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伊藤彰監督が描く「二つのレーン」

(トップ画像:PexelsによるPixabayから)

7月16日時点でJ1リーグ最下位に沈むジュビロ磐田。

直近3連敗でゴール無し。しかも残留争いのライバルチーム福岡、神戸とのホーム直接対決2連戦で敗れるという非常に痛い結果となりました。
加えてケガ、コンディション不良、新型コロナウイルス感染の影響、など戦力的にも厳しい状況が続いています。

さて、7月16日のYahooニュースで、スポーツジャーナリスト河治良幸さんによる記事に、伊藤彰監督のインタビューが掲載されこれが非常に印象に残りました。伊藤監督が描く「二つのレーン」です。

「一つ目のレーン」

1つは今を生きて、しっかりと勝ちを取るために、現在戦える選手たちをチョイスしながら、選択しながら次のゲームに進む。それはバランスでしたり、モチベーションでしたり、チームとの関係性でしたり、いろんなもの含めて選手を選考しています

2022年7月16日 Yahoo!ニュースより

「二つ目のレーン」

若手を育成しながら、このチームが1年で終わるんじゃなくて、2年、3年と続いて行くために、若い選手たちがどれだけゲームに関わっていけるかどうか。目の色変えてガムシャラにできるかどうか。

2022年7月16日 Yahoo!ニュースより

つまり「二つのレーン」とは、『勝利すなわちJ1残留という結果を残し、且つ、次世代の若手を試合出場させながら育成を図る』と解釈しました。


昨年、2021年は、ジュビロはJ2優勝という最高の結果でJ1昇格を勝ち取りました。私もジュビロサポーターの端くれとして、涙が出るほど嬉しかったのは言うまでもありません。

しかし、J2で勝利を重ねていく中で不安に思っていた要素がありました。
それは、次世代を担う若手が台頭していないことでした。
まさに伊藤監督の「二つ目のレーン」なのです。

2020~2021年のジュビロ若手選手のJ2リーグ出場実績を調べました。
ここでの若手の定義は、2021年在籍選手を若い順に並べ、レギュラー格の山本義道と金子翔太の1995年度生まれで区切りました。

2001年・2002年組は、2021年は全く出場機会がありませんでした(ただし、吉長真優は7月の天皇杯での負傷の影響もありました)。
特に、現在栃木SCの主力としてJ2で活躍し、U-23日本代表でもある鈴木海音が、2021年に出場機会を全く失っていたことに驚きます。

また、現在横浜FCで大活躍の小川航基は、2020年の1,799分から2021年には321分に激減。出場時間だけみたら同期の鹿沼直生より少ないのは意外でした。ライバルだったルキアンは41試合3,464分ですので、ルキアンがスーパーな活躍だったことは事実ですが、改めて2021年は戦力固定で戦ってきたんだなと実感します。

伊藤洋輝は別格ですが、2020年に当時のフベロ監督がセンターバックにコンバートさせたことが大きな転機でした。もしそれが無かったら、伊藤洋輝ですら今頃どうなっていたのか?と考えてしまいます。
この転機については、福西崇史さんとのYouTubeでの対談で伊藤洋輝本人が語っています(下記動画8:40~)。

2021年のジュビロは「J1昇格一点集中」の年でした。それを否定するつもりはありません。目標を見事に達成したジュビロを誇りに思っています。
ただ、若手の出場機会という点では、2021年はその犠牲となってしまった感が否めません。


話を伊藤彰監督の「二つのレーン」に戻します。

『勝利すなわちJ1残留という結果を残し、且つ、次世代の若手を試合出場させながら育成を図る』という「二つのレーン」。それをJ1の舞台で成し遂げる。現状J1最下位に沈むジュビロにとって、非常に困難なミッションであることは言うまでもありません。

伊藤監督は「(若手が)目の色変えてガムシャラにできるかどうか」と話してます。つまり、若手のモチベーションを上げて試合に絡ませ、中堅・ベテランと上手く融合を図り、勝利という結果に繋げなければならないのです。

困難を承知の上で、伊藤監督はそのミッションを公言し、成し遂げようとしています。ジュビロが将来J1で上位を狙えるチームとなるには、通らねばならない道です。従って、今年の結果は本当に大事なのです。

ジュビロの選手達は順位が伸びず本当に苦しいと思います。
私も含めジュビロのファン・サポーターも去年よりずっと苦しい年ですよね。でも、何としても勝利という結果を残して欲しい。
今年の勝利の積み重ねとJ1残留が、来年以降のジュビロを左右すると言っても過言ではありません。

今日7月17日、ジュビロは降格圏脱出をかけてFC東京とアウェイで戦います。全力でジュビロを応援したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田、そして伊藤彰監督のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。


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