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2023 J2 第5節「ジュビロ磐田vs清水エスパルス」超主観的振り返り

磐田2-2清水
【得点者】
磐田 : 後藤啓介(前半2分)、松本昌也(後半21分)

清水 : チアゴ サンタナ(前半42分、後半42分)

どっと疲れました。

胃が痛くなった、悔しかった、勝ちたかった。

でも、エコパを包み込む雰囲気、試合展開に痺れました。

2023年3月18日、J2リーグ第5節ホームエコパスタジアムでの清水エスパルス戦、静岡ダービー「静岡三国決戦」

あいにくの雨天となりましたが、エコパスタジアムで現地観戦してきました。

私自身、エコパ参戦は本当に久しぶりで、2021年の11月27日天皇杯準々決勝 大分トリニータ戦以来でした。

結果は、悔しい悔しいドロー。

リードしていたのですが、最後の最後で失点し勝ち点3が1になってしまいました。

でも、昨年のダービーよりも、そして、今季開幕よりも着実に歩みを進めているジュビロに希望が持てる試合だったと思います。

オフトさんがやって来た

この試合には元日本代表監督であり、ジュビロ磐田の監督を務めたハンス・オフトさんがエコパスタジアムに来てくれました。

ジュビロ磐田のJリーグ昇格30周年事業の一環としての御来場です。

試合前にはサポーターズクラブ会員で抽選で選ばれた方のみによるプレミアムトークショーが行われました。私は残念ながら落選でしたので、その詳細については判りません。

でも、試合開始直前にはピッチにて来場者へ挨拶をしてくれました。

Twitterにも書きましたが、私は「ドーハの悲劇」を経験している世代なので、当時TVで見ていたオフトさんが目の前にいることに感慨深い気持ちになりましたね。

そして挨拶後にジュビロサポーターの「ハーンス・オフト!」のコールは感動的でした。

一方で、オフトさんがおっしゃった
「次回私が来日する時にはJ1ダービーマッチをでダービーが見たい」
という言葉。

今のジュビロに対する激励ではありますが、厳しい言葉にも思えました。

実力を積み上げ、J1へ戻ろう。そしてオフトさんの前で再び強いジュビロを見て頂きたいですね。

スターティングメンバー

注目の金子翔太松原后の元エスパルスの二人は揃ってスタメン出場となりました。それにしてもこの2人の選手紹介時、エスパルスゴール裏からのブーイングはものすごかったですね。ダービーならではです。

もう一つの注目、CBはリカルドグラッサ鈴木海音がスタメン。鈴木海音が満を持して今季リーグ戦初スタメン・初出場を果たしました。サブのCBに山本義道が入ると予想していたのですが、残念ながらベンチ外でした。

気になるのがこれまでスタメン出場を続けてきたドゥドゥ杉本健勇がベンチ外となった事です。試合後の横内監督のインタビューによれば「コンディションが間に合わなかった。」とのことですが、大事でない事を祈ります。

その杉本健勇の替わりに、遂に後藤啓介がリーグ戦初スタメンで登場。ルーキーが清水に対してどこまで力を発揮することができるのか?大きな期待を抱かせる起用となりましたが、これが当たりました。

後藤啓介の先制弾

キックオフの笛が鳴った直後でした。ジャーメイン良が前線へ出したパスに後藤啓介が抜け出し、一対一になった権田修一選手に対し、左足一閃!

ボールはエスパルスゴールへ突き刺さりジュビロが先制!

ジャメのロングパスも改めて見ると素晴らしいですね。

前節大宮戦は、何度も何度も決定機を作りながらも一点も入らず、非常に歯がゆい思いでした。

それが今回開始早々の先制点ですからね。

大宮戦のモヤモヤも吹っ切るように、思わずエコパスタジアムで立ち上がり両手を突き上げて、

「いよっしゃああああああああ!後藤ーーーーー!」

と叫んでいる私がいました(もう、声出しOKなのでね)。

リーグ戦初スタメン、しかもダービーでいきなり大仕事をやってのける後藤啓介。しかも相手は昨年ワールドカップ日本代表としてゴールを守っていた権田修一選手からの得点。これは非常に自信になると思います。

その後も試合中にゴール裏のジュビロサポーターに向けて、自身のユニフォームのエンブレムを掴み、そして、両手を上げて煽る姿がニクイ。

改めて申し上げますが、彼、高校二年生ですよ

試合後のインタビューでは以下のように語っています。

――リーグ戦は初先発でしたが、気負うことなく試合に臨めましたか?
ムードはいつもと違った感じはしましたが、でもいつも通りのプレーができたと思いますし、緊張は全くしなかったです。正直、結構自分はジンクスを気にするタイプで、今日は18日ですが、初めて点を取ったのがちょうど1ヶ月前の2月18日でした。今日は絶対に取れるなと思っていました。取れて良かったです。

後藤啓介:ジュビロ磐田公式ホームページより

なんて頼もしい発言じゃないですか!もう笑っちゃうくらいです。

気持ちをここまで前面に出すルーキーって、少なくとも私がジュビロを応援するようになった2019年以降はいなかったタイプなのでとても新鮮です。

フィジカルをつけて、その才能を更に開花させてほしいですね。

金子翔太 魂のドリブル

前半33分、今日のダービーに相当な覚悟で臨んでいたであろう金子翔太が光るプレーを見せます。

右サイドで鈴木雄斗から鋭いパスを受けた金子翔太が、するするするーっと敵陣に向けてドリブル突破していきます。

エスパルスの選手が1人、2人とマークがついても抜け出していくその技術にこれぞプロのプレーだと思いました。現地でも非常に歓声が上がりましたね。

ゴールに直結するプレーでは無かったため、公式Twitterでのプレーには残らないだろうなあ・・・と思っていたのですが、公式さん素晴らしい。しっかりアップしてくれました。

松本昌也 気迫の勝ち越しヘッド

前半42分にチアゴサンタナ選手に同点に追いつかれたジュビロ。

後半に入りましたが得点力が課題ですし、しかも相手は清水ですので、あと1点取れるかどうか・・・・と思ってました。

そんな中、後半20分、GK権田修一選手が緩く返したボールを鈴木雄斗が受けてクロスを上げます。そこへ松本昌也が渾身のヘッドで勝ち越し!

第3節山形戦に続いての勝ち越しゴールを決めた昌也。

Twitterの動画には残ってませんでしたが、松原后が自分の事のように昌也の肩を抱いて喜び、ゴール裏のジュビロサポーターへ向けて煽るような動作を見せたのは胸熱でした。

そう言えば、山形戦での昌也ゴールでも松原后は、昌也を押し倒して両肩を地面にガンガンぶつけるような荒々しい祝福をしてましたね。今回はそこまでの荒々しさは無かったですが、やっぱり松原后は熱い男です。

清水の凄まじい猛攻

後藤啓介の先制弾で出ばなをくじかれた格好になった清水ですが、これが火をつけたのか序盤から猛攻を仕掛けます。

この試合通してジュビロは自陣で防戦になる場面が多かったですね。
以下が今試合の記録です。

ジュビロ磐田公式ホームページより

やはり、シュート、コーナーキック、直接FKで清水が大きく上回ってます

それでも、ジュビロは耐えて耐えて耐えまくりますが、チアゴサンタナ選手に2点を決められてしまいました。

特に後半42分のチアゴサンタナ選手の同点ゴールはこたえました。今回も試合終了間際で勝ち点3を落としただけに。悔やまれてなりません。

あと数分耐えていればという所。ジュビロがJ1で戦うにはこのような試合を押し返し、勝ち切る力をつけなければなりませんね。

梶川裕嗣 渾身のセーブ連発

2失点でドローに終わった今試合でしたが、GK梶川裕嗣はファインセーブを続け、相手セットプレーではボールをキャッチするなど好プレーを続けました。

ドローで終われたのは、梶川裕嗣の活躍があったればこそでしたね。スタンドでの周りのサポさんもカジのナイスセーブに大きな歓声と拍手が起こっていました。

先日のルヴァンカップ第1節で、J1王者の横浜F・マリノス相手にナイスセーブを連発した三浦龍輝がサブで控えているだけに、GKのポジション争いは熾烈です。




総括と次節へ向けて

死闘を終えたジュビロとエスパルスの選手は、互いのゴール裏へ挨拶に向かいましたが、両軍のゴール裏サポーター共に、自軍の選手に向けてすさまじいブーイングを浴びせていました。

これがタービーなんでしょう。

金子翔太は、そのブーイングに対ししっかりスタンドを見据え拍手で応えていました。何度もダービーを経験してきた金子翔太は、サポーターの厳しい声に何を思ったのか?本人しか知り得ることはできませんが、少なくとも前を見据え次の試合への覚悟を見たような気がします。

試合後、静岡新聞運動部の取材によれば、金子翔太は清水の攻撃の迫力が上であったことを認めていました。

松原后は、ダービーでは勝利しか求められていない事を自覚するコメントを寄せています。

私は、ホームでのダービーを現地で観戦するのは初めてなんです。

2022年10月22日のJ1第31節がダービー初現地観戦でしたが、この時はアウェイ アイスタでした。

この時は、J1残留争い佳境となっており、古川陽介が試合終了間際の決定機を外したためゴール前で泣きじゃくる古川の姿に「前を向け!」という激励の方が大きかったと思います。

しかし、ダービーというものは勝利しか許されないという雰囲気になることを改めて知りました。

もちろん私も勝ちたかったです。本当に悔しかったです。

ジュビロは高校生の後藤啓介のみが新加入であり、それ以外はレンタルバックしかできない中で、基盤づくりから始めた2023年。

一方の清水は日本代表GK権田修一選手、昨年J1得点王チアゴサンタナ選手を擁し、昨オフにディサロ燦シルヴァーノ選手をレンタルバックさせ、更には吉田豊選手、高橋祐治選手など十分な補強をし、J2では規格外とも言えるような強大な戦力です。

2月の鹿児島キャンプでの清水との練習試合では完敗を喫しました。

練習試合から1か月でドローに持ち込んだジュビロ。

私は、あの清水に対し現時点においては、正直言ってよくやったと思います。下を向く必要はない。改善を修正し、次につなげて続ければいいのです。

序盤戦は難しい試合が続くのは覚悟していました。

開幕の岡山戦で完敗を喫した後、山口、山形と難敵が続き、ルヴァンカップではJ1王者の横浜F・マリノスと戦い、少しずつではありますがチーム力は突き始めています。

大宮戦では敗戦しましたが、最後の最後まで大宮を押し込みました。

そして今回のダービーでは、耐えながらも2点を奪い、清水を最後まで追い詰めました。

この試合前まで清水は4試合で1失点しかしていなかったのです。決定力不足だったジュビロが、その清水から1試合で2点奪ったことは評価できると思います。

もちろんジュビロの課題は山積です。

終始押し込まれてしまう状況を今後選手補強ができないでどのように改善していくか?そして、決定力もまだまだです。

更には鈴木海音がU-22代表に選出されたため、3月19日~3月29日の期間は不在です。この間、負傷中の伊藤槙人の回復具合によっては、リカルドグラッサ、中川創、山本義道の3名でCBを担わねばなりません。

横内監督の采配と選手の一丸となる姿勢に期待しています。

次の試合は、3月25日(土)ルヴァンカップ第2節コンサドーレ札幌戦、3月29日(水)J2第6節栃木SC戦と連戦になります。

厳しい戦いとなりますが、試合をこなすことでベンチ外の選手も含め全選手が力をつけてくれることを願っています。

成長するジュビロを見るのが楽しみな自分がいます。そのために精一杯の応援をしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。

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