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Player誌 1981年 12月号

会社の本棚からPlayer誌 1981年 12月号が出てきました。
42年も前の雑誌です。
思わず時を忘れてペラペラと眺めているとあっという間に時間が過ぎて行きます。至福の時間ですね。
メンバー募集や売ります、買いますコーナーも懐かしいです。
個人情報が今ほど厳しくなかった時代ならではのコンテンツですね。

・表紙、特集
表紙およびインタビューはKIETH RICHARDS。
その他結成したばかりのLOUDNESS、TOTOの弟分としてデビューしたKEANEなどが紹介されています。

・広告
雑誌は記事だけでなく広告も大きな楽しみの一つでした。
広告は時代を反映していますね。
メーカー広告を見てみるとGrecoのSuper Realシリーズ、BOSSのアナログディレイDM-2 が新製品として掲載されていたり、GutyatoneのエフェクターPSシリーズ、KORGのMONOPOLY・POLYSIX、Pearlのエフェクター4-CONTROLシリーズ、MAXONのギターアンプGXシリーズ、BIASやAMDEKの自作エフェクターキットなど、これまた懐かしいものがたくさん。
販売店系ではLAOX楽器館やTHE楽器屋、梅田ナカイ楽器、ワルツ堂、三鷹楽器、カワイサウンドシティ渋谷、通販系では二光やVIVAなど、今はなきショップの名前が。

・人生を決定付けた楽器フェア
巻頭記事は科学技術館で行われた楽器フェアのレポート。
キャプションは「狂乱と熱気の中で開かれた楽器フェア」会場は新しい楽器を知ろうとする人達でいっぱいだった・・・・・。とあります。
実は私はこの楽器フェアは見に行っておりまして、これが人生初の楽器フェアでした。
通路ですれ違った外国人がドラムのサイモン・フィリップスだったり、その他書ききれないほどの内外のトッププロミュージシャンが何食わぬ顔でウロウロしておりました。
文字通り「狂乱と熱気の中で開かれた楽器フェア」でした。

この楽器フェアを見て私の将来の夢が「ミュージシャンになりたい」から「楽器フェアの説明員になりたい=楽器メーカーに就職したい」に変更されました。
まさに私の人生を決定付けたイベントがこの1981年に行われた楽器フェアだったというわけです。
この記事が載ったPlayer誌が会社に保管されていたことにも運命を感じます。

・Before DX-7

きわめて個人的な考察ですが、LM楽器は1983年を境い目に大きな変革を迎えたと認識しております。
それはYAMAHAから世界初のデジタルシンセサイザーDX-7が登場したのが1983年であるためです。

YAMAHA DX-7

デジタルの波は音楽業界のあらゆる常識を変えました。
それまではすべてアナログだったシンセサイザーがデジタル化されたことによって、従来出せなかった金属的なサウンドや安定したピッチを得ることが出来るようになり、アナログシンセでは無理だったリアルな生楽器のシミュレーションが出来るようになりました。
1987年にローランドからD-50が、1988年にKORGからM1がデビューするまではデジタルシンセはYAHAMA DX-7の独壇場でした。
シンセサイザー以外でもデジタルのテクノロジーはデジタルディレイやデジタルリバーブといった空間系のエフェクターやデジタルレコーダーなどの登場により楽器業界に大きな変革をもたらしました。
楽器フェアは2年に一度開催ですので、1981年の楽器フェアはまだDX7が発表される前の楽器フェアで、まさにBefore DX-7の最後の楽器フェアーということになりますね。
最後のアナログ時代の楽器フェアです。
とにかく、ある年代以上の方には懐かし過ぎて涙が出てきそうな時代の雑誌です。
ヤフーオークションや古本屋さんでも入手することが出来るようですので、1983年以前のBefore DX-7アナログ時代の楽器業界の雰囲気を覗いてみてはいかがでしょうか?

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