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「stay foolish」ジョブズまでの系譜

先日、NHKの「世界を変えた“愚か者”フラーとジョブズ」を見た。
スティーブ・ジョブズのメッセージを久しぶりに見たが、元気をもらえた。また、ジョブズが影響を受けてきた思想を知ることができた。

今回は、番組の中で紹介されていたジョブズに至るまでの流れと、
偉大な先人たちの言葉を以下に紹介したい。

ジョブズに至るまでの流れ

「宇宙船地球号」という言葉を生み、ヒッピーたちのカリスマでもあったバックミンスター・フラー。

フラーの思想の影響を受け創刊されホールアースカタログ。

ホールアースカタログの売上金をもとに開始された
アマチュアコンピューター愛好家コミュニティ「ホームブリュー・コンピュータ・クラブ」。

ジョブズは、バックミンスター・フラーに影響を受け
ホールアースカタログを愛読し
ホームブリュー・コンピュータ・クラブに出入りする中で、
apple が生まれ、マッキントッシュが生まれ、iPhoneにつながる。

先代からの流れを受け継ぎ、その中で、iPhoneが生まれた。

ジョブズは直観とつながり、優れたプロダクトを残し世界を変えた。
私は、彼は「突然現れた天才」だと思っていたが、彼単独で作り出した功績ではない。
先代の思想を引き継ぎ、自身の中でさらに磨いた結果だったのだ。

ジョブズの発明ですら、「縁」によってなりたっている。
私たちは、「我(エゴ)」に執着しがちだが
実は、「我(エゴ)」は「縁」の集合体に過ぎない、ということに気づいてもいいのかもしれない。

そして、大谷翔平もまた、ジョブズの言葉に影響を受けた一人であるということも番組の中で初めて知った。

非常にいい番組だった。

番組の中で紹介されていた、偉大な先代たちの印象的な言葉を以下に記載したい。

偉大な先人たちの言葉

バックミンスター・フラーがヒッピーコミュニティの中でしたスピーチ

子供は何でも質問します
でも大人は
「大きくなったんだから馬鹿なことを言わないで
星や鳥のことなんて考えないで。ABC以外は知らなくていい」
なんて言います。常識を押し付けてしまうのです。

ヒッピーがバイブルとしていた本「ホールアースカタログ」の創刊号の記載

このカタログは、バックミンスターフラーの思想から生まれた
フラーの言葉はまるで即興の音楽のような驚きに満ちている
フラーは今、もっとも独創的で、実用的な知性の持ち主なのだ

スティーブジョブズがappleに戻ったときに作成したCMのナレーション

クレージーな人たちがいる
はみ出し者、反逆者、厄介者と呼ばれる人達
四角い穴に丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人達

彼らは規則を嫌う 彼らは現状を肯定しない
彼らの言葉に心を打たれる人がいる
反対する人も 賞賛する人も けなす人もいる
しかし 彼らを無視することは誰にも出来ない
何故なら、彼らは物事を変えたからだ
彼らは人間を前進させた

彼らはクレージーと言われるが
私たちは天才だと思う
自分が世界を変えられると本気で信じる人達こそが
本当に世界を変えているのだから

スティーブジョブズがスタンフォード大学で行ったスピーチの一部

あなたの時間は限られている。
だから他人の人生を生きたり無駄に過ごしてはいけない。
ドグマ(常識、既存の理論)にとらわれるな。
それは他人の考えにあわせ生きていることなのだから。
他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。
そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。
それはあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。
それ以外のことは、全部二の次でしかない。


終わりに

唐突に話は分かるが、これからの人間は「超人」と「動物」に分かれていく、と考える哲学者がいる。面白い考えだと思う。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏もまた、『ホモ・デウス』(2016年)では、21世紀の人間は、ごく一部の神のような人々「ホモ・デウス」と、それ以外の「無用者階級」に分かれていくだろうと考える。

だが、この考えは、実は特段新しいものではなく、
未来予測小説家(と私は思う)アーサーCクラークの「都市と星」で予見されていた。(なんと、50年も前に作られた作品だ)

管理された環境の中で、ゲームに興じたりしながら、変化の少ない日常を送る人たちの町「ダイアスパー」と
辺境で生きる、自然な死を受けいれ、思いやりや、人と人とのつながりを大切にするコミュニティ「リス」がそれだ。
主人公アルヴィンは、好奇心を羅針盤に、ダイアスパーから出てリスに向かった。

「私たちは、今どちらの生き方をしているだろうか。」「私たちは、どちらに向かいたいだろうか」と考えるとき、ジョブズやフラーの言葉は、私たちを勇気づけ、はげましてくれている。そんな気がしてならない。

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