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鳥居真道ゼミ音献購読Vol.5 講義ノート

・鳥居真道ゼミ音献購読とは?
鳥居真道ゼミは2006年結成 4人組ロックバンド「トリプルファイヤー」のギタリストであり、音楽評論家顔負けの知識を持つ鳥居真道氏が毎回一枚のアルバム(LP)を取り上げ、その一枚にフォーカスし、大学教授さながら講義を行ないつつ、アルバム全曲をノーカットで一曲づつ参加者全員で試聴するというたいへんマニアックなイベントです。
19:30に開始し、終了は22時を廻ることもある長丁場なイベントでもあります。
今回も鳥居教授はツイードのジャケットにメガネというインテリコスプレで登場し、約一時間の前説(講義)を、休憩を挟んで後半一時間はトラック解説&試聴という形式でゼミが行われました。

第一回はSteely Danの「Aja」

第二回はTalking Headsの「Remain in Light」

第三回はShuggie Otisの「Inspiration Information」

第四回はNirvanaの「Nevermind」

を取り上げていただきました。

・今回のお題
今回はThe Smithの「The Queen IS Dead」

を取り上げいていただきました。
きっかけは、昨年秋に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督の映画『ザ・キラー』の中で主人公の殺し屋が仕事中に聴く音楽がザ・スミスであったことからスミス熱が再燃し、代表作である『Queen Is Dead』を取り上げたとのこと。

・事前課題
鳥居氏はイベント告知の際に必ずSpotifyのプレイリストを共有されるのですが、今回のプレイリストの中にも講義のヒントがたくさん隠されています。

・The Smithとは?
1982年にマンチェスターで結成された4人組バンドで、メンバーは
モリッシー (Morrissey)/ボーカル
ジョニー・マー (Johnny Marr)/ギター
アンディ・ルーク (Andy Rourke)/ベース
マイク・ジョイス (Mike Joyce)/ドラム
の4人で構成され、バンド名はモリッシーが考案
スミスはイギリスでポピュラーな苗字であり、「鈴木」みたいな感じとのこと。

・バンド結成の経緯
1978年、モリッシーとマーがパティ・スミスのライブで知り合い、1982年に曲作りに精を出しながらバンド結成を目論むマーが、モリッシーの家を探し出して訪問、共同作業を開始。
ドラマーはオーディションの結果、マイク・ジョイスに決定
当初ベースは別の人物だったが、マーの友人のアンディ・ルークに決定
デモテープを作成し、ロンドンのインディーズレーベル、ラフ・トレードと契約を結び、1983年、シングル「ハンド・イン・グローヴ」でデビューしたという流れのようです。

・Queen Is Deadとは?
イギリスのバンド、ザ・スミスの3rdアルバムで、1986年6月16日リリースされました。鳥居氏は1987年生まれですので、鳥居氏が生まれる前にリリースされたアルバムということになります。
バンドの代表作であり、UKチャートは最高2位、オールタイム・グレイテスト・アルバムの上位常連ジャケットの写真は映画『さすらいの狼』(LʼInsoumis)1964年のフランス映画アラン・カヴァリエ監督アラン・ドロン演じる主人公が死ぬ場面を引用しているとのこと。
「Queen」はエリザベス女王のことを指し、英国がサッチャー政権となり、サッチャー嫌いのモリッシーがサッチャーのファシズムを皮肉ったもののようです。
モリッシーは隅っこに追いやられたら者たちがリアルに感じられる音楽を目指しており、サウンドはフィル・スペクターの「音の壁」をギターバンドで再構築することを狙った意欲的なものであり、大滝詠一とも通じるコンセプトであることなどを解説。

一枚のアルバムにとことんフォーカスし、バンドのキャラクターや、その作品が作られた時代背景やなどを知ることが出来、今回もなかなかためになるイベントでした。

Kanda Guitar Baseは4月以降、御茶ノ水に移転しますが、移転後もこのようなイベントが開催できればと考えています。


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