見出し画像

「女性らしい目線で」「若者らしい感性で」って、いったい何?/”笑われながら起業してみた”女性×学生×社会起業のリアル①

今年から、関西ベンチャー学会というところで、女性起業家研究部会主査という役割をしているのですが、だからこそ思うのです。「女性起業家って、何やねん」と。


▶対義語が存在しない言葉に、差別的構造が現れる

芸人」「婦人警官」「OL」「キャリアウーマン」「女子プロレス」「女子アナ」「女流雀士」「医」「JK」……わ、こうして並べてみると、「女性」の表し方にもまた意味合いを持たされてることがわかるね。

ともかく、「女優」と言わなくなって「俳優」というようになったとか、「保母」と言わず「保育士」というようになったとか、世の中では少しずつ「変な”女性専用”カテゴリ」は消えつつある。


なのに「女性起業家」は、現在まだまだブーム。で、本人たちはどう思っているのか……と、今年8月に起業した「女子大生」(ハッ!! 『女子』大生!)の原田瑞穂さんをゲストにお招きして、トークイベントをすることにしました。

……ええ、「女性起業家研究部会」にて、女性起業家でもある私がホストで、ね。これは、自分たちへの問いでもあるのかも。



▶「SDGs」という言葉がなくなる日を目指して

原田さんは、関西学院大学人間福祉学部3回生で、株式会社Plalaを立ち上げた方。スウェーデン視察から帰る飛行機の中で、どうやったらSDGsを日常的に取り入れられるかと考えて、仲間たちと「今日からできるSDGs」スケジュール帳を考案。ここから始めて、「SDGsという言葉がなくても当たり前」の社会を目指して、企業向けSDGs研修など、様々な事業展開を考えている。

よくある話……っぽいよね。なんせ関学だし(※関東における慶応とか青学みたいなイメージ?)。綺麗事だけで生きてきた若者が、いいかんじに考えたビジネスちゃん? と思ったりもしてたんです(←おばちゃんのひねくれ根性)。でも話を聞いたら、原点にあるのは、高校生の時の体験。


▶「西成」という原点

原田さんは大阪の西成区で生まれ、小学校・中学校と過ごした。「え、西成って、危ないとこちゃうん?」と、もし思われたとしたら(私もそうなのだけど)、その眼差しこそが、彼女を苦しめた原因。

高校で初めて区外に出て、「西成区」に向けられる眼差しを知る。関東でいうと山谷や寿町のような地区もある行政区で、ほとんどは住宅地、一部高級住宅地もある。ドヤ街を否定するつもりはないが、「そればかり」でもない。なのに、「西成区から来た」というだけで直接向けられる、差別的な眼差し。

初めて「自分が社会から排除されている」という感覚に陥った。「西成の人に、お金貸したらかえってこーへんって」と言われたこともある。高校時代、いつも人の目を気にして、ビクビクしながら過ごした。「怖かった」という。


画像1


その後、高校時代に留学したカナダで、文化や宗教が違う様々な人々がお互いを尊重しながら過ごしている事実を目の当たりにして、希望を抱くようになる。それで「ビリギャル」さながら猛勉強し、関西学院大学人間福祉学部社会起業学科に進学した。

在学中、視察したスウェーデンの帰路に事業を着想し、SDGsを軸とする起業を行った。「誰ひとり取り残さない」というSDGsのキャッチコピーは、西成区出身である自分自身に刺さる言葉でもある。


▶「協力したい」…でも、お金は出さない!? え、夜の付き合いって必要ですか?

起業していま4か月、様々な企業に企画提案に行った。だいたい「SDGs、取り組まないといけないと思っている」と言われるし、学生起業であることで「協力したい」とも言われる。でも「お金を出す」というところになると、途端に動きが止まる。これって、どういうことなのだろう?

「学生起業、女性起業」ということで話を聞いてもらえる一方、言外に、「学生だから、女性だから」という眼差しを感じることもある。それって、どういうことなのだろう?

起業しての5か月間のリアルを、「おじさまに夜のお誘いも受けてしまうのだけどどうしたらいいんでしょうか……」という(実際にあった)悩みなども含めて、赤裸々にお話を伺います!


▶イベント詳細

【日時】2021年12月18日(土)13:00-15:00
【開催方法】オンライン(Zoom)
【参加費】無料
【参加方法】12月17日(金)までに、下記応募フォームからお申し込みください。イベント2日前をめどに、Zoom URLをお送りいたします。
https://forms.gle/Uw4e3E5LmSg7S6qy8https://forms.gle/Uw4e3E5LmSg7S6qy8

女性起業家部会1


【パネラープロフィール】

〇原田瑞穂(株式会社Plala代表/関西学院大学人間福祉学部社会起業学科3回生
2000年大阪市西成区生まれ。高校時代に地元を離れ、「西成」に向けられる偏見を知る。進学した関西学院大学社会起業学科でSDGs達成国上位・スウェーデンへ視察ツアーに訪れた際、帰国する機内で「今日からできるSDGs」スケジュール帳を着想。学生仲間と準備を重ね、2021年8月、株式会社Plalaを設立。クラウドファンディングを成功させ第1弾ダイアリーを制作した他、学生や企業に対するSDGs啓発事業を行っている。

〇野長瀬裕ニ(摂南大学経済学部経済学教授)
1961年東京都生まれ。東京大学農学部卒業後、製造業で勤務しつつ、早稲田大学大学院にて博士(学術)号取得。現場主義を重視し、多数の企業を訪問・分析し、地域経済や産業を読み解くスタイルから、「企業探検家」とも呼ばれる。産業クラスター第一号認定組織の(一社)首都圏産業活性化協会会長。

〇湯川カナ(なりわいカンパニー株式会社代表/関西ベンチャー学会女性起業部会主査)
早稲田大学法学部在学中に学生起業に参加、Yahoo! JAPAN創設メンバーに。その後、ストックオプション権を返上してスペインへ移住、10年間フリーライターとして活動。帰国後は神戸を拠点に、女性と若者の社会参加支援を推進。産学官民連携の学びの場「一般社団法人リベルタ学舎」、複業プラットフォーム「なりわいカンパニー株式会社」を設立。2018年4月より兵庫県広報官(現アドバイザー)。


【関西ベンチャー学会女性起業家部会とは】
関西ベンチャー学会は、ベンチャー育成を通して関西経済の活性化を図ることを目的に設立された団体です。研究者だけでなく、ベンチャーに関心をもつ個人にも開かれた学会であることを大切にしています。

女性起業家研究部会は、女性創業者による起業が増えることによって、日本社会における女性の活躍の場が広がり、起業家以外の女性にとってもチャレンジの機会が増えることを目指して、女性起業家の支援・交流・研究を中心とした活動を行っております。

会員資格はございません。様々な分野の専門家や実践者と共に活動をしてみたい方、交流してみたい方、お待ちしております(学生会員制度あり)。


※ご質問・お問い合わせ:関西ベンチャー学会女性起業家研究部会事務局<w.kansai.venture@gmail.com>




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?