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ギターのスケールと弦のゲージの話

ギターを弾く人はスケールとゲージについて正しい知識を持っている必要があります。
ここではギターの「スケール」と弦の「ゲージ」に関する話をなるべくわかりやすくお伝えします。


・スケールとは?

スケールとはギターのナットからブリッジまでの長さのことで、日本語に直すと「弦長」です。
同じ弦の太さで、同じチューニングの場合、スケールが長いほうが響きは良くなりますが、テンション(張力)がきつくなりますので、弾くのは大変になります。
逆に同じ弦の太さで、同じチューニングの場合、スケールが短いほうがテンション(張力)が緩和されますので、弾くのは楽になりますが、音の響きやサスティーンの長さという面ではやや不利な方向に作用します。

・ZEMAITISのスケール

ZEMAITISギターのスケールは635mm
参考までに
ストラトキャスターやテレキャスター648mm
レスポール629mm
です。
スケールの長い順に並べると
1. ストラトキャスター/テレキャスター:648mm
2. ZEMAITISギター:635mm
3. レスポール:629mm
となり、ZEMAITISは「ストラトやテレキャスターよりは短く、レスポールよりは短い」という絶妙なスケールの設定となっていることがわかります。

スケールの更に詳しい解説については下記の「コラブロ!」をご参照ください。

・ゲージについて

次に解説するのは弦の「ゲージ」についてです。
ゲージとは弦の太さを表します。
例えば「10-46」と表示されている弦のパッケージは、1弦が0.010インチ(0.254mm)で6弦が0.046インチ(1.1684mm)のパッケージということになります。

・ゲージの種類

弦の細い順に「エクストラライト」「ライト」「ミディアムライト」「ミディアム」「ヘビー」といったようにゲージが分かれております。
更にその間を設定しているメーカーや、高音弦は細く、低音弦だけが太いボトムヘビーなセット弦もあります。
ROTOSOUNDの場合はR9、R10、R11、R12といったように、1弦の太さで表記されており、例えば低音弦だけ太い09-46の場合はRH9、10ー52の場合はRH10と表記されています。
巻き弦にはwの表記。
法則を覚えればわかりやすいですね。


・標準はライトゲージ

言葉の意味合い的にはおかしいのですが、最近ではライトゲージが標準的なゲージとなっており、ミディアムゲージは「やや太いゲージ」と捉えられています。(ミディアムなのに)
ROTOSOUNDは他社のライトゲージを「regular」と表記しています。
これは弦の性能が良くなり、細い弦でも素晴らしい音を奏でることが出来るようになってきた為です。
当然弦が細いほうが楽器への負担は小さくなります。

一般的にはエレキギターは「10-46」(ライトゲージ)アコースティックギターは「12-53」(ライトゲージ)が標準とされています。
上記よりも細いゲージは標準弦よりも指に優しく、上記よりも太いゲージの弦は指への負担が大きいと思って下さい。

という訳で、各メーカーの工場出荷時にはライトゲージが張られているのが一般的です。(例外あり)

・スケールとゲージの関係

適度な弦のテンション感をもってギターを弾くには、自分がどのくらいのテンションのギターが一番弾きやすいかを知る必要があります。

例えば、STタイプに09-42を張った状態が一番弾き易いのであれば、LPタイプでは10-46を張ったくらいで丁度良いと感じるでしょう。
実際LPには10-46を、STには09-42を張っている人が多いです。

ZEMAITISの場合、中間なので悩ましいのですが、工場出荷時の標準弦は10-46です。

もっと詳しく知りたい方は、「ストラトとレス・ポールに同じゲージを張ってはいけない理由」という本が出ていますので、そちらを読むのも良いでしょう。

・ゲージを変えるときは調整が必要

「標準の10-46では弾くのが大変なので一つ細い09-42に変えたい」という方もいらっしゃるでしょう。
トラスロットの話のところでも少し触れましたが、弦のゲージを変えるということは楽器の張力(負荷)が変わるということです。
弦のゲージを変更する時は必ずブリッジやナット、トラスロッド、オクターブピッチなどの調整をするようにしましょう。
例えば、標準の10-46を張る前提で調整されたギターに09-42を張るということは、ギターへの負荷が軽減されるので、調整をせずに使い続けるとネックが逆反りする可能性があります。
元のゲージに戻したい時や、もっと太いゲージに張り替えたい場合も同様で、調整をせずに太いゲージに替えた場合はネックが順反りする可能性がありますし、そのままではナットの溝が合わない場合もあります。

自分で調整する自信がない方は、ギターを購入したお店やリペアーショップに持ち込んで、使用するゲージに合った調整をしてもらうようにして下さい。


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