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愛媛FCで羽ばたけ!ジュビロ磐田U-18舩橋京汰

左サイドから大きく蹴り上げられたクロス。トラップしてすぐさま左足を一閃!ボールはゴール左隅へと突き刺さりました。

夕日を浴びた、ゆめりあサッカー場。

ゴールを決めたその選手は歓喜の笑顔で走り出し、チームメイトは祝福のためその選手のもとへ全速力で駆け寄りました。

舩橋京汰

履正社高校との戦いで、決勝ゴールを決めた瞬間でした。

2023年9月17日 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ第14節。ジュビロ磐田U-18 vs 履正社高校。お互い降格圏内での"裏天王山"。絶対に負けられない戦いでした。

ゆめりあサッカー場のメインスタンドに座っていた私は、ジュビロ磐田U-18の2点目を決めた舩橋京汰選手の強烈なシュートを目撃することができました。

選手達による「勝利は続くよ」を聴き終えた私は、駐車場へ向かって歩きながら舩橋京汰選手のシュートを思いだし、来年ジュビロ磐田のトップチームの選手として戦う姿を想像していました。

同期の後藤啓介と共に来年ヤマハスタジアムを走り抜ける姿。そしてその舞台は絶対にJ1であって欲しい。想像するだけでワクワクしていました。


しかし、その期待は実現しませんでした。


履正社高校との試合が終わって間もない9月21日、舩橋京汰選手は2024シーズンより愛媛FCに加入することが発表されました。

ジュビロ磐田のトップチームに昇格すると信じて疑っていなかった私は、
正直言ってショックでした。

2023年の舩橋京汰選手は、U-18プレミアリーグだけでなくトップチームの試合でも活躍を見せてくれていたからです。

ジュビロ磐田はファビアンゴンザレスの二重契約問題のため、2022年オフと2023年夏の2回の移籍ウインドウで選手補強が禁止されました。

しかしこの補強禁止は、2種登録されたU-18の選手を含めた若手選手達がプロ公式戦に出場するチャンスを得ることに繋がりました。


4月19日、ルヴァンカップGS第4節、ホームヤマハスタジアムでの横浜F・マリノスとの戦い。後藤啓介、舩橋京汰、川合徳孟という現役高校生3人が王者マリノスに立ち向かう姿に、ジュビロの未来を感じました。

メンバー表を見上げた瞬間、未来のジュビロを見ているようで本当に感動しました。

後藤啓介、川合徳孟、舩橋京汰の名前が並ぶ

結果は0-1で敗戦でしたが、堂々と王者マリノスと戦った経験はきっと彼らの力になったはずです。


そして、7月12日 天皇杯3回戦、ホームヤマハスタジアムでのヴィッセル神戸戦。ジュビロ磐田は前半だけで4失点。0-4で前半を折り返すという非常に苦しい試合。J1の神戸との力の差をまざまざと見せつけられました。

しかしこのままでは終わらないと意地を見せたのが、後半8分から途中出場した舩橋京汰選手でした。

後半17分、松本昌也からのパスを受けた舩橋京汰選手はしっかりとゴールに流し込みます。ジュビロがようやくこの試合で得点。舩橋京汰選手にとってこれがプロ公式戦での初ゴールとなりました。

松本昌也が左の舩橋京汰へパス
舩橋京汰がゴールに流し込む

この後、古川陽介もゴールを決めます。結果は2-5の大敗ではありましたが、J1神戸相手に舩橋京汰選手の決定力の高さを見せつけることができたのは収穫でした。




J1の横浜F・マリノスやヴィッセル神戸などと戦い、来年への期待を大きく抱かせた舩橋京汰選手でしたが、彼が選んだ進路は愛媛FCでした。

ショックが大きかったこのニュース。

しかし、時間が経つにつれ「これもひとつの道。」と思えるようになりました。私のようなジュビロサポーターは、舩橋京汰選手のような逸材に対し、どうしてもトップチームで活躍して欲しい思いが強くなってしまいます。

しかし、外の人間が知り得ない事情だってあると思います。

自身が思い描いているサッカー選手人生。

ジュビロ磐田トップチームの選手層と出場機会の見込み。

プロか?それとも大学進学か?

フットボール本部の強化方針。

他クラブの環境。

などなど・・・。

私が言うまでも無く、舩橋京汰選手はこれら条件に対し、熟慮に熟慮を重ねた上での決断だったと思います。

そう考えれば、今後の舩橋京汰選手が愛媛FCで活躍する姿を応援する気持ちが強くなりました。

ジュビロ以外のチームで舩橋京汰選手がどこまでやれるのか?
いや、やれるに決まっている。

今年の愛媛FCはJ3首位を快走しています。来季J2に帰還する可能性が最も高いチームで勢いがあります。そこに舩橋京汰選手が加入し、いい意味で愛媛FCサポーターの度肝を抜いて欲しい。

来季ジュビロ以外に試合を観るのが楽しみなチームが増えました。

Jリーグはこのような物語と共に観ることが一つの醍醐味に感じています。

とは言え、まだジュビロ磐田U-18としてプレミアリーグ残留のミッションが残っている舩橋京汰選手。今年一杯はサックスブルーのユニフォームで戦う姿を見届けようと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田、そして舩橋京汰選手のファン・サポーターに歓喜が訪れる事を祈って。


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