撮影可能枚数は公証600枚以上。ちなみにUHS-IIより低速のUHS-IのSDカードでも撮影できるはず。少し試しただけだけどバッファメモリに余裕がなくなって撮れない感じではなかった。

・7~8枚単位で大きく連続してAF外していたものが5~6度ほどあった。23日は若干減った→5~6枚連続外しが3~4度。ソニーのほうは19日は連続してフォーカス外したのは一度だけ。23日は距離が遠くなった分意図したところとは違う場所にピントが合いやすいため外す回数も増えたが大外しは無かった。

・一応スタンダードではなくてポートレートモードで撮影。ソニーと比べると肌の色の出方はこっちのほうが好み。

・バッテリーについては1日の撮影でソニーはだいたい85%ほど消費。パナソニックはパーセント表示ができいため不明だけど2個で十分な感じ。αは心配なかったけどG9も思った以上にバッテリー持つなという印象。もっとヘビーにずっと撮り続けたい方は予備のバッテリーは必要かも。試合も観ながらたまに選手撮ったりチアさん撮るぐらいなら大丈夫そう。

では最後に歩留まりをスタッツで紹介。

歩留まり

9月19日
ソニー
総数2429枚
成功2376枚
97.8%
良いと思って現像した写真45枚(1.85%)

パナソニック
総数5400枚
成功4245枚
78.6%
良いと思って現像した写真57枚(1.05%)

9月23日
ソニー
総数3754枚
成功3656枚
97.4%
良いと思って現像した写真50枚(1.33%)

パナソニック
総数4609枚
成功4218枚
91.5%
良いと思って現像した写真51枚(1.11%)

23日のパナソニックに関しては若干甘めの判定もしているところもある気がいますけどそれでも8割代中盤ほどではないかと思います。設定の違いもありますけど使い方に慣れたというのも大きいかもしれません。

ガチピンでシャープに解像しているものがソニーに軍配が上がっていることは間違いない事実です。しかしこればかりはレンズ性能の差も大きいので単純に比較するのは難しいと思いますしSNSでアップする程度であれば大きく違いを感じることもないかもしれません。カメラ詳しい人が見ればわかるとは思いますけどね。

最後に

Twitter等で私をフォローしてくださってる方は基本的にBリーグ好き・Bリーグ関係の方々なのでXリーグを観に行きたい・撮りに行きたいって思ってくださった人がどれぐらいいるかわかりませんけど、Xリーグなら軽量のマイクロフォーサーズ、F値の暗いコスパ超望遠レンズでもある程度は撮れることが証明されたと思います。

フラッグシップ機のG9ボディの中古価格は8万円前後、同様のOM-D E-M1 Mark III ボディは中古で12万円前後。保護フィルム、レンズのプロテクタやフードといったアクセサリーのことも考慮すると12~16万円前後で超望遠撮影(600mm相当)ができることを考えれば安いですね(感覚麻痺)。

最後に当たり前ですが観戦・写真撮影する場合はXリーグ公式サイトに掲載されているルールを遵守しましょう。

絵同様に文章も下手なのでわからないことがあればTwitterで質問してもらって全然OKです!

パナソニックのLEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0とかソニーレンズのE 70-350mm F4.5-6.3 G OSS SEL70350Gが欲しくなったのは秘密です。

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