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あしらの俳句甲子園2024 その7 チームくじら雲を褒める!!

 若水って知ってました?
 知りませんでしたー!
 井戸って北海道にあまりありません。
 手押しポンプは記憶がありますが、冬はグルグル動かせないようにテープを巻かれてました。
 なんじゃ、そりゃ?のお題、二回戦の「若水」。

 チームくじら雲 vs  雪うさぎ

 実質、これが決勝戦だったと思います。
 しっかり「若水」の本質を分かって俳句を詠まれてらっしゃいます。

 先鋒戦、

 初水の豊麗線をつたひけり(くじら雲)

 若水の一歯研ぐかに磨きたる(雪うさぎ)

 ほうれいせんの漢字を初めて知りました。
 初老の証しとも言えます。
 豊麗線が気になるお年頃の酔鳴さんの質問。

会場で一人ノースリーブの酔鳴さん。みんな引いてましたよ


 「豊麗線はほうれいせんのことでしょうか?」
 「豊麗線はほうれいせんのことです」
 (会場どよめきと笑い)
 「豊麗線を漢字で、つたひけりをひらがなで書いた意図を知りたいです」
 「綺麗な漢字で字のめでたさが新年に合うと思いました。つたひけりをひらがなにしたのは柔らく新年の明るさを出したものです」
 攻守入れ代わり、ディフェンスの雪うさぎ!
 「とても綺麗な句です。清い水で一歯研ぐかに大事に歯を磨いている。これから新しい年を過ごすのだとする参賀の描写です。若水や、ではなくのとした理由を教えて下さい」
 「ここを「や」で切るほどの内容では無い。雪華衆は「の」で切りたがる。「や」だとそこで確実に切れてしまうのでそうではなく異なる読み方も出来るのだという工夫です」

 白2本で雪うさぎが取る!

 中堅戦、

 彗星のうるみ若水の虹彩(雪うさぎ)

 墓へ若水たっぷりとひかりけり(くじら雲)


 「若水の虹彩とは目の潤んでいるのを若水の虹彩と言っているのでしょうか?」
 「うるみで一度切れているので二物衝突の句です」
 「若水は新年に井戸から汲んでいる水の事ですが、これは目のうるみの事でしょうか?」
 「目を若水にしている訳ではなく、ぽちゃんと水が落ちた感じを虹彩と詠みました」
 攻守入れ代わり!はい、挙手をするFよしと氏。
 「最初に取ったお水をお墓に行ってたっぷりとかけている。日の光にお墓が輝いている。格調の高い良い句だと思います」(凄い褒めている)
 「たっぷりはどういう効果があるのでしょうか」
 「新年の貴重な水をたっぷりとかける事により故人対する思い、心情を表していると思います」
 良い俳句で本州の伝統・文化を大切にする気持ちが溢れていますよね!

 赤三本でチームくじら雲!

 五十嵐先生が「若水の虹彩は離れすぎ。もっとカッコ良くして良い。たっぷりと光をかけるのが良い響きだなと思います」とのお言葉を頂きました。

 大将戦、

 若水なり木桶を溢れたる水も(くじら雲)

 若水や少し濃くなる手のひらに(雪うさぎ)

 「この木桶はどこの木桶でしょうか?」
 「井戸から汲んだ水が汲んで木桶から溢れたところです」
 「木桶を溢れたる水も若水なんだなーと感慨のある句です」(ただ褒めているよしと)
 「そうです、木桶から溢れて行った水も若水であるという気付きの描写です」
 「北海道で若水は外では凍っちゃって出てこない。内地は流石良いですね!」(褒めて羨ましがる)
 「北海道でしか体験出来ないことも沢山あります。こちらからも羨ましいです!」 (山本先生、本当にありがとうございます)
 観衆からはディベートが成立していない事で笑いが湧き上がります。
 Fよしと氏、褒めてしかいません!さあ、攻められる番ですよ!
 「綺麗な句だと思います。手のひらに若水を少し濃くなると言う事はエネルギーを感じたんだと思います。そう解釈しました」
 「お正月の手のひらはたくさん使われると思います。ご先祖さまや神様に手を合わせる(進行:30秒です)(酔鳴さん必死に時間いっぱいである事を伝えている)(30秒です)」Fよしと氏の暴走を必死に止めて終了します。
 「少しとしたのはどうしてですか?」
 「多くなると詩的ではないからです」酔鳴さんのアシストが入りますが、

 ジャッジ、赤三本!

  夏井先生の講評です。
 「若水が木桶から溢れている水も若水の寿ぐ気持ち。季語に寄り添っていると思います。それがとても良かった。Fよしとさんが褒めちぎっているので安心して赤に旗をあげることが出来ました」
 Fよしと氏の敗退の弁です。
 「良い落ち着いた俳句で悪く言う所が無かった。だからって私の句が悪いとは思えない」
 会場を大爆笑させて雪うさぎは戦いを終える事が出来ました。

お墓句には完敗だったのよ。北海道は冬は雪で墓参りは出来ません。

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