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自分で選んだ困難を生きる。 「楽」したいんじゃない、「楽しみたい」のさ。/なりわいカンパニー㈱創立1周年

2021年5月18日、なりわいカンパニー株式会社は、創立1周年を迎えました。去年の5月18日は、初めての緊急事態宣言下。コロナで「雇用」が大きく変わっていく。だから、組織を出ることになったとき、いきなり個人事業として100%自分で自分の仕事をつくるのではなく、チームで仕事をつくりながらスキルアップもはかれる「複業プラットフォーム」の受け皿を整備しないと……と、株式会社を立ち上げたのでした。

まさか1年後も、緊急事態宣言下とは思わなかったなー。

この4月から始めた大学院の講義で、2020年3月のユヴァル・ノア・ハラリ「新型コロナウイルス後の世界―この嵐もやがて去る。だが、今行なう選択が、長年に及ぶ変化を私たちの生活にもたらしうる」(「石鹸警察」とかの話)を再読した。日本語訳が出たのは同年4月だから、1年と1カ月前。あの頃私たちは、数か月経てばアフターコロナ、と思っていたよね。


【起業はいつでも初舞台。】

こうして、思いがけない騒ぎをしながら地球が太陽のまわりを1周するあいだ、私も、ちょっと記憶が飛び飛びくらいに生き抜いた。私は起業は2回目なのだけど、ま、起業1年目なんて、そんなもんかも(※個人差があります)。恋も二度目ならすこしは上手にできるといいのに……というのと同じで、起業はいつでも初舞台。

必死で開業資金を調達し、新規事業のシステム開発をし、仲間を募り、ビジネスモデルを検証し。そのあいだ、ネット銀行で口座開設を断られたり、企画書ができたけど会社案内や名刺がまだだったり、取引先で自社の事業をうまく説明できなかったり、運営資金調達のアレコレで講演先の香川から朝イチとんぼ帰りしたり(バスターミナル前でうどんの大をかきこんだ)。一喜一憂というか百喜百憂初年度あるある満載でした。逆境に燃えるタイプでよかった。


とにもかくにも1年が過ぎた。ありがたいことに今月は、開業時に比べて資金も仲間も売り上げも約3倍の見込み。でも事業として安定するのはまだまだ先かなー。規模が拡大して内部留保を吐き出す3年目の終わりに思いがけない苦しみがあり、それを乗り越えた4年目から、3年間の仕込みが効いて気がついたら少し安定している……くらいのイメージで動いてます。意地の上にも3年、ってね。


【頼まれてないから、やる。】

このあいだテレビでたまたま見た、ヨットで無茶苦茶な世界一周ばっかりする冒険家の白石康次郎さんが、「なぜそんな過酷なこと続けるんですか?」と聞かれて「誰からも頼まれてないから」と答えていた。「頼まれたことなら、とっくにやめてます」って。なんていい言葉なんだろう、と思った。

このあいだ、コシノヒロコ展に行った。「誰からも頼まれていないから、やった」であろう服たちに、現在過去未来・東洋西洋、全方位的に囲まれた。
DCブランドブーム時代に高校の修学旅行先のシンガポールで「MACHIKO DONDON」のTシャツを見たせいでなんとなくコシノ姉妹に距離を取っていたのだけど(←ミチコさんにはとばっちり以外の何でもない)、ここまで「在り方」を貫いたファッションって、こんなにひとを勇気づけるのだな、と、すごくすごく感動した。

コシノヒロコさんは、ファッションに食わせてもらってるとかじゃなくて、ファッションを従えていた。コシノヒロコがファッションを通じて実現したものの美しさと力強さと解放性に、この一年間、意識朦朧と髪振り乱して生きてきた私は、ぴよーん!となった。それは、白石さんのヨットから受けるものと、どこか同じだった。


【自分で選んだ困難を生きる。】

4年目に突入する2023年5月、どんな時代になっているんだろう。この1年で私(たち)が痛感したのは、「明日も、来年も、わからない」ということ。だからあらためて、時代に振り回されるのではなく、「どんな時代になっても、私がやりたいこと」を進めていこう。

なんせ新規事業なので初期投資(=マイ借金)もまあまあ膨らむし、「これで食っていけるのか」とか、もちろん考えてしまうのです。でも最後は「やりたいから、やる。」だけだし、それを強く言い切れないような事業はやめてしまえばいいのだな。……って、これって協働メンバーにいつも言っていること。自分自身にも、ちゃんと向かいあおう。

まずは今日1日、自分で選んだ困難を生きる。

「楽」したいんじゃない、「楽しみたい」のさー。この落ち着かない47歳の人生まるごと!


【5つの声。】

最後に、協働メンバーから、(先日の神戸市での成果発表会向けに)いただいたメッセージ。これが、私たちの1年でした。

▶ 地元の神戸で産官学民の多様な方と一緒に『今よりもっと幸せな社会と自分自身の状態』について考え、その実現のために実際に行動できることが魅力。 そしてここは、『ちょっと不器用だけど、嘘がなくて、面白い人間』ばかりで、そんな人たちと働けることが心地が良いです。

▶働きたい。子どもとの時間も大切にしたい。両方の気持ちを最大限叶えたい思いがありました。その時々の状況に応じて使えるサービス(ファミリーサポート、認可外施設での一時預かり、認可こども園での一時保育など)を増やしながら仕事を続けていくことで、フルタイムで預けて働く道筋もつけることができました。自分なりの働き方をつねに相談しながらつくっていける場だと思います。

▶神戸に長く住んでいても、県外の企業で勤めていた私にとって「会社員として」でなく「自分の名前で」地域で何かやってみる、というのは、想像以上にハードルが高くて。なりわいカンパニーで、重なり合うビジョンに向けて地域で動いている方・動こうとしている方たちとの仕事を通じたつながりができたこと、そして安心してトライできる機会と場を提供してもらったことに、間違いなく背中を押してもらったと思っています。

▶正社員を辞め、大学院で学ぶためにたまたま神戸へ。卒業後は地元に帰り再就職の予定。学生インターンとしてなりわいメンバーや在神企業の方々とプロジェクトを通して交流を持つうちに、キャリアを見つめなおしたり、神戸との縁が深まったり。結果、自分の理想とする柔軟な働き方を実現するため、フリーランスとして開業&なりわいカンパニーで複業にチャレンジしてみます!

▶20年以上会社員として働いていましたが、会社勤めで不登校の子供のケアをすることが難しく退職。子供をケアしながら自分がやりたい仕事をやる。フリーランスだけれどメンバーと助け合いながら、そんな働き方が実現でき、自分が本当にやりたいことを考えることもできました。ワークとライフのバランスを自分でとることができる事がありがたいです。


やりたいことある人、
なにか始めたい人、
いつでも連絡どぞ!


なりわいカンパニー株式会社 info@nariwai-kobe.com





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