札幌演劇シーズン2024 冬
さて、演劇シーズンを見終わってしまいました。
雪が降る中の劇場へ通うのは味わい深く、芝居小屋に入って暖かさにほっこりして眠気と戦いながら見るのも演劇シーズンとしては今回が最後になります。
夏にロングランとして公演されるので、冬は一応ラストでございます。
「ピース・ピース」
母親と娘の三部作。
一人が朗読し、二人が演じる三人だけのお芝居です。
三篇の奇妙な親子を見る訳なのですが、何処となく他人事ではなく、自分の経験した赤裸々に話したくはない過去を開け放つようではらはらしながら見ました。
舞台のセットは三脚の椅子。
ある時は扉となり、ある時はベッドになり、レストランで彼氏を合わせる椅子になる。
見ているのは変わらない同じ椅子なのに、母子もたった二人の関係なのに、果てしなく二人の距離が離れて行きます。
でもね、母さんは娘の事が大好きでした。
「Same Time,Next Year」
バーナー・スレイドの脚本。奥様は魔女の方。おやコメディかと笑う練習も前説でさせられて全く笑えませんでした。年に一度合うセックスフレンドも何十年と逢瀬を重ねれば本当の友情や愛情を抱いてしまう。互いの家族の話をしながら励まし合い、また来年と別れて互いに土産話を作る為に家族の元へ帰っていく。友情ってセックスありでも語る事ができるんでしょうかね。
アメリカンカルチャーに打ちのめされながらも、中年を迎えた不倫カップルは会い続ける選択をするのです。
「大きな子どもと小さな大人」
人形に子供を演じさせてしまう事により成長も感情の起伏も変幻自在に操り舞台の醍醐味ここにありと感じた作品。台詞だけ読んでいたらいいだけならばラジオの朗読番組でいい訳で視覚もダンスや飛び道具でしっかり訴える物がありました。
障害者は何を考えているのかわからない。必死に考えようとする両親。コントロール出来ない子供。福祉の現場からしっかり訴える手法として素晴らしいなぁ。
特に救われる作品ではないけど、重い話を軽やかに描いて見せてくれました。
小黒さんって役者さん、見た事あるような気がするけど知らないなーと検索していたらお父さんがモノノケユースケさんだった。初めて会った時は光ヨーヨーが大好きなちびっ子だったのにー!と知って思わず興奮しました。落ち着いた演劇部員です事!これからが楽しみです。
お父さんもこれからのゲスト回に出演しますよ。お父さんこそ福祉の仕事をされています。
これからも演劇シーズンを楽しみにしております。
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