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ストリートディベートをやってみた

こんにちは。
暑いっすね、マジで。最近体調は悪いし、心臓も高鳴ってるし、お金もないです。どうしたものかと思います。

そんなある日焼肉に行き、友人の蒼さんから「ストリートディベートをやろう」という提案を受け、二つ返事でよしやろうとこたえ、焼肉の翌日の7月29日(暑い)に実践してきました。

・そもそも、ストリートディベートとは何か。

簡単に説明すると、街中でとある議題を提示し、それに対して賛成か反対かの票をお金で集めるというもので、欧米諸国の間で「新しい物乞いの形」として生まれたものだ。ディベーター(物乞い)は議論の場を設け、硬貨で世論を可視化する。そこでは対話が生まれ、その対話によって物乞いは尊厳が保たれ、そして収入を得ることができる。とされている。

慶応のSFC出身の先輩でもあり、ストリートディベートを作った木原さんの書かれた記事を読むとより理解していただけるかと思います。

僕は物乞いではないが、お金はない。単発バイトなどいった辛さの代名詞のような労働はしたくないのでいっちょストリートディベートやってみるか!といったような、軽い気持ちでチャレンジすることになった。

・実践

まず向かったのは池袋西口公園。ここで下準備をする。
用意したものはこちら。

・テントの骨組み
・はさみ
・テープ
・ダンボール
・新聞紙
・マジックペン
・麻紐
・コップ
(コップだけ100円ショップで購入しました。)

まず、テントの骨組みと麻紐とコップを使って天秤を作る。この天秤の両端のコップのどちらかにお金を入れてもらって、投票してもらう。コップの中には投票を促す目的で、初めからある程度の小銭を(きちんとつりあうようにして)入れておいた。

そして次は議題を示すための立て看板を作る。テントの骨組みとダンボールと新聞紙を使った。テントの骨組みってすごく便利ですね、持っててよかった。

議題は「東京五輪やるべき(賛成)かやめるべき(反対)か」というタイムリーで比較的馴染み深いものに設定した。

そしていざ設置。

待つ、話しかける、待つ、待つ、話しかける、待つ。
そして3時間が経過。


1円もはいりませんでした。


こんな悲しいことあります?炎天下の中頑張って準備して、誰も投票してくれないって。話しかけてくれる人はいましたが、みんな財布を出すまでは至りませんでした。

・渋谷への移動

このまま池袋にいても何も得られないまま終わってしまう。
そこで蒼さんと相談して、場所を渋谷に変えることにしました。
なぜ渋谷かというと、池袋駅付近にいる人はみんな何かしらの目的を持っており、足を止めてくれない(溜まり場的要素が薄い)。
一方渋谷のハチ公付近には待ち合わせの人を始め、何をするでもなくただそこにいる人がいるはずだという考えから渋谷を選びました。

そして渋谷へと移動し、着いたのは19時、あたりはもう暗い。
東急前の緑の電車の車両(青ガエル)の角に看板を立てる。そして議題も変えた。電車の中で話して、渋谷という街にあったものにしようということで「大麻合法化に賛成か反対か」というものに変更しました。

いざ看板を立てて声をかける。

「大麻合法化、賛成か反対かをお伺いしています」
「よかったら投票していってください」
「社会実験です」

すると、池袋の惨劇が嘘だったかのように渋谷では多くの人が興味を示してくれた。看板を見て立ち止まってくれるひとや、天秤に興味を持つひと、中には声をかけてくれるひともいた。

しかし、やはり実際に投票してくれる人は少なかった。渋谷で2時間弱行って、10人強くらいの人が参加してくれた。

21時にディベートは終わった。終わったというか終わらせた。僕らはかれこれ3時間ほど立ちっぱなしで声を張り上げていたのだ。いつのまにか体はクタクタになっていた。

渋谷でのストリートディベートの結果は、画像の天秤の傾きからもわかるように賛成多数だった。予想通りだ。

賛成の理由としては

・たばこを吸っていて、その延長として興味がある
・実際に自分が吸っている(吸った経験がある)

というものが多かった。

逆に少数の反対派の意見としては、なんとなく危なそうといったふわっとして意見が多かったです。

金額的な結果は、賛成370円:反対290円といったものだった。得られた金額は660円。そのうち僕が初めから入れていたお金も少しあるので、だいたい600円くらいだろうか。600円。15時から21時まで活動して、二人で600円。つまり時給50円。これはアツイ。

まあそう簡単にうまくいくとは期待していなかったが、ここまで興味をもたれないとは思わなかった。特に池袋。池袋には本当にがっかり。

それにしてもどうして渋谷に移動するだけでここまで反応が変わったのか。その理由としては次のようなものがあげられるだろう。

・年齢層が低く好奇心が強い
・フットワークが軽い人が多い
・「渋谷」×「大麻」という効果的な組み合わせ

いわゆる「渋谷」の特徴が功を奏したといえよう。

・終えて


正直、ストリートディベートを終えて、お金をあまり得られなかったことを僕らはそれほど残念に思わなかった。僕らはこの活動を単なる「金稼ぎの手段」とは思わなくなっていた。いつの間にか純粋に、人々と会話し、意見を交換することを楽しんでいたのだ。

ストリートディベートは、見知らぬ誰かと交流する機会を与えてくれる。現代においてそういった機会は非常に少なくなっているように私には感じられます。かつてはインターネットがその役割を担っていたけれど、今ではSNSでも知り合いとしかつながりを持たない人も増えています(「FF外から失礼します」の時代)。

また、ストリートディベートの特徴として、見知らぬ誰かに面と向かって話すということが挙げられます。ここには、インターネット上では見られないような絶妙な匿名性があると僕は感じた。

説明するまでもありませんが、インターネット上では匿名性が非常に高い。そのため、人はつい感情的になり強い言葉で相手を傷つけてしまうことが多々ある。匿名性という鎧をまとって、誤った正義感に気づくことなくバッサバッサと罪なき人を切り捨てて行く。

その点ストリートディベートでは、見知らぬ相手であっても、その相手が目の前に存在する。これがコミュニケーションにおいて重要なポイントなのです。互いに匿名性という鎧を、脱ぎ捨てるとまではいかないけれど少なくとも甲冑は外し、互いを尊重して会話をすることができる。僕はそう考えています。

今、我々に必要なのはこういったコミュニケーションの形なんじゃないだろうかって最近よく思うんですよ。知らない人とはなして〜、けどネット上だとむなし〜、けど相席屋とかそういうのじゃない〜、って思ってるんですよ。僕は。
あなたはどうですか?そういう気持ちになったりしませんか?なんか寂しくて、電車で隣に座った人につい声をかけそうになったりしませんか?そんなあなたにストレートディベート、いいと思います。

また機会があればやろうと思ってるので、よかったら遊びにきてくださいね。

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