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ウグイスが消える、気象庁が生物季節観測を9割廃止。

 今年も残り少なくなってきた。

 生物季節観測とは、昭和28年より気象庁が行っているもの。ウグイスやセミがいつ鳴き出したのかなどを調べ、季節の移り変わりや気候の変化を伝えることを目的として、一般に公表している。

 桜の開花報告などがよく知られている。開花の頃になると、各地の桜の標準木、観測するための目印の木を、気象庁の人が目で見て調べているニュースが流れていたりする。

 2021年より、気象庁の職員が観察していた57種類の動植物のうち51種類の観測をやめる。ウグイスやセミの鳴き始めなど、動物の観測は全てなくなる。

 今までは、コオロギ、カッコウ、ツクツクボウシ、ヒグラシ、ヒバリ、などの鳴き始め。赤トンボ、シオカラトンボ、ツバメ、ホタル、モンシロチョウ、などの初見を調べていた。
 これらの観測が全てなくなる。
 植物でなくなるのは、ウメ、クローバー、スミレ、タンポポ、チューリップ、ツツジ、などの開花。
 生活環境の変化で動植物が減ってきたことが原因らしい。動物に関しては、全く見ることもできなくなったものもあるそうだ。
 とはいっても、観測しているのは気象庁の職員だから、その人がモンシロチョウを見ていないだけなのかもわからない。カッコウの声を聞いていないだけなのかもわからない。
 また、気象庁の予算は多いとはいえない。予算の少ない中で、異常気象により増えていく災害についても調べなければならない。予算はどこへいくか。人々が注目するところへ。金にならないこういう仕事をする意味を職員がもたなくなったことも、廃止の原因の一つではありそうだ。

 「の開花・満開」「の開花」「カエデの紅葉・落葉」「イチョウの黄葉・落葉」「ススキの開花」「アジサイの開花」の6種類は今後も観測が続けられる。

 四季のある国、日本といっていたのは過去のことになってしまいそうだ。
 季節を感じることがますます減っていく。

 ツバメが低く飛ぶと雨、月にかさがかかると雨などという。
 こういう自然現象や生物の行動の様子などから天気の変化を予測することを観天望気(かんてんぼうき)という。

 昔は、自然を見ながら天候を予測していた。それらは科学的に証明できるものも多い。
 雨が近くなると、虫たちが雨に備えて低い場所を飛び、その虫を食べるツバメも低いところを飛ぶといわれる。
 月だけでなく、昼の太陽の周りにも光の輪、「かさ」ができることがある。月の輪は「月がさ」、太陽を「日がさ」という。これは、高いところにある雲が、月や太陽に薄くかかったときに見られる。高いところにできる雲は、低気圧が来る前に現れる。だから、もうすぐ低気圧が来ることを知らせている。低気圧が来れば雨になる。
 天候に左右されながら生活していた昔の人々の生活の知恵である。

 畑仕事などは天候に左右される。雨が降るのと晴れるのとでは大違い。
 けれど、自然から切り離された生活をしている現代人は、自然を見る必要もなくなった。
 いやいや、洗濯物を干すときには、太陽や風の具合をみるなあ。天気予報でも、洗濯情報を流している。洗濯をよくする人は自然をよく見ているのだろう。
 洗濯物を外に干すことのなくなった人は、天候は関係なくなる。天候に関係なく洗濯をする。天候を気にしなくてもいいのだから、自然を見ることもなくなる。
 空を飛ぶ虫や鳥を見ることもなくなる。

 一度、空を見上げ、地の草花を見てみよう。何かが発見できるだろう。

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