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勝負はこれから -杉本健勇-

伊藤槙人が蹴り上げたクリアボールがヤマハスタジアムの夜空に舞い上がり、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。その瞬間 杉本健勇 はピッチに倒れ込んだ。

7月30日、明治安田J1リーグ第23節「ジュビロ磐田 対 湘南ベルマーレ」。
ジュビロは最下位脱出のため是が非でも勝たねばならない試合。
1-0で勝利をもぎ取り、16位に順位を上げて最下位を脱出した。

後半32分、鈴木雄斗が送ったパスを健勇が受け、向かってくる湘南DF大野和成選手を見事に交わし、GK谷晃生選手を引き付けてゴール中央へラストパス。走り込んできた金子翔太がシュートを放つも、DF舘幸希選手に一度はブロックされたが、再度翔太が押し込んでゴール。この1点が貴重な決勝点となった。

記録上は健勇のアシストにはならない。健勇のゴールでもない。
しかし、健勇の見事な裏への抜け出しと実質アシストと言って良い翔太へのラストパス。ジュビロの勝利に大きな貢献をした見事なプレー。
本当にありがとう健勇!

そして、DAZNでは映っていないのだが、ヤマハスタジアムで観戦したジュビロサポーターのSNSによると、伊藤彰監督やチームメイトは、ゴールを決めた翔太だけでなく、健勇にも祝福ため駆け寄ったそうだ。

湘南戦後の伊藤彰監督のインタビューは、健勇への評価と今後への期待に溢れるコメントだった。
ゴールを決めた翔太も健勇への感謝の言葉を残してる。結果的に健勇のアシストにならなかったことへの気遣いまで見せている。

団結力の強さだったり、チームメイトへの思いやりだったり、そんな想いが強く伝わって来るジュビロが大好きだ。


今年は、前年までのストライカーだったルキアンと小川航基がいない。健勇にかかる期待が大きくなるのは必然だった。

しかも健勇は背番号9を背負った。小川航基が背負い、かつてはレジェンド中山雅史さんが背負った背番号。ジュビロにとっては背番号9は特別なものだ。

しかし、健勇は今シーズン未だ無得点。これまで周囲からの相当なプレッシャーやストレスに晒されていたことは想像に難くない。

2015~2016年にジュビロでFWとして活躍した森島康仁さんは、自身のTwitterで健勇の苦悩を代弁するコメントを発信した。森島さんもかつて同じような境遇を経験し苦悩したのだろう。

今シーズン半分以上の試合を消化して無得点という結果は厳しい。でもジュビロのために来てくれた健勇を最後まで応援したい。苦悩しながらもジュビロのために戦う健勇を後押ししたい。

J1残留に向けた戦いはまだ何も決まっていない。
下位チームの勝ち点差は殆ど無い。
夏場の厳しい季節の戦いでは、健勇を含め全員の力が必要だ。正に総力戦。勝負はこれからだ。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田、そして杉本健勇のファンサポーターに歓喜が訪れることを願って。

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